豪州中銀議事要旨(2019年11月19日公表:理事会は11月5日開催分)

今回の議事要旨では、前回会合よりも世界経済の下振れリスクがやや緩和しており、現状の環境では利下げしても効果薄く、今後の状況次第で追加緩和するとしています。

豪州中銀議事要旨(2019年11月19日公表:理事会は11月5日開催分)

豪州中銀議事要旨(出所:豪州中銀HP)

今回の議事要旨では、前回会合よりも世界経済の下振れリスクがやや緩和しており、現状の環境では利下げしても効果薄く、今後の状況次第で追加緩和するとしています。先々の金融緩和状態は全く変わりなく、少なくとも現状の低金利状態は暫く継続すると述べています。

(議事要旨)
(金融政策に対して考慮する事柄)
委員達は世界経済の見通しはまだ程よいところにいる一方で、リスクは下方に傾いていることを確認した。最近米中貿易やテクノロジー論争に解決の進展が幾つか見られるものの、再度エスカレートしそうなものは残っている。多くの先進国では、低失業率で賃金は上がっているが、インフレは抑えられている。中国では当局が経済下支えに一段の施策を講じており、一方で金融システムのリスクに取り組んでいる。

世界の金融市場は依然緩和的である。そして市場のセンチメントは若干改善している。幾つかの中銀は最近緩和する一方で、追加緩和期待は以前よりは下がってきた。豪州含めて、国債金利は非常に低い水準にある。豪州の家計や企業の借入金利もまた、歴史的低水準である。高格付けの借入者には競争力ある金利が受けられる。まだ投資家による借入需要が弱く、中小企業や幾つかの企業で借入の条件が厳しいものの、中古住宅には一層の変化の兆しが出てきた。豪ドルは弱く、ここ暫くはレンジ下限で推移している。

豪州経済の見通しは8月以降、ほとんど変わっていない。2018年下半期の弱い状態から、2019年上半期は少し上昇したが、ここまでは緩やかな変わり目となっている。先々をみれば、成長は2020年にかけて2.75%、2021年以降は3%まで緩やかに上昇すると予想している。この見通しは緩和的金融政策、減税、継続的なインフラ投資、幾つかの地域での住宅価格上昇、あるいは鉱山関連投資の持ち直しにより支えられていると予想している。重要な国内の不確実性要因は引き続き消費見通しである。

(雇用は一部略)失業率は5.25%で堅調に推移し、緩やかに改善していくと予想。

9月末の四半期において、インフレは1.7%が予想されている。インフレ圧力は弱い。これは非常に低い住宅関連価格、労働コストの緩やか伸びによる。今後、インフレは労働市場の引き締まりにより、緩やかに上昇し2020年、2021年には2%に近づくと予想している。

委員達は、今回の会合で利下げを行う可能性もあったが、最も適切な取り組みは現状の金融政策スタンスを維持することで合意した。より早い緩和を実施した場合の効果に関して、より確固たる材料があればという、もう一段の査定が必要だったからである。
年央以降の豪州の著しい緩和は、雇用や収入の伸び、あるいは中期目標レンジにインフレが向かうよう、緩やかな流れに変えるための下支えをしている。(住宅関連は略)

結論において、委員達は今回の会合で一段と緩和した場合の状況を検証した。このケースでは、中銀目標に向かって緩やかな進展のみだけに置かれている。委員達は、より低い金利は、(より低い為替レート、より高い資産価格、借入者にとってより高いキャッシュフローの状況を含めた)通常の伝送チャネルを通した場合に下支えられると判断した一方、預金者に対する低金利や信頼感へのマイナス効果を認識した。また、金利の一段下げは、金利がより高い水準にあった過去よりも信頼感の効果に違ったものが出てくる可能性について議論した。

委員会はキャッシュレートを今回の会合では据え置くべきと結論した。この討議の1部分として、委員達は低金利の持続的維持が、雇用を拡大しインフレ目標を達成しようとする豪州には必要であると見込むことが理に適っていると合意した。理事会は、労働市場を含めて引き続き今後の進展を監視し、経済成長に必要とあれば一段の緩和をする用意がある。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。

豪ドル米ドルの相場は議事要旨公表前に0.6800〜05米ドルで推移していましたが、次回会合以降も緩和姿勢を崩していない内容に、豪ドルは0.6785米ドルまで15ピップス程度売られ、現在も0.6795〜00米ドルで推移しています。内容的には会合後に出た簡単な議事要旨(11月5日)と大きく変わった文言はなく、利下げ見送った状況を記しています。

相場は、0.6635〜0.6935米ドルの豪ドル安トレンドラインの下限を狙う構えにいますが、この途中の0.6760〜70、0.6720〜30、0.6680米ドルにあるサポートを順にこなしていく形になります。上値は0.6830米ドルにある抵抗線が重要で、目先の弱い豪ドルを解消するにはこの水準を越えて終わることが必要になります。
(2019年11月19日13時00分、1豪ドル=0.6796米ドル)

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