トルコリラ円レポート月曜版(2019/4/15)

先週のトルコリラ円は細かな経済指標、そしてトルコ地方選後の与党の対応といったあたりが材料となりましたが、特に選挙後の動きがトルコリラをもみあいから

トルコリラ円レポート月曜版(2019/4/15)

トルコリラ円レポート月曜版

先週の振り返り(ショートコメント)ですが、もみあい継続となりやすいと見て前週のレンジの中で「19.40レベルをサポートに、大台20.00レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が19.20レベル、高値が19.81レベルと予想よりも20銭ほど低いレンジでの取引となりました。

先週のトルコリラ円は細かな経済指標、そしてトルコ地方選後の与党の対応といったあたりが材料となりましたが、特に選挙後の動きがトルコリラをもみあいからやや下げた材料になったと考えられます。トルコ3大都市の市長選で与党は全敗となりましたが、その中でもイスタンブール市長選は僅差での野党候補当選であったことから与党からは集計のやり直しを求める声が出ていました。

そうした中で、エルドアン大統領は8日に13,000〜14,000程度の票差での勝利は1000万を超える有権者から見れば不当、さらに10日には投票自体を無効とすべきだと、選挙制度自体を軽視する発言を続けて行いました。現状、選挙管理委員会が検討中の段階のようですが、当初の与党からの要望であった票数再集計は却下されていますので、さすがに再選挙は無いとは思われます。

いくらエルドアン大統領が強権政治を行っているといっても選挙管理委員会までが言いなりになるようでは、もはや近代的な民主主義国家とは言えず、トルコから投資を引き上げる動きに繋がることになりそうですし、中央銀行にしても選挙管理委員会にしても大統領と政府の動きからは距離を置いていると思いますので、このまま今回の選挙は与党敗北のままで終わることの方がトルコにとっては好材料です。

また、トルコは周辺国への軍事行動を継続している中で、戦闘機購入問題では米国との対立が続いていますし、トルコリラにとっての好材料を見つけにくい状況です。今週は本日の失業率をはじめ、いくつかの経済指標発表もありますが、選挙管理委員会の判断がまずは注目材料となっていて、何も無くても若干の買い材料になる程度で先々週後半、つまり20円の大台が当面はレジスタンスとして意識される展開は続くものと考えられます。

テクニカルに見ていきます。

長期的にトルコリラは下げの連続なのですが、昨年から今年は長期レジスタンスラインがかなり効いているチャートとなっています。現在の長期的なトルコリラ円の立ち位置を確認するためにも今週は時々示す月足チャートを見てみましょう。

トルコリラ円レポート月曜版

2014年末の高値を起点に引いたレジスタンスラインと、それに平行に2015年安値を合わせた下降チャンネルです。この下降チャンネルの中で2019年のトルコリラ円は上値を抑えられていて、このまま行くと2019年末には昨年の史上最安値の水準を割り込む水準へとレジスタンスラインが下がっていくこととなります。

4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版 2枚目の画像

先ほどのレジスタンスラインも太線で示してありますが、こうして見るとまだ距離があると見るか、既に3月下旬の戻り高値の水準にまで下げてきていると見るか、個人的には後者の懸念のほうが妥当ではないかと思います。最近のトルコリラは下げているとはいっても比較的落ち着いた展開でしたから、本邦個人投資家を中心としたトルコリラ買いのポジションも高水準なままで推移しています。そのあたりも気になるところです。

選挙管理委員会のまさかは無い前提で、今週もここ2週間の下降チャンネル内での動きを継続しやすいと見て、18.70レベルをサポートに19.50レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

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