トルコリラ円見通し 対ドルでの史上最安値更新続くが、ドル円の高止まりで確り(24/12/13)

トルコリラ円の12月12日は概ね4.38円から4.34円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.37円で前日終値と変わらなかった。

トルコリラ円見通し 対ドルでの史上最安値更新続くが、ドル円の高止まりで確り(24/12/13)

対ドルでの史上最安値更新続くが、ドル円の高止まりで確り

〇昨日のトルコ円、4.34前後を下値支持線とした持ち合い圏内にとどまる
〇ドル円が153円台へ乗せて勢い付けば、持ち合い上放れ4.40超えを目指すか
〇対ドル、12/12は概ね34.90から34.65の取引レンジ、本日午前も34.96を付け最安値更新中
〇トルコ経常収支は5か月連続黒字、トルコ中銀、外貨準備高(ネット)は昨年6月以降の最高を更新
〇4.38超えからは4.39、4.40を順次試す上昇を想定
〇4.34割れからは4.32前後への下落を想定

【概況】

トルコリラ円の12月12日は概ね4.38円から4.34円の取引レンジ、13日早朝の終値は4.37円で前日終値と変わらなかった。
ドル円は12月11日夕刻の乱高下で151.04円まで下げてから152.78円へ上昇して12月3日深夜安値148.64円以降の高値を更新し、その後は高値更新へ進めずにいたものの152円割れを繰り返し買われて持ち合いを形成し、13日午前序盤に152.80円台へ上昇して持ち合いから上放れ始めた。
トルコリラ円はドル円の上昇を追いかけて11日夕刻にドル円が乱高下した際に4.33円までいったん下げてから4.38円まで戻し、その後はドル円の持ち合いを見ながら4.34円前後を下値支持線とした持ち合いに入っている。
ドル/トルコリラの史上最安値更新が連日続いていることで13日午前序盤時点ではドル円の持ち合い上放れに追従できずに持ち合い圏にとどまっているが、ドル円が153円台へ乗せて勢い付けばトルコリラ円も持ち合い上放れに入り4.40円超えを目指す可能性があると注目したい。

ドル円は米10年債利回り動向とほぼ正相関で推移しており、米10年債利回りが12日も続伸して4連騰していることに支えられているが、来週の日米金融政策決定会合を控えて慎重さも見られる。米FRBは12月に0.25%利下げを決定して1月は利下げ休止と見込まれ、日銀は12月利上げを見送って1月以降の追加利上げを模索する姿勢とみられている。

【ドル/トルコリラは連日の取引時間中及び終値の史上最安値更新、13日午前も最安値更新中】

ドル/トルコリラの12月12日は概ね34.90リラから34.65リラの取引レンジ、13日早朝の終値は34.87リラで前日終値の34.85リラから0.02リラのドル高リラ安だった。
12月6日に34.81リラ、9日に34.84リラ、10日に34.89(34.8885)リラ、11日に34.89(34.8901)リラで取引時間中の上昇最安値を更新してきたが、12日も34.90(34.8967)リラを付けて5営業日連続の史上最安値更新とした。日足終値ベースでは12月3日終値34.71リラを6日終値34.74リラで超えて9日、10日、11日、12日と5営業日連続で史上最安値を更新している。
12月13日午前序盤には34.96リラを付けてさらに最安値を更新しており、リラ売りの勢いが加速している。

12日発表のトルコ10月経常収支は5か月連続で黒字となり、週次の外貨準備高もネットで過去最大としたものの、高インフレ・高金利・緊縮財政による景気低迷感が払拭できず、中銀の利下げ再開が先延ばしされていることでリラ安が勢いを増している。
11月のトルコ中銀によるビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップによる予想集計)で、2024年末のドル/トルコリラについては1ドル35.7205リラと予想されており、35リラ台を目指す流れと思われる。

【トルコ経常収支、5か月連続で黒字】

12日に発表された10月のトルコ経常収支は18.8億ドルの黒字となった。トルコは構造的な貿易赤字により経常収支も赤字が基本だが、海外観光客収入等が最盛期に堅調となる場合は経常収支も黒字化する。2023年10月から今年5月まで経常赤字が続き、観光収入増で6月から10月まで5か月連続で経常黒字としたが、8月の43.2億ドルから9月の29.9億ドル、10月の18.8億ドルと黒字額が減少しており、観光シーズンが閑散期に入れば赤字に陥ると思われる。

【トルコ中銀、外貨準備高はネットで昨年6月以降の最高を更新】

12日にトルコ中銀が発表した週次外貨準備高は、12月6日時点のグロスで950.1億ドルとなり11月29日時点の928.2億ドルから増加し、ネットでは650.7億ドルとなり11月29日時点の641.8億ドルから増加した。 
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したが、その後に再び増加に転じて7月末時点で947億ドルとしてからも高水準を維持してきたが、12月6日時点で7月末水準を超えた。
ネットでは2023年6月のマイナス57億ドルから増加に転じて11月29日時点で公式記録のある2002年以降の最大を更新したが、12月6日時点もさらに増加している。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要だ。

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

【60分足サイクル、一目均衡表分析】

トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月6日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてきたが、11日夕刻高値から持ち合いに入り、12日夜に4.34円へ下落してから戻しているため、11日夕高値を直近のサイクルトップ、12日夜安値を同サイクルボトムとして新たな強気サイクル入りしていると仮定し、16日午後から18日夕にかけての間への下落を想定する。
ただし、12日夜安値割れからは持ち合い下放れによる弱気サイクル入りとして17日夜から19日夜にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では11日夕以降の持ち合いで遅行スパンは実線と交錯しているが、12日夜に先行スパンから転落しかけてから上抜き返しているため、12日夜安値割れを回避する内は遅行スパン好転中の高値試し優先とし、12日夜安値割れからは下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は10日未明から指数のピークが切り下がっているが、40ポイント台を維持して底固さを見せているので、60ポイント超えからは上昇継続とみて70ポイント前後への上昇を想定し、40ポイント割れからは下落期入りとして20ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.34円を下値支持線、4.38円を上値抵抗線とする。
(2)4.34円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.38円超えからは4.39円、4.40円を順次試す上昇を想定する。4.40円前後は反落警戒とするが、4.36円以上で週を終える場合は週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.34円割れからは4.32円前後への下落を想定する。4.32円前後は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.31円前後へ下値目途を引き下げ、4.34円以下で週を終える場合は週明けも続落しやすいとみる。

【当面の主な予定】

12月16日
 17:00 11月 財政収支 (10月 −1862.7億リラ)
12月19日
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 950.1億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 グロス 12月13日時点 (12月6日時点 650.7億ドル)
12月20日
 16:00 12月 消費者信頼感指数 (11月 79.8)
 16:00 12月 トルコ中銀ビジネスサーベイ(年末為替レート、CPI等予想値)
 23:30 11月 中央政府債務 (10月 8兆7960億リラ)


注:ポイント要約は編集部

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