トルコリラ円見通し 米・イラン全面戦争回避でリスクオンだが、急伸し過ぎ?(20/1/10)

トルコリラ円はリスク回避感の後退によるクロス円での円安と、投機通貨売りの巻き返しによる対ドルでのリラ上昇が重なって9日深夜には18.66円まで大幅続伸した。

トルコリラ円見通し 米・イラン全面戦争回避でリスクオンだが、急伸し過ぎ?(20/1/10)

【概況】

1月2日夜の米軍によるイラン革命防衛隊司令官殺害の空爆、8日朝のイランによるイラク駐留米軍への報復としての弾道ミサイル攻撃により米国とイランの全面戦争突入や中東全域を巻き込んだ有事リスクの拡大懸念が沸騰した。トルコリラはリスク回避での円高と投機通貨売りとしての対ドルでのリラ安が重なって1月6日朝には17.94円まで急落し、イランが3日間の喪に服すとして動かず、米軍側も新たな動きを見せなかったために初期的な急落が解消されて7日午後には18.20円までいったん戻した。
1月8日朝のイランによる報復攻撃第一報で再び売られて17.88円まで下げたものの6日朝安値割れを回避、米軍が即座の反撃をせずにイラン側も自衛的で釣り合いの取れた反撃にとどめるとしたことで全面戦争突入懸念が後退して反騰した。

1月8日夜にトランプ大統領が「イランに強力な経済制裁を科す」と表明したものの「軍事力は行使したくない」と述べたため、両国の全面戦争化はひとまず回避され中東全域を巻き込むような有事リスク感は大きく後退した。
トルコリラ円はリスク回避感の後退によるクロス円での円安と、投機通貨売りの巻き返しによる対ドルでのリラ上昇が重なって9日深夜には18.66円まで大幅続伸した。

トルコリラ独自の材料には欠ける中で金融市場全般が米・イランの軍事衝突問題を主テーマとして一喜一憂する展開が続いてきたが、トルコリラ円にとっては1月6日への急落と8日のダメ押しで当面の安値を出し切った印象が強まった。またドル/トルコリラでは11月後半からドル高リラ安が進行してきたが、1月8日にこれまでの高値を更新したところから投機通貨買いの回復により急落=ドル安リラ高へと急旋回し、1月8日は1.06%のドル安リラ高、9日も0.57%のドル安リラ高となっている。

【4か月サイクルの底打ち】

トルコリラ円は概ね4か月前後の周期で高値・安値を付けるサイクルで推移してきた。10月後半から12月序盤まではほぼ横ばいの持ち合いだったが、持ち合いから転落して年末の円高を反映して続落に入り、中東情勢緊迫により1月6日の18円割れに至った。しかし1月6日安値と8日安値での18円割れをダブルボトムとして切り返し、日足は1月6日から1月9日まで4日連続の陽線となり、12月2日高値からの下落幅の半値以上を一挙に解消する反騰となった。このため4か月サイクルでは8月26日安値から4か月強を経過した1月6日安値をサイクルボトムとして反騰入りしたという印象が強まっている。

4か月サイクルのボトムを付けての反騰としては、2019年1月3日安値18.26円から1月28日高値21.39円へ反騰したところが最近の反騰期としては短いもので、8月26日底からの反騰も10月1日まで1か月強にとどまっている。今回も1か月弱ないしは1か月強の反騰まで発展する可能性もあると仮定すれば、1月10日の米雇用統計後に円安が進行する場合や対ドルでのリラ高が継続する場合は12月2日と10月30日の高値19.08円を試す可能性も出てくるかもしれない。

しかし、年初の中東情勢による一段安は解消されてしかるべきだが、12月2日から年末への下落基調そのものが解消される程にリラ高を助長する材料に欠けるようだと、戻りはもっと短命で終わる可能性もあると思われる、また1月末にかけて戻り基調を継続するにしても一本調子では進めずに、いったん18.30円前後へ下げ、その後にまた戻り高値を試す様な展開で19円へなかなか到達できない展開に留まる可能性もあると思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

トルコリラ円60分足

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月6日朝安値と8日午前安値をダブルボトムとして強気サイクル入りした。1月7日午後高値を基準として高値形成期は10日午後から14日午後にかけての間と想定されるが、急騰に対する反動も警戒されるので戻りは短命の可能性もあると注意し、18.45円以上での推移中は上昇余地ありとみるが18.45円割れからは下げ再開警戒とする。

60分足の一目均衡表では1月8日夜の急騰で遅行スパンが好転し、先行スパンも上抜いたが、その後の続伸で両スパンそろっての好転が続いている。このため遅行スパン好転中は高値試し優先とするが、戻り高値更新が続かずに18.45円を割り込む場合は遅行スパンが悪化しやすくなると注意し、遅行スパン悪化からは安値試し優先として先行スパンの上限試しとし、先行スパンへもぐり込む場合はその下限を試すとみる。

60分足の相対力指数は9日未明高値から9日深夜への高値更新に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行気配となっている。60ポイント以上での推移か一時的に割り込んでも回復するうちは上昇余地ありとみるが、50ポイント割れからは下げ再開を疑う。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、18.45円を下値支持線、1月9日深夜高値18.66円を上値抵抗線とする。
(2)18.45円以上での推移中は一段高余地ありとし、18.66円超えからは18.80円試しを想定する。18.80円以上は反落警戒とするが、18.45円以上での推移なら週明けも高値を試す余地ありと考える。
(3)18.45円割れからは下げ再開を警戒して18.40円前後試しを想定する。18.40円以下は反発注意だが、18.45円以下での推移が続く場合は週明けも安値試しを続けやすいとみる。

【当面の主な経済指標等の予定】

1月10日 
 16:00 11月経常収支 (10月 15.49億ドル)
1月14日
 16:00 11月鉱工業生産 前年比(10月 3.8%)
1月15日
 16:00 10月失業率 (9月 13.8%)
 16:00 11月小売売上高 前月比 (10月 -0.2%)
 16:00 11月小売売上高 前年比 (10月 5.9%)
1月16日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合 政策金利 (現行 12.0%)

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