27日のトルコ中銀会合に注目、上放れを試す展開か
【先週のトルコリラ】
先週のトルコリラは、17日−19日犠牲祭(クルバン・バイラム)に伴う休場だったことから、週を通して方向感に乏しい展開となった。
20日、シムシェキ財務大臣が「トルコは持続的で強力なディスインフレの瀬戸際にいる」「来年のインフレ率は10%台半ばになり、その後は一桁台になる可能性」と発言。「ハト派」発言を受けて、追加利上げ観測がやや後退したこともあり、トルコリラは4.9円手前でのもみ合いが続いた。
来週27日にトルコ中央銀行(トルコ中銀)の金融政策決定会合開催を控えていることも様子見姿勢を強める要因となった。積極的な売買は手控えられ、4.8円を挟んだもみ合いに。
トルコリラ・円(東京時間:6月17日―6月21日)※Investing.comの日足を参照
始値:4.8091円
高値:4.8837円
安値:4.7869円
終値:4.8615円
【先週と今週の重要指標】※時間は東京時間
6月20日
16時00分、6月消費者信頼感、前回:80.5、結果:78.30
6月24日
16時00分、6月設備稼働率、前回:76.3%
6月27日
20時00分、トルコ中銀政策金利、前回:50.00%、市場予想:50.00%
※予定は変更することがございます。
【今週の見通し】
今週のトルコリラは、トルコ中銀会合の結果に注目が集まる。市場コンセンサスでは、政策金利(一週間物レポ金利)は50.00%の据え置きとなっているが、高い消費者物価指数(CPI)を受けて追加利上げ実施の思惑は根強い。
前回のトルコ中銀会合では、2024年第1四半期に比べて国内需要は減速しているとしながらも、サービスインフレの上昇と硬直性、インフレ期待、地政学リスク、食品価格がインフレ圧力を持続させているとした。声明では、前月同様、金融引き締め効果がタイムラグを伴う点を考慮し、金融政策委員会は、インフレの低下基調傾向を確実なものとするため現状維持を決定したとし、物価安定に向けた金融引き締めプロセスを継続させることを明記した。
トルコの4月CPIは前年比69.8%、5月は同75.45%と伸び率は加速し、市場予想も上回った。シムシェキ財務大臣はXにて「最悪期は脱し、我々はディスインフレ期に入る」と発言したが、5月CPI発表後のトルコリラは方向感を失っており、インフレ見通しを見極めたいとするムードが強まっている。
テクニカル面は、日足の一目均衡表の雲上限や50日移動平均線、100日移動平均線がサポートラインとなり、雲上限の上を推移している。4.9円水準での上値の重さは引き続き意識されているが、3月13日の史上最安値4.5227円から下値をじりじりと切り上げており下値不安は乏しい。27日のトルコ中銀会合の結果、根強いインフレ見通しが示された際、追加利上げ観測を背景にトルコリラが買われる可能性はある。
一方、根強いインフレ見通しが示されたにも関わらず、シムシェキ財務大臣が引き続きハト派な発言を続けた際、トルコ中銀と財務大臣の微妙なズレが意識されて、トルコリラの上値の重い地合いは続くだろう。
トルコリラ円日足
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