ドル円が4日夜への戻り一巡で失速、トルコリラ円も円高とリラ安で反落
〇昨日のトルコ円、ドル円軟化を見て夕刻に4.29へ下落、夜に4.34まで戻した後は失速気味の推移
〇本日発表の米雇用統計、日銀12月会合へ向けた観測記事等に要注意
〇対ドル、12/5は概ね34.77から34.51の取引レンジ、本日午前に取引時間中の史上最安値更新中
〇トルコ中銀、外貨準備高はネットで昨年6月以降の最高を更新
〇4.34超えからは4.36前後への上昇を想定
〇4.29割れからは下落継続として4.27前後への下落を想定
【概況】
トルコリラ円の12月5日は概ね4.34リラから4.29リラの取引レンジ、6日早朝の終値4.32リラで前日終値の4.33リラから0.01円の円高リラ安だった。
ドル円は韓国の戒厳令騒動で3日深夜に148.64円へ急落してから騒動終息で4日夜に151.22円まで反騰したが、戻り一巡で失速し、5日午後は中村日銀審議員が12月利上げの可能性を排除しない姿勢を示したことで149.64円へ下落し、夜にいったん150.69円まで戻してから6日早朝に150円を再び割り込む軟調な推移に入っている。
トルコリラ円はドル円の乱高下を追いかけて3日深夜安値4.28円から4日夜高値4.35円へ戻したが、ドル円の軟化を見て5日夕刻に4.29円へ下落し、5日夜に4.34円まで戻してから失速気味の推移となっている。
ドル円は4日夜高値151.22円から5日夜高値150.69円へ高値を切り下げつつ5日夕安値149.64円以降は安値更新を回避して60分足レベルの三角持ち合いを形成している。今夜の米雇用統計等をきっかけとして持ち合い上放れに入れば152円台を目指して上昇が勢い付きトルコリラ円を押し上げる可能性があるが、5日夕安値を割り込んで持ち合い下放れに入る場合は3日深夜安値148.64円割れを試しに向かい、トルコリラ円も3日深夜安値4.28円割れへ向かうと思われる。
トルコリラ円としては米雇用統計や、日銀12月会合へ向けた観測記事等に注意しつつ、ドル円を追いかける展開だが、11月15日早朝高値からの下落を11月19日までを一段目とし、11月20日夜から12月3日夜までを二段目として、4日夜への戻り一巡から三段下げの三段目に入る可能性にも注意したい。
【ドル/トルコリラは6日午前に取引時間中の史上最安値を更新中】
ドル/トルコリラの12月5日は概ね34.77リラから34.51リラの取引レンジ、6日早朝の終値は34.68リラで前日終値の34.62リラから0.06リラのドル高リラ安となった。
11月29日から12月3日へ3営業日連続で終値ベースの史上最安値を更新し、4日に34.77リラを付けて11月27日安値を超えて取引時間中の最安値を更新してからの反発で4日ぶりに上昇したが、5日に反落して一時34.77リラを付け、6日午前序盤には34.78リラへ下落して取引時間中の史上最安値を更新している。
10月末までは8月28日に付けた当時の史上最安値34.41リラを超えずにいたが、11月から最安値更新に入り、徐々にリラ安の勢いが加速している印象だ。11月15日のトルコ中銀による月次ビジネスサーベイ(エコノミストや企業トップによる市況予想調査)では2024年末の為替レートが1ドル35.7205リラと想定されており、現状の34リラ台後半の最安値更新の流れを継続して35リラ台へ進むのではないかと思われる。
【トルコ中銀、外貨準備高はネットで昨年6月以降の最高を更新】
12月5日にトルコ中銀が発表した週次外貨準備高は、11月29日時点のグロスで928.2億ドルとなり11月22日時点の907.4億ドルから増加し、ネットでは641.8億ドルとなり11月22日時点の608.8億ドルから大幅に増加した。
グロスの準備高は昨年末に975.6億ドルまで増加したところをピークとして今年5月に649.7億ドルまでいったん減少したが、その後に再び増加に転じて7月末時点で947億ドルとしてからも高水準を維持している。
ネットでは8月2日時点で514.5億ドルとして2023年6月のマイナス57億ドル以降の最高とし、その後も増加傾向を続けてきたが、11月29日時点の.641.8億ドルで公式記録のある2002年以降の最大を更新した。
トルコ中銀の金融政策正常化継続とインフレ抑制のための適切な金融引き締め姿勢の維持、外貨準備高増強が海外からの信用度向上のために重要だ。
【60分足サイクル、一目均衡表分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、12月3日深夜へ一段安してからの反騰により4日午前時点では3日午後高値4.32円超えから強気サイクル入りとし、4日夜への上昇で3日午後高値を超えたために5日午前時点では3日深夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとしてトップ形成期を4日夜から5日夜にかけての間としたが、4.30円割れからは弱気サイクル入りとした。
5日夕に4.30円をいったん割り込んでから戻したものの6日早朝へ軟調推移のため、4日夜高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして6日夜から10日深夜にかけての間への下落を想定する。強気転換は4日夜高値4.35円超えからとする。
60分足の一目均衡表では4日夜高値以降は三角持ち合いの様相のため、5日夜反発時高値4.34円超えからは一段高へ進む可能性ありとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とするが、5日夕安値4.29円割れからは下落継続とみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は4日夜の上昇時に70ポイントへ到達してから5日夕に40ポイントを割り込み、5日夜に60ポイントへ迫ってから再び40ポイントを割り込んでいるため、下落継続とみて20ポイント台への低下を想定する。強気転換は次に60ポイントを超えるところからとする。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.29円を下値支持線、4.34円を上値抵抗線とする。
(2)4.29円を上回るうちは一段高余地ありとし、4.34円超えからは4.36円前後への上昇を想定する。4.36円以上は反落警戒とするが、4.31円を上回っての推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)4.29円割れからは下落継続として4.27円前後への下落を想定する。4.27円以下は買われやすいとみるが、下げ足が速まる場合は4.25円前後へ下値目途を引き下げ、週明けの続落を想定する。
【当面の主な予定】
12月10日
16:00 10月 失業率 (9月 8.6%)
16:00 10月 鉱工業生産 前月比 (9月 1.6%)
16:00 10月 鉱工業生産 前年同月比 (9月 -2.4%)
12月11日
16:00 10月 小売売上高 前月比 (9月 2.3%)
16:00 10月 小売売上高 前年同月比 (9月 15.9%)
12月12日
16:00 10月 経常収支 (9月 +29.88億ドル)
20:30 週次 外貨準備高 12月6日時点
注:ポイント要約は編集部
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.25
東京市場のドルは157円台で推移、植田日銀総裁の余波は弱く一段の円安は回避か(24/12/25)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、植田日銀総裁の発言を受けて、やや円安ドル高に振れ一時157円50銭台まで上昇した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.25
ドル円157円台前半、主要市場のクリスマス休暇入りで市場閑散 (12/25午前)
25日午前の東京市場でドル円は小動きに終始。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.25
トルコリラ円見通し ドル/トルコリラでリラが反騰、20日未明高値とダブルトップ気配(24/12/25)
トルコリラ円の12月24日は概ね4.49円から4.43円の取引レンジ、25日早朝の終値は4.44円で前日終値の4.46円から0.02円の円高リラ安だった。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.12.07
トルコリラ円週報:『リセッションと高インフレの二重苦で弱含み。来週も続落リスクに要警戒』(12/7朝)
トルコリラの対円相場は、今週前半にかけて、約2ヵ月ぶり安値となる4.27円(10/4以来の安値圏)まで急落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.12.05
トルコリラ円見通し 対ドルでリラは史上最安値更新だが、ドル円の反騰で4日ぶり反発(24/12/5)
トルコリラ円の12月4日は概ね4.35円から4.30円の取引レンジ、5日早朝の終値は4.33円で前日終値の4.30円から0.03円の円安リラ高だった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。