『米トルコ関係の悪化懸念と砂糖祭明けに伴うリラ買い需要の剥落で来週は下落リスクに要警戒』

今週のトルコリラ・円相場(TRYJPY)は、急伸後に急反落するなど、いわゆる「往って来い」の展開となりました。

『米トルコ関係の悪化懸念と砂糖祭明けに伴うリラ買い需要の剥落で来週は下落リスクに要警戒』

米トルコ関係の悪化懸念と砂糖祭明けに伴うリラ買い需要の剥落で下落リスクに要警戒

6/3−6/7の振り返り

今週のトルコリラ・円相場(TRYJPY)は、急伸後に急反落するなど、いわゆる「往って来い」の展開となりました。週初18.593円で寄り付いたトルコリラ・円相場は、@砂糖祭(ラマダン・断食月後の祭り)に絡む一時的なトルコリラ買い需要や、Aトルコリラと逆相関性の強い原油価格の急落(WTI先物は6/5に一時50.6ドルまで下げ幅を広げるなど1/14以来、約5ヶ月ぶり安値を記録)、Bトルコによるロシア製ミサイル導入延期を巡る期待感の高まり等を背景に、週央にかけて、約1ヶ月半ぶり高値となる19.104円まで急伸しました。しかし、同水準で伸び悩むと、その後は、C砂糖祭(ラマダン・断食月後の祭り)明けのトルコリラ買い需要の剥落を見越したショートメイクや、D原油価格の反発、E米戦闘機F35の訓練プログラムへのトルコ軍パイロットの受け入れ停止報道などが重石となり、週後半にかけて、トルコリラは急反落。

結局18.555円まで下落して越週するなど、週足ベースでは、寄り引け同時線が記録されております。尚、今週発表されたトルコの5月消費者物価指数(結果+18.71%、予想+19.25%)は、依然として高インフレ(インフレターゲットの5%を大幅に超過する状態)が示されつつも、市場予想を下回る伸びに留まりました。

6/10−6/14の展望

トルコリラを巡っては、潜在的にくすぶるトルコリラ売り圧力(@イスタンブール市長選のやり直しに伴う民主主義への不信感、Aロシアからの武器購入(S400)を巡る対米及びNATO同盟国との関係悪化懸念、B外貨準備急減を背景としたリラ安防衛能力への不信感、Cトルコ経済を巡る先行き不透明感、D一般特恵関税制度の対象国からトルコが除外されたことに伴う米トルコ間貿易の減少懸念)を、E政府・当局によるリラ買い為替介入、F政府・当局による資本規制、G政府による景気対策で下支えする構図が続いております。資本規制については、5/15に0.1%の外貨購入税を約11年ぶりに復活させた他、5/20には10万ドル超の外貨購入における受渡日を1日遅らせる措置、外貨建て預金の準備率を200bp引き上げる措置など、相次ぐリラ安防衛策の発動が確認されます。ただし、こうした政府・当局による一連の通貨安防衛策は長期化しづらく、一巡後は却って下落リスクを高める副作用がある点には留意が必要でしょう。

一方、テクニカル的に見ると、一目均衡表が覆い被さってくることから、来週はやや上値の重い展開が見込まれます。18.54付近に位置する一目均衡表転換線を明確に下回ることができれば、砂糖祭(ラマダン・断食月後の祭り)明けのトルコリラ買い需要の剥落も相まって、トルコリラが下げ足を速める展開も想定されます。先週来の上げ相場で個人投資家によるスワップポイント狙いのトルコリラ・ロングは急増しており、「ロングポジションのロスカット→更なる下落」の悪循環に警戒が必要です。6/12に予定されているトルコ中銀(TCMB)金融政策決定会合での声明文の内容(政策金利は据え置き予想)や、6/14に予定されているトルコ4月経常収支の結果を睨みながらも、来週はトルコリラの下落をメインシナリオとして予想いたします。

来週の予想レンジ TRYJPY 18.20ー19.00

米トルコ関係の悪化懸念と砂糖祭明けに伴うリラ買い需要の剥落で下落リスクに要警戒

トルコ円日足

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