トルコリラ円レポート月曜版
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、調整局面と考え「20.30レベルをサポートとしつつ、21.10レベルをレジスタンスとする週」を見ていました。実際のレンジは、安値が20.60レベル、高値が21.34レベルと調整局面入りしたものの、予想レンジよりやや高い水準で底堅い動きとなった一週間でした。
先週のトルコリラ円は、木曜まではほとんど動かず20.60〜20.96の最近のトルコリラ円としては異常といってよいほどの狭い値幅での取引が続きました。木曜のNY市場に入りトルコリラが上昇していますが、何か材料があったのかというとトルコにとって好材料というものも見当たりません。考えられることとしては、ランドも同じようなタイミングで上がっていますので、新興国通貨買いが広く出たのではないかと言えますが、そうなると何が新興国通貨買いを招いたかです。
これは次の米金利10年債の利回りザラバの動きを見ていただくとわかりやすいと思います。
14日のNY市場にラインマーカーで色を付けてありますが、米金利が大きく低下する動きが見られました。米金利の低下は高金利の新興国通貨にとっては、高金利の米国に還流した資金が戻るきっかけとなりえます。この動きが翌日の新興国通貨買いの要因のひとつと考えられます。では、14日に金利が下がったのはなぜか、主な理由としては米国株が下がりリスクオフの動きが米国債の買い(利回り低下)に向かったことです。
リスクオフは新興国通貨売りではないのか、そういう質問も出てくると思いますが、金融市場はそれぞれの市場が複雑に関係していて、その時々で市場参加者(この場合は影響力がある大口投資家等)が、どこを見ているのかで変わってくる、極端なことを言えばすべて後付け、後講釈とならざるを得ないのです。そう言ってしまうと元も子もないのですが、結局は米国株が下げた動きが、波及して新興国通貨買いにもなった、と今回は考えざるをえません。
またトルコリラに関しては、原油安の動きが同国の貿易赤字縮小の思惑も出ていた可能性がありますが、こちらは二次的な要因ではないかと考えています。難しいですね。今週もあまり目立った材料が無いのですが、政治的にはサウジアラビア皇太子が殺害を指示した件でトルコが今後どのような動きを見せるのかは直接的な為替市場への影響は少なそうですが、引き続き注視すべき事件であるとは思います。
今週も材料的には悩ましいので、チャートを見ていきましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。
ピンクの平行上昇チャンネルは今週も有効であることがわかりますが、平行チャンネルが上昇しても現行水準はチャンネルの中間点と引き続きどちらにも動きやすい位置にあります。ただ、先週同様にもみあいを継続しやすい状況でもありますので、ここ2週間の安値圏20.60レベルをサポートとしつつ、若干底堅くいったんは高値を延ばしていく動きを想定し21.50レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
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