ユーロは短期調整局面入り(新ユーロ週報8月第一週)

先週も金曜NY市場まではユーロ高のトレンドを継続し、水曜には年初来高値1.1910レベルをつけましたが、

ユーロは短期調整局面入り(新ユーロ週報8月第一週)

前週のユーロレンジ

       始値   高値   安値  終値  

ユーロドル  1.1747 1.1910 1.1723 1.1773
ユーロ円   129.85 131.40 129.55 130.30

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週のユーロ

7月31日(月)
 ドル安の主役はユーロドルでした。東京市場から欧州市場前場まではユーロドルもじり安となっていましたが、LDNフィキシングで実需のドル売りが対ユーロで出たことからユーロドルは直近高値を上抜け、ストップオーダーも巻き込みながら高値1.1846レベルと2015年1月以来の高値をつけ高値引けとなりました。

8月1日(火)
 動意の少ない月初。ユーロドルは短期筋の利食いから終日上値の重たい展開を続けましたが、特徴的だったのはユーロ円でこれまでにも何度も試した130.60レベルをトライしきれずに反落、ストップオーダーも巻き込んで129.84レベルまで下げた後に130円台前半へ戻して引けました。

8月2日(水)
 東京市場ではユーロ円がトライして抜けられなかった130.60レベルをランチタイムに上抜けると、ストップオーダーや新規の仕掛け買いも乗っかってユーロ円は一気に131円台乗せ、ユーロドルも買われる動きとなりました。その後、NY市場では米金利の上下に沿った動きとなり、米金利低下局面ではドル売りの動きが対ユーロで顕著でユーロドルは一時1.1910レベルの高値を示現後に、利食いに押されて1.18台半ばでの引けとなりました。ユーロ円はNY朝方に130円台後半まで押したものの再び高値圏に戻してのクローズ。

8月3日(木)
 東京市場では、前日高値をつけたユーロ円が上値の重たい株価ともに利食いの売りが出た程度で、動意薄のまま海外市場に入りました。NY市場ではロシアゲート問題について起訴するかどうかを決める大陪審の設置がされるとの話からドル売りとなりましたが、ユーロドルは前日に1.19台をつけたことやユーロ円の売りが継続したこともあって限定的な動きに留まりました。

8月4日(金)
 米国雇用統計を前にしてNY市場まではドルの上値がやや重たい程度で動意薄の展開が続きました。注目の雇用統計は予想以上に強い結果を受け、ドル全面高となりユーロドルは1.1727レベルまで水準を下げました。ユーロドルの調整が目立ったため、ユーロ円も130.09レベルまで水準を下げましたが、引けにかけては週末を前に日計り組のポジション調整からややドルが押す展開となりました。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。

8月7日(月)
15:00 ドイツ6月鉱工業生産

8月8日(火)
**:** 中国7月貿易収支

8月9日(水)
10:30 中国7月CPI、PPI

8月10日(木)
17:30 英国6月鉱工業生産
21:30 米国7月PPI
23:00 NY連銀総裁講演

8月11日(金)
15:00 ドイツ7月CPI確報値
21:30 米国7月CPI

今週の週間見通しと予想レンジ

先週も金曜NY市場まではユーロ高のトレンドを継続し、水曜には年初来高値1.1910レベルをつけましたが、雇用統計後のドル急騰から一気にポジション調整が入る形となりました。8月1日時点でのシカゴ・マーカンタイル取引所における通貨先物の非商業部門取組高(投機筋のオープンポジション)では、82,637枚の買いと2週続けての減少とはなっていましたが、まだまだ高水準のユーロ買いポジションを維持しているため、雇用統計をきっかけとしたユーロ売りの動きは短期的には継続しやすいと考えられます。

長期的には常にくすぶるECBの緩和縮小思惑、直近ではIMF報告書にあったユーロの水準は適正なもののドイツだけで見た場合のユーロは過小評価、といったことがユーロ高の要因として今後もユーロを下支えすることとなります。しかし今年1月3日につけたユーロドルの大底1.0341レベルからここに至るまでユーロは上下しながらも上昇トレンドに乗っているところまでは良かったのですが、4月以降のユーロドルは調整らしい調整が無いままに上昇を続け、更に6月下旬以降はその上昇スピードを速めています。

日足チャートをご覧ください。

              ユーロドル日足

              ユーロドル日足

上記の上昇トレンドを長期、中期、短期とするならば長期は太いピンクの太線で示されるサポート、中期は同じくピンクの平行線で示される上昇チャンネル、短期は紫の平行線で示される上昇チャンネルとなります。どの程度の時間と価格との動きがバランスが取れているかという観点からも短期上昇チャンネルの角度はこれまでの動きの中でもかなり急角度となっていて高水準のポジションが継続しているがゆえの上昇速度であると言えそうです。

長期上昇トレンドを継続する可能性が高いことからも、短期的にはいったん調整を挟んだほうが、今後のユーロ高トレンドに安心感を持てる動きになるというところです。それではどの程度の調整が考えられるのかをフィボナッチ・リトレースメントを使った値幅観測から計算してみます。

あまり長い期間を使うと現実的な押しのターゲットとはなりませんので、ここでは短期上昇チャンネルの起点となっている6月20日安値1.1119から先週高値1.1910までの上げに対する押しを考えます(赤のターゲット)。すると、最初のターゲットとなる38.2%押しが1.1608(赤の太線)、半値押しが1.1515となっていることがわかります。既に半値押しでさえ遠く感じますので深い押しが入った場合のターゲットとして、1.16台前半という水準は考えておくと良いでしょう。

今週という点では、まだ下がったら買いたいという参加者も多そうですから、1.1650レベルをサポートに、1.1880レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。

*チャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週のコラム

今週のコラムではユーロドル以外のチャートやユーロに関係するテーマを扱って行きます。

今回はユーロドルの年初来安値の水準と数字についての考察です。

今年のユーロドルの安値は1.0341レベルで決まったと言って良いと思いますが、1.05を割り込むたびにユーロドルはパリティ(1ユーロ=1ドル)に行くのではないかという声が高まっていたことは皆さんご存知のとおりです。

さて、似たような数字を上げてみましょう。「1.0360ドル」、なんの数字だかお分かりになりますか?実は、1985年につけたポンドの史上最安値です。この時のポンドも1.05を割り込んだ時にインターバンクディーラーはこぞってパリティ(1ポンド=1ドル)と声を高めて売り込んでいました。

結果は皆さん御存知の通りで、1.03から大きく反転しその後2度とポンドでパリティという声を聞かなくなりました。もちろん、ユーロドルではユーロスタート後の2000年に0.8246という史上最安値をつけていますので既にパリティは示現しています。しかし、何か大きなターゲットが近づきそのターゲットに向かってポジションが傾いている時には注意が必要ということを今回は、ポンドとユーロのパリティを例に説明してみました。

ユーロも直近のところまでは1.20の大台示現を期待しすぎた買いがポジションを膨らませ、それがきっかけとなって、ようやく調整らしい調整につながったと言えるのではないかと思います。ユーロドルの場合は、まだ方向はユーロ高ではありますが、短期の調整局面入りが思いの外長引く可能性も考えつつ、また来週のシナリオを考えましょう。

ディスクレーマー

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