23年6月以来の90円台からのリバウンド相場
【今週の豪ドル】
今週は、円が主要通貨に対して大幅高となったことから、豪ドルは2023年6月以来の90円台まで急落したが、強気なオーストラリア準備銀行(豪中銀、RBA)の姿勢が確認できたことから売り一巡後はリバウンド相場となった。
週初の5日、東京株式市場では日経平均が史上最大の下落幅を記録するなどアジア株は総じて急落。為替市場ではリスク回避の円買いが強まり、円は主要通貨に対して大幅高となったことで、豪ドルは90円15銭と90円割れ間近まで売られた。
ただ、豪中銀は、6日に開催された政策決定会合で、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートの誘導目標を6会合連続となる4.35%に据え置くと決定した。豪中銀は声明で、「インフレ率が持続的に目標レンジに近づいていると政策委員会が確信を得るまで、政策は十分に景気抑制的でなければならない」と説明。豪中銀が同時に公表した最新予測では、インフレと経済成長の見通しが引き上げられた。
ブロック豪中銀総裁は記者会見で、インフレ率の目標回帰に時間が長くかかり過ぎるリスクに言及する一方、今後6カ月について利下げはアジェンダにはなく、必要に応じて中銀は引き締めに動く用意があると発言。年内の利下げに否定的見解を示した。
豪中銀及びブロック豪中銀総裁が「タカ派」姿勢を維持したことで、市場を中心に過度な警戒感は後退。豪ドルはリバウンド優勢の地合いとなり、97円台まで値を戻した。
豪ドル・円(東京時間:8月5日―8月9日(終値は9時台終値を参照))
※Investing.comの日足を参照
始値: 95円48銭
高値: 97円45銭
安値: 90円15銭
終値: 97円11銭
【今週と来週の重要指標】※時間は東京時間
8月6日
13時30分、8月中銀政策金利、前回:4.35%、市場予想:4.35%、結果:4.35%
8月13日
10時30分、第2四半期賃金指数、前回:0.8%
10時30分、第2四半期賃金指数、前回:4.1%
8月15日
10時30分、7月雇用者数、前回:5.02万人
10時30分、7月失業率、前回:4.1%
※予定は変更することがございます。
【今週末から来週の見通し】
今週末から来週の豪ドルは、ボラタイルな円を横目に引き続きリバウンド優勢の地合いとなりそうだ。
ブロック豪中銀総裁は6日の記者会見後も積極的に発信しており、8日、「インフレはたしかに1年前よりは低下しているが、依然として高すぎる。需要の伸びが今後1年間で加速し、インフレが長期にわたって高止まりすることを懸念している。インフレが2025年末までに中銀目標の範囲内2-3%に戻るとは予想していない。そのため、6日の理事会では、さらなる利上げが必要かを検討した」と明かした。
積極的な「タカ派」発言の真意は明らかとなっていないが、7月11日からわずか1カ月弱で19円56銭も急落した自国通貨の防衛と考えられる。豪中銀が明確な姿勢を示していることは、「タカ派」なのか「ハト派」なのか方向感が不透明な日銀とは大きな違いだ。不安定な円を睨んだ展開ではあるが、利下げで動いているドルやユーロ、ポンドと比較すると豪ドルは強い動きを維持するだろう。
日足の一目均衡表では、5日に長い下影を残した後は陽線連発で転換線が位置する96円水準を上回った。足元の急落幅(19円56銭)の38.2%戻しの水準が97円62銭であることから、この水準を上回ると反発基調がより強まろう。200日移動平均線が位置する99円90銭水準を意識した展開に期待したい。
豪ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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