日銀「ハト派」方針で豪ドル堅調、円安推移を材料にしっかりの展開か
【今週の豪ドル】
17日に発表された12月Westpac消費者信頼感指数は−2.0%と前回の5.3%を大幅に下回ったほか、18日の11月Westpac先行指数も0.05%と前回の0.16%を下回るなど豪経済の弱さが意識されて、豪ドルは95円台まで下落した。
ただ、19日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)では、「タカ派」な利下げとなった一方、日銀金融政策決定会合の結果は「利上げ見送り」。ほぼ想定線の結果内容だったが、その後に行われた植田日銀総裁の記者会見で、「追加利上げの判断には、もうワンノッチ欲しい」といった発言を受けて1月利上げ観測が後退。円は主要通貨に対して全面安の展開となり、豪ドルは98円台まで値を戻した。
豪ドル・円(東京時間:12月16日―12月20日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 97円74銭
高値: 98円75銭
安値: 95円79銭
終値: 98円20銭
【今週と来週の重要指標】 ※時間は東京時間
12月17日
8時30分、12月Westpac消費者信頼感指数、前回:5.3%、結果:−2.0%
12月18日
8時30分、11月Westpac先行指数、前回:0.16%、結果:0.05%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、目立った経済指標の発表が予定されていないことから、円主導の展開となろう。重要イベント通過も受けて、日銀会合の余韻が豪ドルの下支えとなる。
植田日銀総裁の記者会見での発言は下記の通り。
「政策は特定のデータを待たなければいけないことはない」
「1月会合までに、支店長会議などである程度の情報を参考にする」
「総合判断にならざるを得ない」
「米次期政権の政策について、世界経済・わが国経済に与える影響をよく見てゆかなければならない」
「利上げタイミング、データを丹念に点検して判断」
「各種指標は概ね見通しに沿って推移」
「賃金と物価の好循環の確認、もう少し情報が必要」
「春闘について、大きな姿わかるのは3月か4月」
「次回1月展望リポートでワンノッチ確度上がるのか、現時点では何とも言えない」
「時間的余裕」特定のリスクに紐づけて使うことはやめたい
「基調的な物価、期待インフレ率の動きがゆっくりしているときは、いろいろな見極めができる」
「次回会合までどこまでわかるか、予想しがたい」
市場で強まっていた近々の利上げムードをけん制する発言が多かった印象だ。市場は25年1月利上げも難しいとの見方が強まっており、円は主要通貨に対して売り優勢となった。為替市場では年内の重要イベントがほぼ終了したことから、緩やかな円安傾向は続くと考える。
日足の一目均衡表では、雲下限水準を回復した。右肩下がりの100日移動平均線が上値抵抗として意識される可能性はあるが、円安を材料に上向きの転換線や98円水準の雲下限をサポートとした推移は期待できよう。反発基調が強まる地合いではないが、底堅い展開を想定する。
※豪ドル見通しは今回寄稿をもって終了となります。これまでお読みいただきありがとうございました。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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