ユーロ週間見通し(9月第二週)

先週のユーロは、8月末に1.1823レベルへと下げたことでECB理事会を前にした短期筋の調整が一巡したことあって底堅い値動きを見せました。

ユーロ週間見通し(9月第二週)

前週のユーロレンジ

       始値    高値    安値    終値

ユーロドル 1.1882   1.2092  1.1868   1.2032
ユーロ円  130.47   131.09   129.36  129.75

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

9月4日(月)
 週末に行われた北朝鮮核実験のニュースから全面的にリスクオフの動きとなり、ユーロドルは、当初はドル円のドルの動きに引っ張られて堅調地合いとなりました。高値1.1922レベルまで買いが入りましたが、ユーロ円でもリスクオフの円買いが優勢な動きとなったことからユーロは上値も限定的な動きへと転じて一日を終えました。

9月5日(火)
 欧州市場までは動きが出ませんでしたが、欧州市場に入り出た各種経済指標はミックスであったものの市場は売りで入り、一時1.1868レベルと前日安値を割り込みました。ただその後はドル円でのドル売りの勢いが強いことに引っ張られてのユーロ買いとなり、高値も1.1941レベルと前日高値を超えましたが後は続かず1.19台前半での引け。ユーロ円での円買いの動きが前日に続いてユーロドルの上値を抑える動きにつながっていました。

9月6日(水)
 ドル円は下げた後に上げてと動きが軽い地合いとなりましたが、ユーロドルはECB理事会を控えて動きにくい展開が続きました。ユーロが終日底堅い動きとなってはいたものの、注目のイベントを前にして積極的な取引は手控えられました。

9月7日(木)
 ECB理事会を前にしてテーパリングへの言及思惑からユーロが水準を切り上げ、理事会前には既に1.20の大台間近まで水準を切り上げていました。発表時には利食いの売りも出たものの、より注目の高い総裁会見では秋には政策調整をすると、10月理事会でのテーパリングについて言及しました。また為替についても議論されたことを明言し、為替の変動が不透明要素であること、政策決定には為替も考慮と述べるいっぽう、具体的な水準については触れず、ECBは為替レートを政策目標とはしないと述べたこともユーロ買いの安心感につながり、1.2059レベルの高値を示現、ただ直近高値を超えられなかったこともあり、やや押しての引けとなりました。

9月8日(金)
 前日のECB理事会後のユーロ買いの動きがドル売りの流れと重なり東京後場には1.2092レベルの高値をつけましたが、その後はリスクオフの動きに押されユーロ円でも売りが目立つ流れへと転じました。ユーロ円は欧州市場で129.45レベルまで売られたものの週間安値の更新にまでは至らず安値圏でのもみあいのまま引け、ユーロドルは1.20台前半へと日中の動きに対して行って来いでの週末クローズとなりました。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

9月11日(月)
特になし

9月12日(火)
17:30 英国8月CPI、PPI
22:45 コンスタンシオECB副総裁講演

9月13日(水)
15:00 ドイツ8月CPI確報値
17:30 英国8月失業率
18:00 ユーロ圏7月鉱工業生産

9月14日(木)
11:00 中国8月小売売上高、鉱工業生産
16:30 スイス中銀政策金利発表
20:00 英中銀MPC結果発表
24:30 ドイツ連銀総裁講演
25:00 メルシュECB理事講演

9月15日(金)
17:15 ラウテンシュレーガーECB理事講演
17:50 ブリハ英中銀委員講演
18:00 ユーロ圏7月貿易収支

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロは、8月末に1.1823レベルへと下げたことでECB理事会を前にした短期筋の調整が一巡したことあって底堅い値動きを見せました。ドル円でのリスクオフの動きはユーロドルではドル売り・ユーロ買いに繋がったものの、ユーロ円ではドル円同様にリスクオフの動きとなり、材料的にはニュートラルとなっていました。

先週最大のイベントはECB理事会とその後のドラギ総裁会見ですが、まず金融政策に関しては10月にテーパリングの議論が行われることが示されユーロ買いの材料となりました。また前回議事録で触れられたユーロ高懸念については、為替について議論されたことは明言したものの具体的な水準については触れなかったこと、またECBは為替レートを政策目標とはしないと述べたことを好感して、こちらもユーロ買いの材料となりました。

ユーロ高については来年1月以降のテーパリングに伴って過度なユーロ高の動きに繋がる場合には改めて触れられる可能性は高いと思いますが、現状のユーロ高を否定するものでも無く当面はユーロ高トレンドに変化は出るものでは無いと言えます。

引き続きユーロを支える材料とともに、米国材料(政治停滞を中心としたドル売り)、円材料(リスクオフのユーロ円の影響はあるものの、円高・ドル安の動きが影響しやすい)がユーロドルを底堅くしてくるものと見ています。

今週は、ECB副総裁、ドイツ連銀総裁、複数ECB理事の講演が行われ、先週のECB理事会の内容について、各メンバーの見方が披露されるでしょうが、ドラギ総裁会見の内容とかい離した意見が示されることは無いでしょうから、仮に下がる動きが出た場合にはよい押し目の材料とされる可能性が高いのではないかと思います。

また今週は英中銀のMPCも予定されていて、前回と比べて利上げの可能性が高まるのかどうか、このあたりも欧州全体の景気判断や金融政策の方向性として材料視される可能性はありますが、こちらもユーロ買いの方向でのみ影響がでやすいでしょう。つまり、材料としては今週も引き続きユーロを買いやすい地合いが続きます。

チャートも見てみましょう。

今週の週間見通しと予想レンジ

*日足チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

先週も引き続きピンクの平行線で示した上昇チャンネルの中での動きを継続しました。またピンクの細線で示したN波動から計算されるフィボナッチエクスパンションの内50%の1.2058は上抜け、61.8%の1.2151(青のライン)が現在のターゲットとなっていることがわかります。この1.21台半ばは以前示した長期チャート(8月28日週報参照)でもターゲットとなっている水準であり、ユーロ高トレンドの最終局面入りに入ってきたと言えます。

もちろん、最終局面と言っても反転するという意味では無く、いったん上昇トレンドから中立もみあいへと転じ、その後の動きは更に時間をかけてという意味です。しかし、現在考えられる材料からはもみあいのあとも、ユーロ高へと回帰する可能性が高いと言えるでしょう。

今週はこの上昇チャンネルの中で、1.1925レベルをサポートに、上記のターゲット1.2150レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

今週のコラム

前回はユーロクロス取引の中でも対主要通貨としてユーロポンドの話を中心に進めましたが、欧州で忘れてならないのはユーロと北欧通貨とのクロスです。北欧3国はどれも通貨クローネを使っていますのでユーロクローネとか、あるいはスカンジナビア半島から名前を取ってユーロスカンジといった呼び方をされます。

さて、北欧3国の通貨はスウェーデンクローネ、ノルウェークローネ、デンマーククローネの3つですが、スウェーデンとノルウェーの通貨はユーロに対して良く動くのに対して、デンマークは常にもみあいを続けているといった値動きです。確認のため、チャートをご覧ください。

今週のコラム

ユーロ対
スウェーデンクローネ、ノルウェークローネ、デンマーククローネの四時間足

8月以降の4時間足チャートを示してあります。上からユーロデンマーク。ユーロノルウェー、ユーロスウェーデンです。下2つが大きな傾向として似たような動きであるのに対して、デンマークはもみあいというのがわかりますね。チャートの中の高値と安値をピックアップして高値との比較もしてみましょう。

デンマーク 7.4345〜7.4427 82ピップス 0.11%
ノルウェー 9.2207〜9.4189 1982ピップス 2.10%
スウェーデン 9.4503〜9.6380 1877ピップス 1.95%

こうして見ても、ユーロデンマークだけが極端に狭い変動幅であることがわかります。実はデンマーククローネだけがユーロペグの制度を導入していて、ユーロとほぼ同じ動きとなっているため、他の2つのユーロクロスとは異なった動きをしているということになります。

何故そうなったのかはERMの歴史とも関係してくるので、興味なる方は調べてみるといいと思います。なお北欧通貨は首都の名前で呼ばれることもあり、コペンハーゲン → コピー、オスロー、ストックホルム → ストッキー、と為替関係者はなんでも短くしたがる傾向があります。これも理由があって、はるか昔の話ですが、テレックスでは短い文字のほうが通信費が安いということからの知恵だったのです。

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