トルコリラ円見通し 2月13日夜安値で下げ一服、小三角持合い(20/2/18)

シリア情勢や新型コロナウイルス感染拡大問題が深刻化するようだと2月10日安値を割り込んで一段安へ進みかねず、その場合はドル高リラ安要因となりやすいと思われる。

トルコリラ円見通し 2月13日夜安値で下げ一服、小三角持合い(20/2/18)

トルコリラ円見通し 2月13日夜安値で下げ一服、小三角持合い

【概況】

トルコリラ円は2月13日夜安値で18.06円まで下落して2月3日及び2月7日を割り込んだが、その後は下げ渋りで18円台を維持している。戻り高値は13日深夜の18.18円と14日昼の18.17円、17日夜の18.17円でほぼフラットな上値抵抗線を形成し、2月13日夜安値の後は2月14日夜安値18.08円へやや底上げしており、60分足で見れば「抵抗線フラットで支持線切り上がりの三角持合い」の様相となっている。

2月13日への下落は新型コロナウイルス感染拡大問題でのリスク回避及びトルコ・シリア情勢の緊張によるリラ売りが背景だったが、株式市場が感染拡大問題に対しては楽観的な動きを続けており、シリア情勢でも週末から週明けにかけては新たな大規模軍事衝突が発生していないために様子見となり、トルコリラ円も下げ一服での三角持合い形成で次のきっかけ待ちとなっている。

ドル/トルコリラは年末からの全般的なドル高基調のなかでドル高リラ安が進んできたが、シリアにおけるアサド軍とトルコ軍の軍事衝突発生によるリスク回避感も加わって2月12日深夜に6.0670リラへ急騰して2019年8月以降の高値を更新した。2月13日に6.0686リラまで高値を切り上げ、その後は新たな高値更新へ進めずにいるが一段高状態を維持し、2月14日は終値ベースでこの間の高値を更新し、17日は14日のレンジ内で推移した。

イスタンブール100株価指数は2月13日に前日比0.41%高と上昇して11日から3連騰となったが、2月14日は0.32%安と反落、週明けの17日は0.53%高と戻している。
1月22日に高値をつけてから1月30日へ下落し、2月6日へ戻したものの戻り高値を切り下げて2月10日へ一段安、その後に買い戻されている状況だが、欧米株の様な強気回復というほどの反発には至っていない。シリア情勢や新型コロナウイルス感染拡大問題が深刻化するようだと2月10日安値を割り込んで一段安へ進みかねず、その場合はドル高リラ安要因となりやすいと思われる。

【シリア・トルコ情勢、2月末へ緊張続く】

2月3日にシリアのアサド政権軍がトルコ軍を砲撃、トルコ軍が報復の空爆を行い、2011年からのシリア内戦開始以降で初めての両正規軍同士の大規模軍事衝突となった。その後もシリア・アサド政権軍とトルコ軍はシリア北西部のイドリブ県等を巡って衝突を繰り返し、今年1月12日にシリアの後ろ盾であるロシアとトルコの間で締結された停戦合意が事実上反故となっている。

シリアのアサド政権軍は2月16日に反体制派の拠点となっている同国北西部アレッポ県に進攻してその大部分を制圧したとシリア国営メディアが報道した。この攻撃にはロシア軍による空爆も加わっていた。
トルコは北西部イドリブ県における反体制派を支援しており、2月末までにアサド政権軍がイドリブ県等から撤退しなければ軍事力を行使して政権軍を追い払うと警告している。
トルコ国境には大量の難民も押し寄せており、シリアと国境を接するトルコがアサド政権軍と全面戦争に突入する事態となれば中東全般の地政学的リスクが一挙に高まることも懸念されるところだが、今のところはトルコ株式市場や為替市場への影響は限定的だ。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月7日深夜安値から4日目となる2月13日夜安値で直近のサイクルボトムをつけた。その後は三角持合いの様相で新たな安値更新を回避しているが上値重いため、18.10円を割り込んでくると2月13日夜安値と14日夜安値を結ぶ支持線を割り込んでくるため、弱気サイクル入りする可能性が高まると思われる。2月13日夜安値を割り込む場合は弱気サイクル入りとみて次の底形成期となる2月18日夜から20日夜にかけての間への下落が想定される。

60分足の一目均衡表では2月13日夜以降が三角持ち合いの様相で下げ渋っているため方向感に欠ける。2月18日午前時点では遅行スパンが好転、先行スパンからも上抜けているが、いずれも揃って悪化しやすい位置にある。このため先行スパンから転落するところからは下げ再開とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は2月17日夕刻には60ポイント台前半へ上昇したがその後は失速して50ポイントを割り込んできているので下げ再開が疑われる。40ポイント割れからは30ポイント割れを目指すと考える。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.12円を下値支持線、2月13日深夜高値18.18円を上値抵抗線とする。
(2)18.12円を割り込まない内は18.18円超えから18.25円前後を目指す上昇余地ありと考える。18.25円以上は反落注意とするが、18.12円以上での推移が続く内は19日午前にかけても上昇余地が残るとみる。
(3)18.12円割れからは60分足の先行スパンからの転落となるため下げ再開とみて2月13日夜安値18.06円試しとし、底割れからは18.00円前後試しを想定する。18円割れは買い戻しも入りやすいところだが、18円割れから続落の場合は17.90円台前半へ下値目処を引き下げる。また18.12円以下での推移が続く内は2月19日午前にかけても安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

2月19日
20:00 トルコ中銀政策金利 (現行 11.25%。予想 10.75%)
2月20日
16:00 2月消費者信頼感指数 (1月 58.8)
2月24日
16:00 2月景況感 (1月 104.1)
16:00 2月設備稼働率 (1月 75.5%)

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