ユーロ週報 コンセンサス通りなら1.10の大台維持(12月第2週)

ユーロドルは1.11台を2度トライして上値では売りが見えた中で、金曜の強い米国雇用統計の数字に反応し、月曜NY市場前場の水準へと下押しして一週間を終えています。

ユーロ週報 コンセンサス通りなら1.10の大台維持(12月第2週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、月曜のトランプ大統領とロス商務長官の発言によるリスクオフがドル円で大きくドル売りに傾き、さすがのユーロドルでもドル売り・ユーロ買いの動きでスタートをきりました。しかし、ドル円はその後も上値が重く円高気味での推移を続けましたが、ユーロドルは1.11台を2度トライして上値では売りが見えた中で、金曜の強い米国雇用統計の数字に反応し、月曜NY市場前場の水準へと下押しして一週間を終えています。

ユーロドルの上値の重たさは、リスクオフの動きがユーロ円でも見られ、こちらはユーロ売りとなったこと、また今週の英国総選挙を前に5月以来の高値をつけたポンドに、週末を控えていったん調整売りが出たことも影響していたと言えます。

今週のユーロにとっての大きな2つのイベントはどちらも12日(木)で、英国総選挙は12日に投開票が行われ、その間にECB理事会が開かれます。結果としてECB理事会とラガルドECB総裁会見のほうが先となりますが、ラガルドECB総裁は現状の緩和政策の継続を表明していますし、就任後の欧州の状況自体に特段の変化が見られないため、今回は現状維持で会見でもサプライズは無いものと考えられます。




そして、英国総選挙は投票が終わり即日開票でNYの引け間際には大勢が判明し、翌13日の東京昼頃には結果判明となります。現時点の世論調査によれば、与党保守党のリードは変わらず、単独過半数(全議席650のうち326議席)の可能性が高いという見通しが出ています。ただ、選挙戦終盤で労働党も差を縮めてきていることや、なんといっても英国の世論調査ほど当てにならない(過去2回とも選挙は外している)ので、油断は禁物です。

この13日の結果次第で保守党が単独過半数ならば、合意ある離脱確定でポンド買いの動きがユーロにも波及するでしょうし、過半数を取れなかった場合にはブレグジットに関して1月末までに労働党との協議をまとめることが出来るのか、不透明感が増すことでポンド売りからユーロ売りにつながると見ています。しかし前者の場合でも長期的にはブレグジットは英国にとって悪材料となってくる可能性が高いため、上がったところではカウンターで売りが出てくる可能性も高く、ポンド高の動きは短命に終わりそうです。



他には週末に米中通商協議の行方次第では制裁関税発動の可能性もあるため、大イベントが終わっても積極的にはポジションを傾けにくいということがあります。こちらは、協議が進展すればややリスクオンで円売り(ドル買い)、金曜までに進展が見られず危うい感じになってきた時にはリスクオフで円買い(ドル売り)となりますが、ユーロに関しては対ドルで動く面と、ユーロ円の円で動く部分とがあるため、どちらかで異なるのは先週も見た通りです。

基本的にすべてがリスクシナリオはうまく行かない場合ということで、その場合に動きが出やすいのはユーロ円の売りということになります。順当に行った場合の買いよりも、うまく行かない場合の売りという意味では、ユーロドルも下げの方向により注意が必要とは考えています。

次にテクニカルな観点から見てみます。日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

10月安値と高値がそれ以降の基準となっていることは変わりません。安値から高値への61.8%押しがちょうど大台1.10と重なること、11月に2度試して反転したことから、1.10の大台は引き続き大きなサポートです。いっぽうでレジスタンスは先週の動きを見ていると1.11台前半です。1.1000〜1.1111(ユーロのゾロ目は常に注意)を中心レンジとして、イベントの結果次第でどちらかに抜ける可能性ありと見ておくとよいでしょう。

ただ、その場合でも10月のレンジをそれぞれ上下の目安(1.0879と1.1179)としておくとよいと思います。今週のECB理事会は無風通過、英国総選挙は保守党が単独過半数という現時点でのコンセンサスをベースに1.0990レベルをサポートに、1.1190レベルをレジスタンスと通常よりも広いレンジとします。なお、コンセンサスと異なる動きの場合は、1.08台後半を視野に入れておきましょう。


今週のコラム

今週はポンドドルを見ておきましょう。

今週のコラム

すでに、フラッグを上抜けし5月以来の高値をつけていますが、短期的にはいったん調整売りが入っていることは上述の通りです。テクニカルなターゲットも既に達成しての上昇となっていますので、次のターゲットは赤の水平線で示した年初来高値1.3380です。

コンセンサス通りであれば、この年初来高値をトライしてから反落という動きを予想しています。抜けずに反落という展開では、思いのほか事実で売りという流れが強まる可能性がありそうです。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

12月9日(月)
16:00 ドイツ10月貿易収支

12月10日(火)
16:45 フランス10月鉱工業生産
18:30 英国10月貿易収支、鉱工業生産
19:00 ドイツ12月ZEW景況感
24:00 イタリア中銀総裁講演

12月11日(水)
28:00 FOMC結果発表
28:30 パウエルFRB議長会見

12月12日(木)
16:00 ドイツ11月CPI
16:45 フランス11月CPI
17:30 スイス中銀政策金利発表
19:00 ユーロ圏10月鉱工業生産
21:45 ECB理事会
22:30 ラガルドECB総裁会見
**:** EUサミット
**:** 英国総選挙

12月13日(金)
**:** 英国総選挙結果判明(東京正午頃、大勢はNYクローズ頃)

12月15日(日)
**:** 米国対中制裁関税発動(猶予中)

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

12月2日(月)
ユーロドルはNY市場まで前日の上げに対する調整が先行し上値が重たい展開となっていましたが値幅は伴わず、トランプ大統領のアルミ・鉄鋼関税とロス商務長官関税引き上げの可能性を示唆した発言によるユーロ円の下げが相殺している様子でした。NY市場に入りドル円同様にドル安の動きからユーロドルも大きく上昇することとなり、1.1090レベルまで高値を切り上げた後に若干押して引けました。

12月3日(火)
ユーロドルは方向感が無く狭いレンジでの取引が終日続きました。ドル円と同様に米中通商協議進展の懸念によるドル売り(ユーロ買い)の動きはあったものの、ユーロ円では通商問題がリスクオフとなりユーロ売り、双方の動きがユーロの動きを鈍くしていました。

12月4日(水)
ユーロドルは、NY市場まではほとんど動きの無い状態が続きました。NY市場ではADPに反応したドル売りがユーロドルで目立ち、ユーロドルは一時1.1116レベルの高値をつけました。しかしNY後場に入ってからは株高の動きがドル高の動きとなったことから、行って来いのユーロ安となり、東京市場の水準に押してもみあいのまま引けました。

12月5日(木)
ユーロドルは、東京市場では動かなかったものの、海外市場に移ってからは終日じり高の展開を続けました。背景として英国総選挙で保守党が勝利するとの思惑からポンド買いが見られ、ユーロドルもその動きに追随した流れでした。1.1107レベルの高値をつけたものの前日高値はトライできずの引けとなりました。

12月6日(金)
ユーロドルは連日のように東京市場では動かなかったもの、欧州市場に入り実需と見られるユーロ売りが入り、主要通貨に対して全般に売られる動きが強まりました。NY市場ではドル買いの動きからユーロは一段安となり、NYの昼前にはユーロ円のストップも引っ掛け、ユーロ円が120.00レベルの週間安値をつけ、ユーロドルは1.1040レベルの安値をつけた後にやや戻して引けました。

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