豪州中銀議事要旨(2019年10月15日公表:理事会は10月1日開催分)

理事会は10月1日開催、2019年10月15日公表

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豪州中銀議事要旨(2019年10月15日公表:理事会は10月1日開催分)

豪州中銀議事要旨(出所:豪州中銀HP)

今回の議事要旨では、現在の経済が最近の経済指標で弱く、中銀任務である雇用とインフレ目標値達成に向けての追加緩和が必要との判断で、25ベーシスの利下げを実施しました。利下げによる効果などを検証しつつ、先々には必要とあれば追加緩和の用意があるとしています。今後2〜3ヶ月間の経済指標が一段と悪化した場合は、再度緩和気運が市場に出てくる可能性があります。

(議事要旨)

(金融政策に対して考慮する事柄)
金融政策決定を考える際に、委員達は世界成長の見通しはまだ下方向に傾いていることを確認した。米中の貿易やテクノロジー論争は国際貿易や投資に影響を与えており、増大する不確実性に呼応して支出計画を縮小している。中国では、当局が経済下支えに一段の施策を講じており、一方で金融システムのリスクに取り組んでいる。大多数の先進国では、失業率が低く賃金が伸びているにも関わらず、インフレは依然低いままである。

この環境下、世界金利は引き続き下がり、米国やECBは前月に利下げを実施した。今後も一段の金融緩和が幅広く予想されている。これは世界経済の下方リスクや低下するインフレに対応するものである。長期国債のイールドは下がり、豪州含め多くの国で歴史的な低水準となっている。企業や家計の借入金利もまた歴史的低水準である。豪州ドルはここ数年で最も低い水準で推移している。

委員達は、雇用や所得の伸びを支え、インフレが一貫して目標値に向かっていく、より強い確信を持てるかを勘案しながら、現在の会合で一段の金融緩和のケースについて検討した。委員達は中銀の直近見通しでは、今後2〜3年先の失業率やインフレが中銀目標には達しない可能性があることを確認した。直近にでたデータではこの判断を変えるものがなく、よりソフトになっている。賃金の伸びは継続的に下がっており、経済はまだ余剰設備を有している。それゆえ、これらの見通しに対し、一段の緩和ケースがあり得る。

しかしながら、委員達は金融政策が既に緩和状態であり、豪ドル安もまた経済を支えている。委員達はこれらの要素や最近の減税が、個別事象が暗示しているよりも成長を拡大させることも理解している。同時に、委員達はその効果(緩和)が予想よりも小さく、世界的リスクは下方にいくかもしれないリスクも認識している。
委員達は理事会が、中銀目標の手前で着陸してしまうような成果に結びつくマイナスショック(幾つかの緩和策が将来マイナスになる可能性のものもある)の可能性を減らすことができると結論付けた。

(現在の雇用に関する部分については略)

委員達は刺激策が過去の経験で示唆したよりも効果が薄い可能性についても議論した。為替レートを通じた伝導力はまだ効果的であるし、低金利のポジティブな効果は、金利債務低減に準じ家計の現金の総計が家計支出を支えたことによる。
(住宅関連と可処分所得の伸びについては略)

年央の利下げを含めて、入手したあらゆる情報を基に、理事会は更なる25ベーシスの利下げを決定した。委員達はこの低金利が生産余力の減少を手助けし、これにより雇用や収入の伸びを支え、あるいは目標としているインフレ値に向かうより大きな確信をもたらしてくれると判断した。

低金利の延長は、完全雇用をめざしインフレ目標達成に向けて、豪州に求められていると期待するのは理に適っていると委員達が判断した。理事会は雇用市場を含めて引き続きこの進捗を監視し、経済を下支えし、完全雇用をめざし、インフレ目標を達成するのに必要とあれば緩和を用意する。
(以上)

(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。


豪ドル米ドルの相場はこの議事要旨ではほとんど動きませんでした。豪ドル米ドル相場については
シカゴポジション200をご参照願います。
(2019年10月15日16時30分、1豪ドル=0.6775米ドル)

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