ランド円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、7.85水準では売りが出てくるであろうことから「7.55レベルをサポートに7.85レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.71レベル、高値が7.96レベルと予想よりも強く、7.85を超えたことから目先の安値をつけた可能性が出てきました。
先週のランド円は前週末にムーディーズが格付け発表を延期したことで、引き下げ懸念が先延ばしとなったことを好感してのスタートを切りましたが、冒頭に書いた通り7.85水準を抜ける動きとなったことで2月5日高値を起点とした下降チャンネルを約2か月ぶりに上抜ける動きとなり、テクニカルに買いが入りやすかったことが上昇の最大要因であると思います。
ムーディーズの格付けも格付けの延期がいつまでかはわかりませんが、格付け懸念自体がなくなったわけでは無く、電力会社エスコムの問題もあり今後の南アの経済情勢次第では再びランドの懸念材料となる可能性はあります。ただ、当面遠のいたことは事実ですし、市場全体がリスクオンに動いたことも重なってランド円も上昇につながっています。今週の材料としては南アフリカからはそれほど重要度の高くない経済指標程度で、外部要因が大きくなりそうです。
ひとつは大詰めを迎えている米中通商協議で何らかの進展があるかどうか、11・12日にはワシントンでG20財務相会合がありますので、そこに向けて何か動きが出てくる可能性はあります。南アフリカにとって中国は輸出入ともに最大の貿易国であることを考えると、米中間の合意は好材料となるでしょう。また、先週はリスクオンの動きが主に株式市場で見られ、それがクロス円にも波及していました。特に高値圏に留まる米国株の動きは気になるところです。
今週はランド円の日足チャートからご覧ください。
今年に入ってから2月上旬までは上昇チャンネル、それ以降先週までは下降チャンネルの中での動きであったことがわかります。どちらもピンクの平行線で示してありますが、特に2月5日からの2か月に渡る下降チャンネルを上抜けたことは、テクニカルには大きな材料です。
先週月曜にムーディーズ延期とともに上抜け、さらに3月中旬以降の戻り高値圏となっていた7.82(青の水平線)を上抜けたことも大きいと言えます。
7.85を抜けてきたという表現は、この7.82を明確に上抜ける水準の意味が強かったのですが、現在の水準は2月高値と3月安値の61.8%戻しの水準7.95(赤の水平線)とも重なっています。いったんは上昇の踊り場となりやすいものの、現状は大台の8円を視野に入れている段階にあると言ってよいでしょう。
いつもの4時間チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
下降チャンネルを上抜けている状態と合わせて、先々週後半以降はドルランドではドル安・ランド高、ドル円ではドル高・円安と明確に方向を変えて動いてきたことがわかります。今週もいったん踊り場ではあるものの押し目買いが出やすく、一度は8円の大台を見るであろう流れになっています。今週は7.80レベルをサポートに8.05レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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