石破ショック一巡でドル円と共に反騰だが、先行き不透明感続く
〇昨日のトルコ円、ドル円追いかけ午後に4.14へ続落、10/1早朝は4.21へ切り返す
〇対ドル、9/30は概ね34.20から33.85の取引レンジ、徐々に日々の安値切り下げる
〇年末にかけて1ドル37リラ近辺へリラ安が続くとの見方が継続
〇4.21超えからは4.22、4.23を順次試す上昇を想定
〇4.18割れからは下落再開と仮定して4.16、4.15を順次試す下落を想定
【概況】
トルコリラ円の9月30日は概ね4.21円から4.14円の取引レンジ、1日早朝の終値は4.20円で先週末終値の4.16円からは0.04円の円安リラ高だった。
9月27日の自民党総裁選での石破氏勝利を「石破ショック」として日経平均が急落するとともにドル円も急落したため、トルコリラ円は27日午後高値4.29円へ一段高したところから28日早朝に4.15円へ大幅下落した。
ドル円は30日午後に141.64円へ続落して27日午後高値146.47円からの下げ幅を4.83円としたが、過剰反応に対する修正で1日未明に143.91円まで戻して急落幅の半値近くを解消している。トルコリラ円も30日午後に4.14円へ続落してから1日早朝に4.21円へ切り返して急落幅の半値をほぼ解消した。
石破ショックについては、高市氏勝利の際にアベノミクス継続と日銀利上げへのけん制が強まることへの期待が大きかったところで財政規律派で日銀の独立性尊重とする石破氏が勝利したことを悲観し過ぎた印象もあり、石破氏が日銀利上げへの慎重姿勢を示し、アベノミクス継承者とされる加藤氏を財務相に起用との方針を示したことで過剰反応が修正されている印象だ。
昨夜はパウエルFRB議長が次回FOMCでの連続大幅利下げに否定的姿勢を示したことによるドル高も影響してドル円が戻したわけだが、今週末の米雇用統計へ向けた米景況感や労働市場統計が悪化する場合は大幅利下げ継続催促によるドル安感が強まる可能性もあり、まだ先行き不透明感は払しょくしきれない印象もある。
トルコリラ円は慎重にドル円の騰落を追いかける展開で、4.22円超えからは27日午後高値への揺れ返し型上昇を継続する可能性が高まるとみるが、30日午後からのからの戻り幅に対して半値を削る反落が発生する場合は下落再開を疑う。
【ドル/トルコリラは終値最安値近辺での推移、徐々に日々の安値を切り下げる】
ドル/トルコリラの9月30日は概ね34.20リラから33.85リラの取引レンジ、1日早朝の終値は34.16リラで先週末の日足終値としての史上最安値と同値だった。
8月28日に34.41リラを付けて取引時間中の史上最安値とした後は34リラを挟んだ持ち合いを続けているが、9月16日高値33.58リラの後は徐々に日々の高安レンジを切り下げおり、終値ベースでは26日と27日に2営業日連続で史上最安値を更新して30日終値も同値水準とし、30日安値でこの間の最安値を更新している。
10月1日午前序盤は34.21リラから33.98リラのレンジで推移して9月16日以降の安値を更新し、終値ベースの最安値更新を試す流れで推移している。
トルコの金融政策正常化が継続し、高インフレに対する大幅利上げによる引き締めでの抑制、増税と緊縮財政による財政健全化、外貨準備高増強による信用拡大等が大手格付け機関の評価を上げてきたが、実体経済は低迷しており、高インフレが着実に低下傾向を示しているものの依然として高水準であり、高金利と増税による景気への圧迫感も払拭できないこと、世界景気全般が減速していることで輸出も伸びきれずに構造的貿易赤字と経常赤字からの脱却には時間がかかっているため、年末にかけて1ドル37リラ近辺へリラ安が続くとの見方が継続している。
【60分足 一目均衡表・サイクル分析】
トルコリラ円の概ね3日から5日周期の底打ちサイクルでは、9月27日午後への急伸から一転して4.16円割れへ急落したため、30日午前時点では27日午後高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとし、急落後の揺れ返しもあるため4.20円超えからは強気サイクル入りとした。
30日午後へ続落してから4.20円超えへ反騰したため、30日午後安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとして2日午後から4日午後にかけての間への上昇を想定する。ただし乱調な展開が続く可能性もあるため4.18円を割り込む場合は下落再開とみて4.16円から4.15円前後への下落を想定する。
60分足の一目均衡表では30日午後からの反騰で遅行スパンが好転して先行スパンに潜り込んでいるため遅行スパン好転中は高値試し優先とし、先行スパンを上抜くところからは上昇が勢い付く可能性もあるとみる。ただし、先行スパンを突破できないうちは反落警戒とし、遅行スパン悪化からは下落再開とみて安値試し優先とする。
60分足の相対力指数は9月30日午後に30ポイントへ低下してから60ポイント台へ反騰しているので、50ポイント以上での推移中は70ポイントを試す上昇を想定するが、50ポイント割れを弱気転換注意とし、45ポイント割れからは下落再開とみて20ポイント前後への低下を想定する。
以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、4.18円を下値支持線、4.21円を上値抵抗線とする。
(2)4.18円を上回るうちは上昇余地ありとし、4.21円超えからは4.22円、4.23円を順次試す上昇を想定する。ドル円が急伸する場合は2.24円前後へ上値目途を引き上げる。
(3)4.18円割れからは下落再開と仮定して4.16円、4.15円を順次試す下落を想定する。4.15円前後は反騰注意とするが、4.18円を下回っての推移なら2日も安値試しへ向かいやすいとみる。
【当面の主な予定】
10月1日
16:00 9月 イスタンブール製造業PMI (8月 47.8)
10月3日
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (8月 2.47%、予想 2.20%(2.00〜2.80%))
16:00 9月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (8月 51.97%、予想 48.30%(47.80〜49.10%))
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前月比 (8月 3.0%)
16:00 9月 コアCPI(食品エネルギー等除く) 前年同月比 (8月 51.6%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前月比 (8月 1.68%)
16:00 9月 PPI(生産者物価指数) 前年同月比 (8月 35.75%)
20:30 週次 外貨準備高・グロス 9月27日時点 (9月20日時点 941.1億ドル)
20:30 週次 外貨準備高・ネット 9月27日時点 (9月20日時点 517.8億ドル)
注:ポイント要約は編集部
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