シカゴポジション(CME)386
シカゴ先物市場における、いわば投機筋と呼ばれる市場参加者の建て玉で、ロングとショートの差し引きで現在どの様なポジションに傾いているのかを判断するものです。
主要通貨ポジション(単位:枚)
(2023年5月16日現在の数値)
ロング/ショートは左側通貨から見たもの。
ネットポジションで▼数値は左側通貨がショート、+数値は左側通貨がロングを表しています。
通貨単位(1枚当たり):豪ドル/米ドル=100,000豪ドル、NZドル/米ドル=100,000NZドル
先週締日までの4通貨は、NZドルを除き、従来のシカゴの相場観通りにポジションを積み上げました。締日までの1週間の相場はほぼ米ドル全面高になりました。豪ドルは目安となる5万枚を回復して豪ドル先安観を強め、ユーロも押し目でロングを積み増しています。円はやや腰を引き気味のロング積み増しで、まだ強いドル高(例えば140円台を大きく越える)の相場観は持っていないと思われます。NZドルは様子見に徹しています。
まずは豪ドルですが、豪ドルショートを3週連続で積み増しました。昨年11月15日の締日(▼33,690枚)以降の終値では3月7日の0.6582が底値で、かつ高値は1月下旬に0.7158まであり、この半年間で戻り売りをしたり、ポジション調整をしながら、我慢してショートを維持しているので、相場観として0.65台は通過点と思います。豪ドルショートキープには苦労している様子なので、手仕舞いしてくる可能性もあり得ますので、今後0.65抜けトライがあった場合のシカゴポジションは要注意になります。
NZドルは押し目で利益確定の買い戻しとなりました。NZドルに対しては前々週の締日で総枚数を増加させていましたが、両サイドの手仕舞いとなっています。0.61台の壁を破るNZドル安相場観を放棄したようで、次の一手待ちになりました。また、NZドルからみると、豪ドルも手仕舞いする可能性が出ています。
円は相場水準が4月25日締日終値で133円76銭、2週間後の5月9日が同135円23銭、5月16日が136円39銭でしたので、順調にドル高となっていますが、ネットポジションは4月25日締日の▼68,744枚よりも減少しており、先週同様140円狙いとはみえない状況です。
ユーロは長い間のレンジ1.09〜1.11を下抜けてからもロングを積み増しているので、押し目買いをしています。先週の締日以降も1.0760まで下押ししているので、ここでもユーロ買いしていれば、かなりのユーロ先高観を持っていると思います。ユーロはポジションをひっくり返したのが、昨年10月18日週締日で、締日前のユーロは0.9633〜0.9876レンジ、締日終値は0.9858でした。約7ヶ月経過してもその水準以下でロングを保有していることになります。
シカゴNZドルポジションと締日終値のチャート
シカゴはネットで2,000枚のショートとなり、ほぼスクエアに近くなっています。@総枚数増で動き始めになるか、A総枚数39,000枚は今年に入り最大で、その後はポジション調整の流れ、のどちらかでAの可能性が高いとしましたが、結果はAになりました。シカゴはNZドルの一段安はみておらず、様子見になっています。
下図のチャートを見ると、黒のNZドル安トレンドラインが0.5640〜0.6360にあり、先々週締日終値で黒のライン上限で綺麗に止まり、先週締日で小反落しています。赤のサポートラインは0.6160付近にあり、シカゴの終値ベースでは0.6160〜0.6360レンジでの収斂になっています。流れはNZドル安ですが、万一0.6360を越えて終われば、短期的な流れが変わってくることになります。まずは明日の締日終値をみます。
さて実際の相場は、先週「….6380の抵抗線で上値を止められてから大きく反落し、先週金曜日の終値は0.6189でしたので、現状は0.6200〜10サポートも切れ掛けています。流れはトレンドライン下限の0.6130狙いになっています。もしこのサポートを切れると0.6100、0.6080、0.6050〜60の順にあり(中略)。上値は0.6230〜40、0.6280、0.6340に抵抗線があり、最後を越えると一段上を狙える動きになります」としましたが、底値は0.6181までで、日足の終値では0.6200サポートを守り切りました。
上値は0.6307までで、一段高を狙える0.6340の抵抗線は越えることが出来ていません。中長期の流れはNZドル安が継続していますが、現状は2月9日、同14日、5月11日高値を結んだ抵抗線が0.6385、下値は3月8日、4月26日の底値を結んだサポートが0.6130にあり、このレンジ(0.6130〜0.6385)で保合いとみておいた方が良さそうです。上値は0.6320〜30に抵抗線、下限は0.6195〜0.6200にサポートあるので、抜けた場合にレンジの上下限を狙う形です。ほぼ終値ベースの0.6160〜0.6360レンジにも近いものとなっています。
(1NZドル=0.6289米ドル、5月22日13:30)
(ご参考)直近から過去60回分を掲載したチャートにしたものです。
棒グラフ(青)はネットポジション(左目盛)
折れ線(オレンジ)は締日のNY終値(右目盛)になっています。
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.05
東京市場のドルは149円台で推移、中村審議委員の発言で円買い強まるか(24/12/5)
東京時間のドル・円は、日本銀行の中村豊明審議委員が、「利上げに反対しているわけではない」と発言したことで利上げ実施観測が高まり、149円70銭台まで下落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.12.05
ドル円 日米金融政策めぐり右往左往、値動き荒い(12/5夕)
東京市場は弱含み。前日NYでは再び151円台までドル高が進行していたが続かず、149円台まで押し戻されている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.05
ドル円、底堅さも感じられる中150.50を挟んでの動き (12/5午前)
5日午前の東京市場でドル円は150円台半ばでのもみ合い。
-
ニュージーランドドル(NZD)の記事
Edited by:川合 美智子
2023.05.19
ニュージーランドドル週報(2023年5月第3週)
NZドルは対米ドルで弱含み、対円では上値トライの動きが強まっています。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。