ランド円レポート月曜版(2020年2月24日)

今週は上値は重たいまま、下値はレンジ下抜けリスクも考え、7.10レベルをサポートに7.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

ランド円レポート月曜版(2020年2月24日)

ランド円レポート月曜版

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、イベント前のもみあい継続となりやすいと見て過去2週間のレンジとなっている「7.23レベルをサポートに7.48レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.27レベル、高値が7.48レベルと、予想レンジ内の動きに収まる一週間となりました。

先週のランドは、今週の予算イベントを前に動きが取りにくかった様子で、3週連続で値幅を狭めることとなりました。また南アフリカにとっての最大貿易国である中国国内における新型コロナウイルスの影響は他の金融市場同様にあまり影響は出ていません。

しかし、中国では金融市場へあらゆる手を打って中国発の金融不安を招かないようにしているとはいえ、現実問題として人の移動が制限されていることや、感染者拡大が続いていることから深刻な消費低迷と製造業の再開の遅れが生じています。先週後半あたりから徐々に活動再開といったニュースも聞こえてきますが、正常化には程遠い状態です。

自動車産業やハイテク産業等、多くの業界でサプライチェーンを支える中国の活動低迷は世界的に大きな影響が今後も出てくることは間違いありません、ちなみに南アフリカにとっての貿易相手国トップ3は、輸出が中国(9.5%)、アメリカ、ドイツ、輸入が中国(18.3%)、ドイツ、アメリカとなっていて他国をリードしています。中国での消費低迷と製造業再開の遅れは南アフリカにじわじわと影響が出てきそうです。

それ以外の材料は、エスコム、南ア航空といった南ア財政のお荷物企業が来月下旬に予定されているムーディーズの格付け見直しへの悪影響となりますし、今週26日に発表される予算案も内容次第では悪材料となるリスクがあります。

今週発表される予算案では、エスコム、南ア航空への対応と財政赤字削減がどのように示されるかですが、昨年2月の予算案では増税、議員昇給停止、エスコムの分割が発表され、これまで進めてきたもののあまり成果が出ていないため、11月の中期予算では世界経済の低迷が南アの輸出減少を招いているとしました。その後の、中国での新型コロナウイルス感染拡大ですから、楽観的な内容になるとは思えませんが、ムーディーズが格付けを引き下げるとジャンクとなり南アからの資金流出を加速させることとなるため正念場です。

しかし、ランド円と異なり、ドルランドは着実にランド安の流れを続けていて、先週はドル円での円安が急速に進んだにも関わらず、ランド円が横ばいということは、それだけランドも安くなっているということに他なりません。26日の予算案に向けて今週もランドはじり安の展開を続けそうです。

ちなみに、対ドルでのランドは以下のドルランド日足チャートを見てもわかるように、昨年のランド安値(ドル高値)である15.500(ピンクの水平線)をターゲットにしていると考えられます。

ランド円レポート月曜版

ドルランド日足

ランド安バイアスが更にかかりやすいという前提で、いつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)も見てみましょう。

ランド円レポート月曜版 2枚目の画像

ランド円、ドルランド、ドル円(4時間足)

最近のランド円は、ほぼ7.20〜7.50のレンジに収まっていることがわかりますが、先週のドル円上昇で主要なクロス円でも円安が進んでいるにもかかわらず、ランド円では横ばいというのはしつこいですが気になります。予算案に向けて、あるいは予算案が失望するようなものとなった場合には、このもみあいを下抜けて7円の大台を試す可能性もあるという点には注意したいところです。

今週は上値は重たいまま、下値はレンジ下抜けリスクも考え、7.10レベルをサポートに7.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

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