トルコリラ円見通し 6.91円を中心とした持ち合いでFOMCへ向かう(23/2/1)

トルコリラ円の1月31日は6.94円から6.89円の取引レンジ、2月1日早朝の終値は6.91円で前日終値の6.94円からは0.03円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 6.91円を中心とした持ち合いでFOMCへ向かう(23/2/1)

トルコリラ円見通し 6.91円を中心とした持ち合いでFOMCへ向かう

〇トルコリラ円、1/31は6.94円ー6.89の取引レンジ、2/1早朝終値は6.91前日終値から0.03円高リラ安
〇ドル/トルコリラの1/31は18.83ー18.74の取引レンジ、18.81リラを中心とした揉み合いでの推移
〇12月の貿易収支は97億ドルの赤字、リラ安による輸入拡大が赤字からの脱却を阻害
〇海外観光客入国数はパンデミック前の水準を回復しさらに伸び、2022年観光収入は大幅に増加
〇6.89を下値支持線、6.93を上値抵抗線、FOMC等で下げ足が速まる場合は6.80円台序盤が下値目途
〇6.93ー6.93にかけては戻り売りにつかまりやすいとみるが、急伸の場合は6.98円前後が上値目途

【概況】

トルコリラ円の1月31日は6.94円から6.89円の取引レンジ、2月1日早朝の終値は6.91円で前日終値の6.94円からは0.03円の円高リラ安だった。
1月18日の日銀金融政策現状維持をきっかけとしたドル円の乱高下が落ち着き、ドル円が130円を中心とした持ち合いで推移する中、トルコリラ円も1月18日高値7.00円から1月19日安値6.79円へ急落した後はこの高安レンジ内での推移を続けている。

1月31日は米経済指標が総じて冴えない内容だったことで深夜にかけてドル安となり、ドル円は129.73円へ下げたものの130円台序盤へ戻し、130円を中心としたレンジ縮小型の持ち合いを継続したが、トルコリラ円も1月31日早朝高値6.95円から深夜安値6.89円まで下げてから6.93円まで戻し、2月1日午前序盤にかけては6.90円以上を維持している。
2月1日夜の米ADP民間雇用統計、ISM製造業景況指数、2月2日未明のFOMC政策金利発表と議長会見、2月2日夜の英中銀とECBによる利上げ発表、2月3日夜の米雇用統計と重要イベントが続くが、FOMCをきっかけとしてドル円と共にトルコリラ円は1月18日の乱高下以降の持ち合い放れを試すと思われる。

【対ドルでは18.81リラ中心での推移】

ドル/トルコリラの1月31日は18.83リラから18.74リラの取引レンジ、2月1日早朝の終値は18.81リラで前日終値の18.79リラからは0.02リラのドル高リラ安だった。
1月31日夕刻から夜にかけてはFOMCを控えたポジション調整と株安によりドル高優勢の動きとなったが、31日夜の米雇用コスト指数や消費者信頼感指数及びシカゴPMI等が予想を下回ったことをきっかけにドル安へ風向きを変え、NYダウが反騰してリスクオン優勢となったが、ユーロドルと豪ドルが勢いよく反騰したもののポンドドルは軟調な展開から抜け出せず、ドル円は130円を挟んだ揉み合いの範囲で小動きというようにややまちまちの動きだった。
ドル/トルコリラは1ドル18.81リラを中心とした揉み合いでの推移となり、一時的に18.70リラ台への上昇も見られたが早々に18.80リラ台へと押し返されている。
手元のデータでは1月30日午前に18.85リラが取引時間中の史上最安値、終値ベースでは1月24日終値18.82リラが最安値であり、最安値更新を日々試している状況だ。

【リラ安により輸入急増、観光収入は拡大】

【リラ安により輸入急増、観光収入は拡大】

1月31日にトルコ統計局が発表した12月の貿易収支は97億ドルの赤字だった。構造的な貿易赤字国だが、世界規模のインフレとリラ安による輸入額急増で昨年8月には112.5億ドルの赤字となり赤字額は過去最大となった。その後も9月の91.6億ドル、10月の78.8億ドル、11月の87.7億ドルと高水準の赤字が続いている。
12月の輸出は季節調整前で229億ドル、輸入は同326億ドル、季節調整後では輸出が221億ドルで前月から6.0%増、輸入が314.億ドルで4.3%増だったが、リラ安による輸入拡大が赤字からの脱却を阻害している状況だ。

一方で12月の海外観光客入国数は239.9万人となり2021年12月の189.3万人からは26.79%増となった。トルコの観光シーズン最盛期は6月から10月までであり、今年7月は664.5万人で2021年7月の436.1万人を大幅に上回り2020年のパンデミック発生前となる2019年7月の661.7万人を超えて正常に戻ったが、2022年12月も2019年12月の214.8万人を超えており、パンデミック前の水準を回復してさらに伸びてきている印象だ。
2022年10-12月期の観光収入は113.7億ドルとなり2021年10-12月期の93.1億ドルを上回ったが、通年では2021年の301.7億ドルに対して2022年は462.8億ドルへと大幅に増加した。ただし、貿易収支の赤字も大きく経常収支改善には至らずにいる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月26日午後安値をサイクルボトムとした強気サイクル入りとし、1月30日午後への下落では1月26日午後安値割れを回避して26日深夜高値を上抜いたために1月31日午前時点では1月26日午後安値を起点とした強気サイクルの継続とし、6.90円割れからは弱気サイクル入りとした。
1月31日夜の下落時に6.90円をわずかに割り込み、その後の反発も鈍く再び6.90円割れへの余裕が乏しいため、1月31日早朝高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとする。ボトム形成期は1月31日夜から2月2日午後にかけての間と想定されるので既に反騰注意期であるが、1月30日午後安値を基準としてボトム形成期が2月2日午後から6日午後にかけての間へ延びる可能性もあると注意する。強気サイクル入りは1月31日早朝高値超えからとし、その際は2月3日早朝から7日朝にかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では1月31日深夜への下落で遅行スパンが悪化し、先行スパンからも転落し始めているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とするが、両スパンそろって好転するところからは上昇再開とみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。

60分足の相対力指数は40ポイント近辺へ低下しているので50ポイントを下回るうちは20ポイント台への低下を想定する。強気転換は55ポイント超えからとし、その際は70ポイントを目指す上昇を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.89円を下値支持線、6.93円を上値抵抗線とする。
(2)6.93円以下での推移中は下向きとし、6.89円割れからは6.85円前後への下落を想定する。6.85円前後は買い戻しも入りやすいとみるが、FOMC等により下げ足が速まる場合は6.80円台序盤(6.82円から6.80円)へ下値目途を引き下げる。
(3)6.93円から6.93円にかけての水準は戻り売りにつかまりやすいとみるが、FOMC等をきっかけに急伸する場合は6.98円前後へ上値目途を引き上げる。

【当面の主な予定】

2月1日
 16:00 1月 イスタンブール製造業PMI (12月 48.1)
2月2日
 20:30 週次 外貨準備高 1/27時点 グロス (1/20時点 791.5億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1/27時点 ネット (1/20時点 267.1億ドル)
2月3日
 16:00 1月 消費者物価指数 前月比 (12月 1.18%、予想 3.80%)
 16:00 1月 消費者物価指数 前年同月比 (12月 64.27%、予想 53.5%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前月比 (12月 1.9%)
 16:00 1月 消費者物価コア指数 前年同月比 (12月 51.9%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前月比 (12月 -0.24%)
 16:00 1月 生産者物価指数 前年同月比 (12月 97.72%)

注:ポイント要約は編集部

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