南アランド週報 『約8ヶ月ぶり高値を更新。但しRSIは2年ぶり70%超えで高値警戒感も燻る』(12/28朝)

南アフリカランド円相場は、週を通して堅調推移が継続し、12/27には、約8ヵ月ぶり高値となる7.83円まで急伸しました。

南アランド週報 『約8ヶ月ぶり高値を更新。但しRSIは2年ぶり70%超えで高値警戒感も燻る』(12/28朝)

約8ヶ月ぶり高値を更新。但しRSIは2年ぶり70%超えで高値警戒感も燻る

今週のレビュー(12/23−12/27)

今週の南アフリカランド円相場は、週初7.67円で寄り付いた後、クリスマス休暇(市場参加者の激減)にも関わらず、週を通して堅調推移が継続しました。大半の対円通貨ペアがスワップポイント狙いの買い上げ(※年末年始でスポット取引の受渡日が伸びる関係上、多くのFX会社が12/26クローズ時点のポジション保有者に対して通常より多くのスワップポイントを支払った)一巡後に下落に転じたのに対し(12/26から12/27に日付が跨いだ直後の利食い売り)、南アフリカランド円相場はその後も終始一貫して騰勢を維持。週末にかけては、心理的節目7.80円を突破し、4/24以来、約8ヶ月ぶり高値となる7.83円まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間3時00分現在)では、7.81円近辺で推移しております。

来週の見通し(12/30−1/3)

南アフリカランド円相場は、週を通して堅調推移が継続し、12/27には、約8ヵ月ぶり高値となる7.83円まで急伸しました。この間、強い買いシグナルを表す一目均衡表・三役好転や、強い上昇トレンド入りを示唆するバンドウォーク(上限)が継続するなど、テクニカル的に見て「地合いの強さ」を意識させるチャート形状となっております。

とは言え、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感や、A国営電力会社エスコムの負債問題(=政府の財政悪化懸念→ムーディーズによる南ア国債の格下げリスク)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(米中協議はこれまでも楽観と悲観で二転三転)、Cムーディーズによる来年3月審査での格下げリスク(=2020年2月に予定されている南ア・予算発表で財政健全化見通しが示されなかった場合、翌3月に格下げが行われるリスクあり。格下げとなればWGBIからの除外を通じて、南アフリカ債券市場から大規模な資金流出が引き起こされる恐れ)など、不安材料は山積みです(現在は米中合意成立を受けて一時的に楽観ムードが広がっているに過ぎず、ファンダメンタルズ面での本質的な弱さは不変)。

また、南アフリカランドの下支え要因の一つである金価格の上昇も、過剰流動性を背景としたリスク選好的な買い上げなのか、年末年始の潜在的なリスク回避を織り込んでの上昇なのか見極めが出来ず、ここからの上値追いには注意が必要と考えられます(オシレータ系指標のRSIが70%を超えたのも2年ぶり)。

以上の通り、南アフリカランド・円相場は、テクニカル的な強さが下値を支えつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが「続伸」を阻むシナリオが想定されます。ムーディーズによる格下げリスクが燻る中で、南アフリカランド円相場の上値余地は乏しく、来週は一巡後の反落(ロングポジションの調整)をメインシナリオとして予想いたします。

南アランド円の予想レンジ ZARJPY 7.45ー7.95

約8ヶ月ぶり高値を更新。但しRSIは2年ぶり70%超えで高値警戒感も燻る

南アフリカランド円日足

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