FX新レバレッジ規制(4)
まず、FX業者の中でくりっく365だけが優遇されるのは本当ですか、と個別に問い合わせがありましたので書いておきます。ここ1週間ほどの間に複数から同様の話を聞いたため、火の無いところに煙は立たず、との思いから書いた記事です。過去に税制優遇という時代もありましたし、レバレッジ規制自体が不透明なうちに業者による差別は良くない点だけは当局に伝えたいところです。
さて、今日はFX業者に与える影響について具体的に見て行いますが、影響が大きい業者と少ない業者に分かれます。影響が大きい業者はスプレッドが狭くスキャルピング(数銭から10銭程度の細かい値幅を繰り返し取りに行く取引手法)のような細かい取引が多い業者です。ただ、今のFX業者はドル円に関してはかなり狭いスプレッドで提供していることが多く、かなりの業者で影響が出るということは間違いありません。
スピャルピングを行う人は状況によっては数秒から1分程度で決済を行いますので、リスクは限定的であり、ほとんどの方がレバレッジを高めに取引しています。つまり、こうした取引を行う人がどの程度いるかという点と、その中でレバレッジを10倍以上で取引する人がどの程度いるかという点がFX業者の収益にストレートに影響を与える部分です。
私の調べた感触では、スキャルピングの取引量は3割から5割程度と幅があるものの、こうした人はほぼ全てレバ10倍以上で取引をしているとのことです。つまりレバ10〜25倍と規制案よりも大きいレバレッジで取引を行う人は、全体の3割程度はいそうだということになります。
これら3割の人の取引量が25分の10になるという単純な話ではありませんし、それならばと海外FX業者へと逃げる人も相当量出て来るのではないかという懸念があります。やはり海外業者での取引は本来ならば認められていないものですから、当局としてもレバ低下による一段の海外流出を招くよりも、海外で取引している人が国内業者に還流するような政策を取るべきはないか、これは誰もが考えることです。
そうした点も含めて、次回は本来レバレッジはどうあるべきなのかというテーマで話を続けます。
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