南アランド週報 『CPI低下で一時7円台を回復するも、米中対立激化で再び反落。リスクは依然下向きか』

今週の南アフリカランド(対円相場)は、週初6.945円で寄り付いた後、早々に安値となる6.870円まで下落しました。

南アランド週報 『CPI低下で一時7円台を回復するも、米中対立激化で再び反落。リスクは依然下向きか』

今週のレビュー(8/19−8/23)

今週の南アフリカランド(対円相場)は、週初6.945円で寄り付いた後、早々に安値となる6.870円まで下落しました。しかし、8/21に発表された南アフリカ・7月消費者物価指数(結果4.0%、予想4.3%)の落ち着きが好感されると、週末にかけて、約2週間ぶり高値となる7.048円まで上昇しました。しかし、中国政府による報復関税(※米国からの輸入品約750億ドル相当に対し、9/1から最大10%の追加関税を課すとの報道)や、トランプ米大統領による「本日(8/23)午後に、中国の関税に対応するつもりだ」とのツイートが、「米中貿易摩擦の激化→南アフリカの最大貿易相手国である中国の景気下触れ懸念」を通じて、リスク回避の「ランド売り・円買い」に波及すると、引けにかけて南アフリカランドは急反落。一時6.883円まで下げ幅を広げるなど、今週の上昇幅を数時間でほぼ全て吐き出す結果となっております。

来週の見通し(8/26−8/30)

南アフリカランド・円相場は、一時7.048円まで上昇するも、トレンドの方向性を示唆するボリンジャー・ミッドバンド(7.106円)に続伸を阻まれる形で反落に転じました。週末には、一目均衡表転換線を再び割り込んだ他、強い売りシグナルを表す「一目均衡表・三役逆転」も継続するなど、テクニカル的に見て、「下落リスク」が意識される状況です。「ランド安・円高」基調は不変と見られ、下値目処としては、2016年6月に記録した安値6.407円が視野に入ります。

ファンダメンタルズ的にみても、@南アフリカにおける景気後退リスク(リセッション入り)の高まりや、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(※計画停電を再度行うことを発表済み)、B南アフリカ中銀(SARB)による追加利下げ観測(次回政策決定会合は9/19)、C米中対立激化を通じた南アフリカ最大の貿易相手国「中国」の景気下触れ懸念、D大手格付け機関の中で唯一投資適格級を付与しているムーディーズによる潜在的な格下げリスクなど、ネガティブ材料は山積みです。

上記Cについては、8/19にロス米商務長官が「中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)に対する米製品の輸出禁止措置の猶予期間を11/18まで90日間延長する」と発言したことで、米中対立懸念が幾分和らぐ場面も見られましたが、8/23に米中両国それぞれが報復措置を滲ませたことで、楽観的なムードは一変しました。米中貿易摩擦が長期化する中、南アフリカ経済への「負の連鎖」が警戒されます。

また、上記Dについても、国営電力会社エスコムに対する政府支援策の発表を契機に、「南アフリカ財政の悪化懸念→南アフリカ国債の格下げ→グローバル債券指数構成国からの除外→同国債券市場からの資本流出加速→南アフリカランド売り」への連想が強まりつつあります。エスコムを巡る財政再建計画は、来週から再来週頃に予定されている閣僚会議に提出されると見られており、内容次第では、南アフリカランド売りを加速させる恐れもあるため、注意が必要でしょう。

以上の通り、南アフリカランドは、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも、「下落リスク」が警戒されます。米中貿易摩擦が解消に向かわない限り、対中依存度の高い南アフリカランドには下落圧力が加わり続けると予想されます。米中貿易摩擦に絡むヘッドラインや、8/29に予定されている南ア・7月卸売物価指数、8/30の南ア・7月貿易収支の結果を睨みながらも、南アフリカランドの続落をメインシナリオとして予想いたします。(来週の予想レンジ ZARJPY 6.500ー7.100)

今週のレビュー(8/19−8/23)

南アランド円日足

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