英国情勢を依然注視、ドル/円はレンジ継続(10/23夕)

23日の東京市場は、ドルが小安い。一時直近安値を更新する局面も見られたが下値は堅く、大きく崩れるには至らなかった。

英国情勢を依然注視、ドル/円はレンジ継続(10/23夕)

英国情勢を依然注視、ドル/円はレンジ継続

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドルが小安い。一時直近安値を更新する局面も見られたが下値は堅く、大きく崩れるには至らなかった。

ドル/円は108.45-50円で寄り付いたのち、しばらく揉み合い。しかし、日米株価の弱含みなどを受け、リスクオンの動きが強まると、底割れし108.25円レベルへと小幅に値を下げた。ただ株価が下げ止まり、日経平均に至ってはマイナス圏で推移していたものがプラス圏を回復したことなどを好感、ドル/円もジワリと買い進められている。16時時点では再び小緩んだ108.30-35円で推移、欧米時間を迎えていた。

なお、欧米時間と比べると幾分静かではあるが、それでもポンドの動きが荒っぽい。対円では東京高値139.90円台から139.05-10円まで1円近い下げを一時記録したものの、そののち139.60円まで回復している。

注視されていたのは、「英国情勢」と「米中通商合意」について。
前者は、ジョンソン英首相から「議会が審議日程を否決するなら離脱協定法案を引っ込める」、首相報道官から「協定案の動議拒否なら強行離脱の可能性高まる」などといったコメントが聞かれるなか、英下院が「EU離脱協定関連法案を高速審議するための議事進行動議(プログラム動議)」を反対多数で否決。マーケットの失望を誘っていた。なお、そうした情勢を受け、EU大統領は「英離脱延期を加盟国に提案する」旨を明らかにしている。

対して後者は、中国外務省次官から「米中は通商協議で一定の進展を果たした」との発言に加え、ロイターによリ「中国が米国産大豆の輸入に1000万トンの無関税枠を主要企業に割り当てた」との報道も。門戸開放による協議進展期待も聞かれる反面、英紙FTによる「中国が林鄭香港行政長官の更迭を検討している」との報道が、貿易問題とは別の視点で思惑を呼んでいたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日のドル/円は終日を通してわずか30ポイントほどしか動かず。それに対してポンド/円は141円台から139円台後半へと一時急落するなど、一日で1.6円ほどの変動をたどっている。市場の関心が英国情勢に高いということもあり、最近の為替市場の主役もポンド。油断は禁物だが、この後もポンドの動きに要注意で、ドル/円は基本的にレンジ取引か。引き続き108円台での一進一退が続くと予想する向きは少なくないようだ。

材料的に見た場合、「北朝鮮情勢」や「イラン・サウジ情勢」、「英国情勢」、「米貿易問題」、「米金融政策」、「トランプ氏のウクライナ疑惑」さらに「トルコ情勢」など注目要因は少なくない。それぞれ注意すべきところはあるものの、短期的には「英国情勢」と「米ファンダメンタルズ」ならびに「金融政策」に引き続き注意を払いたい。

前者については、ジョンソン氏がいまだに10月末離脱に固執しているものの、昨日の英下院採決で現実的にはかなり厳しくなった。やや気掛かりなのは首相官邸報道官が、「この議会では結論が出せない」と述べ、解散総選挙を示唆したとの報道だ。まだまだ様々な紆余曲折がありそうだ。

テクニカルに見た場合、何度か取り上げてきた108.04-94円という最近のレンジだが、気が付いたら2週間近くも、その中で推移を続けている。方向性が乏しいことは改めて指摘するまでもないが、日柄的には徐々に煮詰まってきた感もあり、そろそろレンジ放れ、次の方向性が示される展開にも注意を払いたい。
レンジを上抜ければ8月高値109.32円が意識されそうな反面、下値を割り込めば複数のテクニカルポイントが位置する107円半ばがターゲットに。

8月の住宅価格指数など幾つかの米経済指標が発表が予定されるものの、全体的には小粒かつ市場の関心も高くない。よほどの数字とならない限りはノーインパクトか。ただ、米財務省による5年債の入札や、米企業による決算発表などには一応要注意。

また、マラソン会談を続ける安倍首相は、本日も19ヵ国の首脳と会談を実施する予定とされる。注目の王中国国家副主席との会談は午前中に終了したものの、今後の会談日程にも注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.00-108.80円。ドル高・円安方向は、昨日高値108.73円が最初の抵抗で、抜けた場合には先週高値の108.94円などがターゲットに。109円台回復は幾分遠退いた感がある。

対するドル安・円高方向は、本日東京で週初安値をわずかに下回ったものの、しっかりとは割り込めず。まずは本日記録した108.25円レベルの攻防を注視。割り込んだ場合には先週安値108.04円が名実ともに意識されそうだ。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る