FX新レバレッジ規制(3)
次回のレバレッジ規制 取引所取引は除外の案も??
9月末にFXのレバレッジ規制案について思うことを2回書かせていただきましたが、各所からの反響が大きかったため、その後も分かる範囲で調べてきましたので、本日はその後のアップデート記事ということでお読みいただければと思います。
まず、今回の規制案ですが、当局は新聞記事が出る前に準備を進めて来た様子が濃厚で、初めから結論ありきというような状況のようです。金融先物取引協会やFX業者など関係者から意見を聞くという表向きのスタンスはあるようですが、店頭業者のレバレッジは10倍に下げること、またこれはあくまでも案のようですが、取引所取引(くりっく365)については、取引所の上場商品であることや参入基準が高いことから現行の25倍を維持するとの話があります。
これも不思議な話で、たしかにくりっく365業者は資本金等のハードルをクリアしているという点で一般的な店頭業者よりも安全といった見方があるかもしれませんが、業者の健全度を測る自己資本比率ではくりっく365業者でもっとも高い比率の業者より更に高い比率を保っている店頭業者もあり、こうした業者も一律に10%にレバレッジを下げるというのでは説得力がありません。
また、仮に10倍でも25倍でもスイスフランショックのように何十円もレートが動いてしまったら、レバによる違いがあったとしてもいずれも想定を超える変動幅であり、損失額も当然想定を超える金額となります。取引所取引と言っても株式のように参加者同士の売買ではなく、マーケットメーカーが取引価格を出している以上、おそらくはECNによる取引を提供している店頭業者よりリキディティは低くなると考えるほうが自然です。
今後どのような最終案が出て来るのかはわかりませんが、少なくとも店頭取引と取引所取引に差をつけるのであれば明確な理由を示してほしいと思います。あるいは、そういう差別は無いということを示してほしいものです。理由を示さずに取引所取引だけを別扱いするということになると、取引所社長は歴代財務省からの天下りだからと思われても仕方ないのではないでしょうか。
仮にレバを下げるのであれば、取引所取引の方が率先して下げるべきだとの意見もありますので、この点は今回のレバレッジ規制案の中でもっとも見直すべき点であると思います。
次回はFX業者に与える影響について具体的に見て行くこととします。
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