トルコリラ円見通し 19円台を再び回復したが、維持できるかどうか(11/8)

トルコ独自材料に乏しい中で全般的な金融市場動向を見ながらの展開となり、主要テーマは米中協議の進展状況となっていた。

トルコリラ円見通し 19円台を再び回復したが、維持できるかどうか(11/8)

【概況】

トルコリラ円は中東・シリア情勢一服、トルコ中銀による利下げも通過し、トルコ独自材料に乏しい中で全般的な金融市場動向を見ながらの展開となり、主要テーマは米中協議の進展状況となっていた。
11月7日昼にかけては米中協議先行き不透明感がやや優勢となってドル円が下落したためトルコリラ円も押されて18.82円の安値をつけて11月1日夕刻安値18.79円に迫ったが、ドル円が108円割れを切り返したために11月1日安値割れを回避して戻し始めた。
11月7日夕刻に中国商務省が、米中両国は協議の進み具合に合わせて追加関税を段階的に撤廃することに同意したことを会見で表明したとの報道からリスクオン心理優先となってクロス円全般が上昇、トルコリラ円も続伸して8日未明には19.03円まで高値を切り上げた。8日早朝には18.94円までいったん下げたもののその後はしっかりしている。
中国商務省の会見内容は、米中通商協議の第一段階合意への条件提示であり、米国政権側はこの件では公式な発言を行っていない。

NYダウが2日ぶりに史上最高値を更新して株式市場は楽観優勢ではあるが、昨年6月のように閣僚級合意が突如破談となる可能性もまだ残っているので、トランプ大統領が合意を承認するところまで続報がないと揺れ返し的にリスク回避型の円高がぶり返す可能性にも注意が要る。
ドル/トルコリラはリスクオン優勢のなかで11月7日深夜安値5.73リラまでドル安リラ高で推移していたが、深夜からは反発=ドル高リラ安となっているが、トルコリラ円を大きく左右するような動きにはなっていない。
イスタンブール100株価指数は前日比2.37%高と上昇している。中東情勢が落ち着いている中で11月4日からはNYダウの上昇基調もあって連騰している。

【トルコの今季はプラス成長?】

トルコのアルバイラク財務相は11月7日、11月と12月の経済活動も拡大見通しであり、今年の同国経済はプラス成長になるとの見通しを示した。
トルコのGDPは前年同期比では、2018年第4四半期がマイナス2.8%、2019年第1四半期がマイナス2.4%、第2四半期がマイナス1.5%と3期連続でマイナス成長となってきた。ただ、前期比で見れば2018年第3四半期のマイナス1.4%、2018年第4四半期のマイナス2.8%の後は2019年第1四半期がプラス1.6%、第2四半期もプラス1.2%と持ち直しが見える。

中東・シリア情勢での波乱が回避され、米国との関係を上手く進めて経済制裁等を被らなければ年末への巻き返しによるプラス成長実現も可能性はあるだろう。
2017年から2018年前半にかけての高成長の反動でマイナス成長が続いたという側面もある。しかし、鉱工業生産と小売売上高は前年同月比で見れば共に2018年9月から2019年8月まで12カ月連続でマイナスであり、厳しい状況は変わらない。

【概況】

トルコのGDP推移

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、11月4日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとしてボトム形成期を6日午後から8日夕にかけての間としていたが、7日午前時点では前回ボトムから3日を経過していたので18.95円超えからは強気転換注意とし、19.00円超えからは新たな強気サイクル入りとした。
8日未明へ19円台をいったん回復する反騰となったため、7日昼安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとする。トップ形成期は7日夜から11日夜にかけての間と想定されるので早ければ8日未明高値でサイクルトップをつけてしまった可能性もあるが、18.90円以上での推移中は一段高余地ありとみる。18.90円割れからは下げ再開を警戒して7日昼安値試しとし、底割れからは新たな弱気サイクル入りとして12日の日中から14日にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11月7日昼からの反騰で遅行スパンが好転し、深夜への続伸で先行スパンも突破した。その後も両スパン揃っての好転が続いているため、遅行スパン好転中は高値試し優先とする。ただし8日未明高値を上抜けない推移が続く場合は遅行スパンも悪化しやすくなるので、遅行スパン悪化からは下げ再開を警戒して安値試し優先へ切り替える。

60分足の相対力指数は8日未明に70ポイントを超えた後はいったん50ポイント台へ低下したが、その後はしっかりしているので60ポイント超えからは上昇再開とみる。ただし50ポイント割れを切り返せずに続落となる場合は下げ再開とみて30ポイント台序盤への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月8日未明安値18.94円から18.90円までを下値支持帯、8日未明高値19.03円を上値抵抗線とする。
(2)18.94円を割り込まないか、一時的に割り込んでも切り返す内は上昇余地ありとし、8日未明高値超えからは10月31日高値19.08円試し、さらに19.10円台序盤への上昇を想定する。ただし19円以上は何度も戻り売りされてきた抵抗帯のため19円台の維持は長続きしない可能性があると注意する。
(3)18.90円割れからは下げ再開とみて11月7日昼安値18.82円試しへ向かうとみる。仮に底割れする場合は10月31日未明から11月1日夕刻への下落時に近い下げ方として18.75円前後まで下値目処が切り下がる可能性があるとみる。

【直近の主な経済指標等の結果】

10月24日
 20:00 トルコ中銀(TCMB)政策金利 14.0% (従来 16.5%、予想 15.5%)
10月25日
 16:00 10月製造業信頼感指数 100.9 (9月 98.8)
 16:00 10月設備稼働率 76.4% (9月 76.3%)
10月30日
 16:00 10月経済信頼感指数 89.6(9月 86.0)
10月31日
 16:00 9月貿易収支 -20.6億ドル(8月 -25億ドル)
11月01日
 16:00 10月イスタンブール製造業PMI 49.0(9月 50.0)
11月04日
 16:00 10月消費者物価 前年比 8.55%(9月 9.26%)
 16:00 10月消費者物価 前月比 2.00%(9月 0.99%)
 16:00 10月生産者物価 前年比 1.70%(9月 2.45%)
 16:00 10月生産者物価 前月比 0.17%(9月 0.13%)
11月07日
 23:30 10月財務省現金残高 -118.9億トルコリラ(9月 -216.5億トルコリラ)

【当面の主な経済指標等の予定】

11月12日
 16:00 9月経常収支 (8月 26億ドル)
 19:30 10月自動車生産 前年比
11月14日
 16:00 9月鉱工業生産 前年比 (8月 -3.6%)

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