ユーロ 今週が反転下落のタイミングか(週報1月第5週)

先週のユーロドルは、前週の119pipsから更に値幅を狭め週間レンジがわずか93pipsと完全に蚊帳の外状態となりました。

ユーロ 今週が反転下落のタイミングか(週報1月第5週)

今週が反転下落のタイミングか

〇先週のユーロ、週間レンジ93pipsの小動きに留まる、金融政策イベントが続く前の様子見か
〇ECB関係者からはタカ派発言出るが、値動きには影響せず
〇来月2日ECB理事会および英中銀MPC、ともに0.5%利上げがコンセンサス
〇3月会合での利上げ幅縮小が議論され、ユーロ売りに繋がる可能性も
〇先立つ米FOMC/パウエル議長会見を注視、ドル売り先行、高いユーロドル水準で理事会迎える場合も
〇今週は1.0725レベルをサポートに、1.0925レベルをレジスタンスとする週とみる

今週の週間見通しと予想レンジ

先週のユーロドルは、前週の119pipsから更に値幅を狭め週間レンジがわずか93pipsと完全に蚊帳の外状態となりました。ただ、今年に入ってから4週連続で値幅を狭めついに100pipsをも割り込んできたことや、今週はFOMCのあとに英中銀MPC、ECB理事会と金融政策イベントも続くことから嵐の前の静けさという可能性も十分にあるでしょう。

先週も今週の金融政策イベントに関連して特にECB関係者からはタカ派な発言が目立ちましたが、欧州のインフレも現時点ではまだ高いものの物の価格や輸送コストの低下などから、今後は米国のように着実に低下していくであろうことは間違いありません。2日のECB理事会では0.5%の利上げが行われたとしても、3月会合で利上げ幅の縮小といった議論が出る可能性は否定できず、そのようなヘッドラインが出てくるとユーロ売りに繋がるのではないかと考えられます。

ただ前日のFOMCがハト派的で3月での利上げ打ち止めであるとか、あるいは次回以降は数字を見て現状維持もあり得るといった類の発言が出てくると前日にドル売りが先行し、ユーロドルの水準が高いところでECB理事会を迎える可能性もあり、まずはFOMCの結果とパウエル議長会見を見てからということにはなります。12月の日銀会合以降は日銀の動向ばかりが気にされてきましたが、さすがに今週は米国と欧州に目が向かうことになるでしょう。

そしてFOMCよりも前、本日と明日31日はロンドンフィキシングにおけるユーロの実需動向も気になりますが、多少売買が傾いていたとしてもFOMC、ECB理事会と続くことを考えると、それに乗っての短期筋の投機的な動きは出にくいのではないかと考えられます。また2日はECB理事会に先立って英中銀MPCもあり、こちらも0.5%の利上げがコンセンサスですが、議事要旨には念の為注意が必要でしょう。

テクニカルにはどうでしょうか。日足チャートを見てみましょう。

今週が反転下落のタイミングか

これまで同様に11月中旬以降は上側2本の平行ラインの中での上昇を継続していますが、2021年高値と2022年安値との半値戻し1.0941(赤の水平線)で上値を抑えられていることから、先週と同じ見方ですがそろそろ反落しても水準的にも時期的にも良いタイミングと考えられます。

金融政策イベントで一時的な振れから上ヒゲでのレジスタンスライントライはあるかもしれませんが、その程度で最終的には上値は重くなるという見通しです。今週は1.0725レベルをサポートに、1.0925レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。

今週のコラム

今週は英中銀MPCもありますのでポンドドルの日足チャートを見ておきましょう。

今週が反転下落のタイミングか 2枚目の画像

ドル円、ユーロドルが2021年のドル安値と2022年のドル高値の半値が直近の重要なポイントとなっているように、ポンドドルでは2021年高値と2022年安値の61.8%戻しとなる1.2453で上値を抑えられています。各通貨ともそれぞれの材料はあるものの、現在はテクニカルに重要な水準に差し掛かっていることが動きに影響を与えやすいと言えます。

今週の予定

今週注目される経済指標と予定はドル円週報に示してあるものと共通です。ドル円週報の「今週の予定」をご参照下さい。なお、その中でユーロの値動きに特に影響が出ると考えられる予定は以下のものです。重要な予定として注意しておきましょう。特に重要度の高いイベントに☆印を付けました。

1月30日(月)
18:00 ドイツ10〜12月期GDP速報値 ☆
19:00 ユーロ圏1月消費者信頼感
22:15 フランス中銀総裁講演 ☆

1月31日(火)
15:30 フランス10〜12月期GDP速報値 ☆
16:00 ドイツ12月小売売上高、輸入物価
16:45 フランス1月CPI速報値 ☆
16:45 フランス12月PPI
17:55 ドイツ1月失業率
19:00 ユーロ圏10〜12月期GDP速報値 ☆
22:00 ドイツ1月CPI速報値 ☆

2月1日(水)
17:50 フランス1月製造業PMI
17:55 ドイツ1月製造業PMI
18:00 ユーロ圏1月製造業PMI
18:30 英国1月製造業PMI
19:00 ユーロ圏1月CPI速報値 ☆
19:00 ユーロ圏12月失業率
28:00 FOMC結果発表 ☆
28:30 パウエルFRB議長会見 ☆

2月2日(木)
16:00 ドイツ12月貿易収支
21:00 英中銀MPC結果発表 ☆、議事要旨公表
22:15 ECB理事会結果発表 ☆
22:45 ラガルドECB総裁講演 ☆

2月3日(金)
16:45 フランス12月鉱工業生産
17:50 フランス1月サービス業PMI
17:55 ドイツ1月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏1月サービス業PMI
18:30 英国1月サービス業PMI
19:00 ユーロ圏12月PPI ☆
22:30 米国12月雇用統計 ☆
**:** EU・ウクライナサミット

前週のユーロレンジ

前週のユーロレンジ

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時〜NY午後5時のインターバンクレート。

先週の概況

1月23日(月)
ユーロドルは東京市場ではユーロ円でも円売りが強かったことからじり高の展開となっていましたが、海外市場では米金利高によりユーロドルは水準を下げ、1.08台半ばへと下押し後、もみあいのまま引けました。ECB関係者のタカ派発言が出てはいたものの、値動きには影響していませんでした。

1月24日(火)
ユーロドルはドル円と同様に米金利の動きに沿った展開となりNY前場のPMI発表後には1.09手前から1.08台前半まで下げましたが、1日のレンジは63pipsに留まり方向感がはっきりしない動きでした。欧州時間の主要国PMIは各国でまちまち、ECB関係者の発言もタカ派ハト派がミックスしていたことから、どちらもあまり材料となりませんでした。

1月25日(水)
ユーロドルは東京市場から欧州市場前場まではユーロが対ドル対円ともに上昇後に下落という動きになりましたが、その後は再び上昇しNY市場では1.09台乗せを見ました。ユーロ買いの材料としてはECB理事会では0.5%利上げが見込まれることや、ECB関係者のタカ派発言が影響していましたが、使い古されてきたシナリオ感でもあり、イベントを前にした実需の動きが出ていた可能性もありそうでした。

1月26日(木)
ユーロドルは前日NYの流れを受けて東京市場では高値圏でのもみあいを続け一時1.0929レベルの高値をつけました。しかし海外市場に移ってからは米金利上昇による全般的なドル買いの動きからユーロドルも水準を下げ1.08台半ばまで押した後に1.09近くに戻して引けました。

1月27日(金)
ユーロドルは上値が重たい動きを続け、欧州市場までは米金利上昇もユーロ売り材料となっていました。その後米金利は下げに転じたものの、月末に向けて実需のユーロ売りが出ていた様子でNY昼前には1.0838レベルの安値をつけました。しかし一日のレンジは63pips止まりで大きな動きは見られませんでした。

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