ユーロ週報 「ドル売りによるユーロ高への転換確認」(6月第2週)

先週は米中間の問題に加え、違法移民を問題視したトランプ大統領による対メキシコ制裁関税の話も加わり、ドル売りが対ユーロを中心に目立つ一週間となりました。

ユーロ週報 「ドル売りによるユーロ高への転換確認」(6月第2週)

今週の週間見通しと予想レンジ

ユーロドルはこれまで年初からの下降チャンネルの動きを続けていましたが、ドル安の動きがこのチャンネルを上抜けさせる動きにつながりました。先週は米中間の問題に加え、違法移民を問題視したトランプ大統領による対メキシコ制裁関税の話も加わり、ドル売りが対ユーロを中心に目立つ一週間となりました。

欧州自体の材料が一巡し、ポジション的にも長期的にユーロ売りが積みあがっていたこともあって、ドル売りの相手通貨としてユーロが選好されたと考えられます。水曜のADP全国雇用者数時点では上ヒゲがチャンネル上限を試していましたが、金曜の雇用統計で上抜け週末終値レベルでのレジスタンスライン上抜けは重視すべきチャートパターンとなっています。

ECB理事会では利上げ時期を今年から来年へと更に後退させる発言はありましたが、それ以上に米国の利下げ思惑が拡大し、10年債利回りが2017年9月以来の2.053%まで下がり、政策金利に至っては既に来月FOMCでの利下げを織り込む始末です。結果として株式市場は利下げ思惑を好感したものの為替市場では金利差縮小思惑によるドル売りが、主要通貨で目立つ結果となったわけです。

一連の重要イベントを経過したことで、今週はスケジュール的には中休み的な一週間となります。しかし、先々週後半から始まったユーロ買い・ドル売りの動きが、短期的には継続しやすい流れにあると考えることが可能です。

日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

このチャートをよく見るとわかりますが、4月からの短期下降チャンネル(青)を先週初に上抜け、水曜ADPで年初からの長期下降チャンネル(ピンク)をトライし始め、週末終値で完全に上抜けました。また平行チャンネルの上側を構成する長期レジスタンスライン自体は昨年9月高値から引いてきているラインです。

ターゲット的には年初来高値と安値の半値戻し(青のターゲット)はすでに到達したことで、いったん上昇スピードは鈍くなってきますが、ライン上抜けは重視すべきで61.8%戻しにあたる1.1393(同じく青のターゲット)が次のターゲットとなります。また昨年9月高値と今年の年初来安値との戻しを赤のターゲットで示してありますが、38.2%戻しが1.1377となっていて、1.13台後半が当面の戻しのターゲットとなってくると考えられます。

一方サポートですが、抜けたレジスタンスはサポートとなりますので、ピンクのレジスタンスラインの位置に注目すると今週末には1.1260レベルへと下がっていきます。また日足均衡表の雲の上限は1.1279にあり、1.12台半ばから後半が押しの限界点となりやすいと言えるでしょう。

今週は1.1270レベルをサポートに1.1380レベルをレジスタンスとするレンジを見ておきます。

今週のコラム

今週のコラム

今週もユーロ円のテクニカルです。日足チャートをご覧ください。

ユーロドルの上昇に引っ張られユーロ円も週後半から上昇、こちらは4月高値からの下降チャンネルを金曜終値で上抜ける動きとなりました。

先週初の安値は、年初来安値と高値の78.6%押し(赤のターゲット)で止められ、ある意味下げトレンド転換の最後の砦で反発する動きになったと言えます。現状は4月高値と6月安値の38.2%戻しとなる123.09が最初のターゲット、次のターゲットは半値戻しにあたる123.80(どちらも青のターゲット)で、こしらは5月後半の戻り高値とも一致します。

ドル円が上下ともにオーダーで抑えられる動きとなる中、ユーロドルの一段高の動きが出てくると上記2つのターゲットを今週中に試してもおかしくはない流れにあると言えます。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

6月10日(月)
**:** フランクフルト市場休場
17:30 英国4月GDP
17:30 英国4月貿易収支
17:30 英国4月鉱工業生産

6月11日(火)
17:30 英国5月失業率

6月12日(水)
17:15 ドラギECB総裁講演

6月13日(木)
15:00 ドイツ5月CPI
16:30 スイス中銀政策金利発表
18:00 ユーロ圏4月鉱工業生産

6月14日(金)
15:45 フランス5月CPI
21:55 カーニー英中銀総裁講演

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。
為替の高値・安値は東京午前9時~NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

6月3日(月)
ユーロドルは、NY市場まではドル円同様のドルの動きとなっていましたが、NY市場に入り弱めの米国経済指標とセントルイス連銀総裁が利下げに言及したことからユーロを中心にドル売りが広がりました。ユーロドルは先週高値を上抜けたあたりから、ストップオーダーも巻き込みながら1.1262レベルまで上伸後に若干押して引けました。


6月4日(火)
ユーロドルは、前日同様にドル円とドルの動きで足並みを揃え、東京市場ではユーロが底堅く、海外市場以降は上値が重たい流れとなっていました。しかしパウエルFRB議長が利下げを期待させる発言を行ったことから、引けにかけてはドル売りユーロ買いとなり1.12台半ばで引けました。

6月5日(水)
ユーロドルは、NY市場まで対ドル、対円ともに買いが先行する流れが続きました。前日高値を上抜けたあたりからは仕掛けのユーロ買いも見受けられましたが、大きく上昇したのはADPでドルが売られたことがきっかけで一時1.1307レベルの高値をつけました。しかし、その後は買いが増えていただけにポジション調整とドル買い戻しの動きも出て、引けにかけては反落し1.1220レベルの日中安値をつけ安値引けとなりました。

6月6日(木)
ユーロドルはECB理事会を控えて小動きとなっていましたが、理事会では利上げ時期を2019年後半から2020年上半期へと後退させたことをきっかけに一時1.1199レベルまで水準を切り下げました。しかし、ドラギ総裁の会見が欧州の景気に対して楽観的な見通しを示したことから一転大幅上昇となり、1.1309レベルの高値をつけた後にやや押して引けました。


6月7日(金)
ユーロドルはNY市場まではドル円同様にドルが底堅くじり安の展開を辿りましたが、雇用統計をきっかけに急反騰し1.1348レベルの高値と週間高値を切り上げました。その後もユーロ円とともに比較的底堅い展開を続け、わずかに押す程度で高値圏での週末クローズとなりました。

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