ユーロ 下降チャンネル継続、戻り売り(11月第二週)

先週のユーロドルは、週前半は1.16前後の狭い値幅で方向感の無い展開を続けていましたが、週後半は先行してドル安となっていたドル円の動きに追随する形で、

ユーロ 下降チャンネル継続、戻り売り(11月第二週)

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、週前半は1.16前後の狭い値幅で方向感の無い展開を続けていましたが、週後半は先行してドル安となっていたドル円の動きに追随する形で、米国の税制改革の審議が難航しそうな状況となってきたことを材料にユーロ買いが入っての引けという一週間でした。しかし、前週雇用統計直後につけた高値1.1691を前に上値も重たくなってきたところに、週末にメイ首相不信任のニュースが出ての週明けとなっています。

このメイ首相不信任の話は、保守党議員40人がメイ首相に対する不信任を表明する署名に同意したという英紙のニュースですが、これは結構たいへんなニュースです。今年6月に行われた英国総選挙において、与党保守党は全650議席のうち318議席しか取れず(11月現在317議席)、過半数割れとなったことは記憶に新しいところです。現在は少数政党の民主統一党(10議席)の閣外協力を得て、かろうじて過半数超えとなっています。

仮に40人もの保守党議員が反旗を翻したら、労働党(11月現在262議席)と組むことで完全に立場が逆転し、政権交代となる可能性があるわけです。最終的にどの程度の人数が不信任に賛成するのか、あるいは不信任案自体が出されないのか、いずれにしても英国の政治は一気に流動的な状況となり、EU離脱の手続きに一層の不透明感が漂う状態となってしまいました。このニュースから月曜早朝のポンドドルはギャップダウンして始まり、金曜NY終値(1.3190レベル)から1.3107レベルへと80ポイント強のポンド売りの動きで始まりました。

ユーロドルもポンドの下げに引っ張られて、金曜NY終値(1.1664レベル)から1.1645レベルへと下げてはいますがポンドもユーロもニュースの割にはそれほど下げていないというのが正直なところです。本日の欧州市場の動きを見たいという流れであるとは思いますが、労働党党首もメイ首相に対し退陣すべきとの発言をしており、当面は英国政治から目が離せない状況となっています。

さて、欧州の話題ですが、こちらは今週前半にBIS総裁会議が開かれるため、各国の中銀総裁が会議に出席します。その中でも14日に開かれるイエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニー英中銀総裁、黒田日銀総裁による主要4極の中銀総裁による討論会を筆頭に前後して多くの要人発言が出てきます。現状では金融政策の大きな流れは既に決まっているとは言うものの注意は必要です。

また、今週はユーロ圏とドイツ、イタリア、ギリシャの7〜9月期GDP速報値が発表されます。特にドイツの数字に注目されますが、年率でドイツは前回の+0.8%から+2.3%への伸びが予想され、ユーロ買いのきっかけとなる可能性があります。ポンドとの兼ね合いで考えるとユーロポンドの買いというのは最も理にかなっているとは思うものの、テクニカルには引き続きユーロ安が継続しやすいチャートであって、ユーロ単体で考えた場合には材料よりもテクニカルな面が大きい週となりそうです。

日足チャートをご覧ください。

今週の週間見通しと予想レンジ

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

9月高値1.2092とその後の9月後半高値1.2034を結んだレジスタンスラインと、それに平行に引いた下降チャンネル内での動き(チャンネルの幅は約270ポイント)をきれいに継続していて、今週は上限が1.17台半ば、下限が1.14台後半を下降しています。今週もこのチャンネルの中での推移と見ることができます。

今週は英国の政治ニュースから来るポンドの動きを見つつも戻り売りを継続、やや下方向に余裕を見て1.1550レベルをサポートに、1.1700レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

先週は本題の方でも英国のことを書きましたが、英国の政治が流動的となってきたことも含めてポンドの売りが進みやすい流れとなってきました。まだ不透明な部分も多いため、売るならばユーロポンドという考え方をする参加者も多そうですから今週はユーロポンドのチャートを見てみましょう。

             ユーロポンド日足

             ユーロポンド日足

現在のユーロポンドは8月高値と10月高値圏を結んだレジスタンスラインに沿って下降トレンドを続けていますが、今週初はまさにこのレジスタンスに近いところで売りからスタートしました。いっぽうで9月から11月まで安値圏が同じような水準に並んでいてこの水準は6月から7月のサポートでもあった水準と重なります。

ピンクの水平線を引いた位置は0.87台前半ですが、4月安値と8月高値の61.8%押しも0.8695に位置し、0.87をターゲットにしつつも割り込んで来ると一段安を考えなくてはいけないチャートとなっています。まだ距離があると思っていると、ポンドの場合は一気に動きが出て来ることもありますので、注意していきたいところです。

前週のユーロレンジ

       始値  高値  安値  終値

ユーロドル 1.1616 1.1678 1.1553 1.1664
ユーロ円  132.61 133.12 131.00 132.44

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

11月6日(月)
 ドル円が日米首脳会談前後で上下すする中、東京市場のユーロドルは蚊帳の外でもみあいを続けていました。欧州市場以降は目立った材料が無い中でじり安の展開となり、10月27日安値に迫る動きとなったもののトライしきれず。引けにかけてはドル売りの動きに沿って買い戻しが入り、東京市場の水準に戻してのクローズとなりました。

11月7日(火)
 ユーロドルは欧州市場序盤までは動きが見られませんでしたが、ドル円でのドル買いの動きもあり欧州時間は売りが先行する動きとなりました。しかし、NY市場ではダウが下げる動きと米金利低下の動きからドル売り・ユーロ買いの動きとなり、前日と同じく東京市場の水準に戻しての引けとなりました。

11月8日(水)
 ユーロドルは月曜火曜にはまだ動きが見られたものの、常に1.16を挟んで方向感が無い小動きの展開を続けたせいか水曜はいよいよ全くの動意薄、一日のレンジも30ポイント強と完全に蚊帳の外となっていました。

11月9日(木)
ユーロドルは、東京後場のドル円の下げをきっかけにじり高となったものの、ユーロ円の売りもあり比較的落ち着いた動きとなりました。しかし、欧州市場以降は直近高値圏を上抜けたことや、これまであまいにも狭い範囲での取引が続いていたこともあって短期筋のストップオーダーも加わり、1.1655レベルまで上伸後に高値圏を維持しての引けとなりました。

11月10日(金)
ユーロドルは、欧州市場序盤に売りが出たもののすぐに切り返し、その後は上下しながらも底堅い展開が続きました。海外市場ではポンドの買いにも支えられ、NY市場では1.1678レベルの高値をつけその後も買いが目立っていましたが、ドル円同様にあまり取引は活発ではない週末相場での引けとなりました。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

11月13日(月)
18:00 コンスタンシオECB副総裁講演

11月14日(火)
11:00 中国10月小売売上高、鉱工業生産
16:00 ドイツ7〜9月期GDP速報値
16:00 ドイツ10月CPI
18:00 イタリア7〜9月期GDP速報値
18:00 ラウテンシュレーガーECB専務理事講演
18:30 英国10月CPI、PPI

19:00 イエレンFRB議長、ドラギECB総裁、カーニー英中銀総裁、黒田日銀総裁、討論会(BIS総裁会議)
19:00 ドイツ11月ZEW景気期待指数
19:00 ユーロ圏7〜9月期GDP速報値
19:00 ユーロ圏9月鉱工業生産
19:00 ギリシャ7〜9月期GDP速報値
21:45 フランス中銀総裁講演
22:30 クーレECB理事講演

11月15日(水)
16:00 アイルランド中銀総裁講演
16:45 フランス10月CPI
18:30 英国10月失業率
19:00 プラートECB理事講演
19:00 ユーロ圏9月貿易収支

11月16日(木)
19:00 ユーロ圏10月CPI確報値
23:00 カーニー英中銀総裁講演
23:30 フランス中銀総裁講演
29:00 コンスタンシオECB副総裁講演

11月17日(金)
17:30 ドラギECB総裁講演
18:00 ユーロ圏9月経常収支
22:00 ドイツ連銀総裁講演

11月第二週 ドル円の週次見通しはこちら価格.com FX比較

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