ポンド全面安
ポンドが対ドル始め、主要通貨に対して全面安となっています。これは不透明感が増している英国のEU離脱に関して、英国貿易相が「通商関係などに関する取り決めが 無いまま無秩序な離脱に陥る可能性」を示唆したことで、これまでも遅々として進んでいないブレグジット協議の進展が期待薄になってきたことによるものです。
既に来年3月末の離脱まで8か月を切りましたし、英国とEUとの協議は10月末までの決まっているはずが全く進まず、期限を多少延ばしたとしても無理があるというのが市場参加者の見方となっています。テクニカルにもポンドは弱い地合いを継続しやすくなっていますので、ここではポンド円の週足チャートを見てみましょう。
(ポンド円週足)
ポンド円は2016年の国民投票でEU離脱が決まり、同年10月に安値の124.85をつけて以来、今年1月まで上昇を続け156.61の高値をつけました。ここまではピンクのラインで示した上昇ウェッジ(くさび)の中でかなり力強い上昇だったと言えます。その後今年の5月にサポートラインを下抜け、現在は青いラインで示した下降ウェッジの中での下降を続けています。
これまでは、124.85と156.61との38.2%押しの水準144.48(赤のターゲット)で何度か下げ止まっていた動きに対して、今週の下げは明確に同水準を下回ろうとしています。すると次のターゲットとなる半値押し140.73(赤のターゲット)が視野に入ってきているのが現状です。ポンドによって更なる悪意材料が出て来るかどうか、また日米通商交渉で円買い材料が出て来るかどうか、ポンド安の動きはしばらく続きそうです。
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