トルコリラ円見通し 1ドル17リラを再突破でリラ安加速、ドル円上値も重くトルコリラ円に売り圧力(22/7/6)

トルコリラ円の7月5日は8.12円から7.97円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.97円で前日終値の8.06円からは0.09円の円高リラ安だった。

トルコリラ円見通し 1ドル17リラを再突破でリラ安加速、ドル円上値も重くトルコリラ円に売り圧力(22/7/6)

1ドル17リラを再突破でリラ安加速、ドル円上値も重くトルコリラ円に売り圧力

〇トルコリラ円、7/5夜安値7.96へ大幅下落、ユーロ暴落でリラ安とドル円失速が重なる
〇対ドル、ユーロドル暴落によるドル全面高が波及、安値17.07まで急落
〇外資保有規制報道によるリラ買戻し一巡後、安値切り下げる展開、再び17リラ超えてリラ安加速
〇リセッション入りを意識した動き、リラ売り圧力増しやすい状況に
〇8.00から8.03前後にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる
〇7.95割れからは7.90前後への下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の7月5日は8.12円から7.97円の取引レンジ、6日早朝の終値は7.97円で前日終値の8.06円からは0.09円の円高リラ安だった。
ドル円の上昇と6月24日に突如発表された外貨保有企業への融資規制報道により6月27日高値8.37円へ上昇して6月16日安値7.59円以降の高値を更新したが、融資規制報道によるリラ買い一巡とドル円が137円到達後に下落したために戻り一巡となり6月30日から7月4日にかけて4営業日続落していた。
7月5日はドル円が136円台序盤へ持ち直したところでこの日の高値となる8.12円まで戻していたが、ドル円の戻りが鈍ったことで8.10円を割り込み、夕刻にユーロが暴落的な急落商状に陥ったことでポンド、豪ドル、南アランド等も総じて急落したためにトルコリラも対ドルで1ドル17リラを超える急落へ進み、ドル円もリスク回避で失速したために5日夜安値で7.96円へ大幅下落となった。5日深夜に8.02円までいったん戻したものの6日午前序盤には5日夜安値を割り込み始めている。
ドル円の頭打ち感とドルストレートでのドル全面高の様相により、トルコリラ円はリラ安と円高が重なる展開で下げ足を速める可能性もあるところと注意したい。

【1ドル17リラを再び超えてリラ安が加速】

ドル/トルコリラの7月5日は17.07リラから16.77リラの取引レンジ、6日早朝の終値は16.96リラで前日終値の16.80リラからは0.16リラのドル高リラ安となった。
6月24日夜の外貨保有制限を超えた企業に対するリラ建て融資禁止報道から6月27日高値へ急騰したが、この報道に対する狼狽的な外貨売りとリラの買い戻しが一巡してからはファンダメンタルズの弱さを背景としたリラ安基調が再開して徐々に安値を切り下げてきたが、7月5日夕刻からユーロドルが急落したことをきっかけにドル全面高となり、株安と景気後退懸念で国際商品も全面安となりポンドや豪ドルのほか、新興国通貨も売られたために1ドル17リラを超える急落となった。

【ドル全面高、リセッションを意識した新興国通貨売り】

7月5日夕刻からのドル全面高はユーロドルの急落をきっかけにポンド安、豪ドル安、南アランド安等へと連鎖した。欧米の金融引き締めによるリセッション入りへの懸念が強まる中、5日午後から相次いで発表された欧州主要国の景況感が軒並み悪化、ロシア産天然ガスの欧州向け供給不安が拡大、中国の感染再拡大報道等から欧州市場は株安債券高・欧州長期債利回り大幅低下となり、ユーロには売りが集中して1ユーロ1.030ドルを割り込み2017年1月底を下抜けて2002年12月以来の安値水準まで急落した。ポンドや豪ドルも昨年来の安値を更新、ドル高株安によりドル建て国際商品も全面安となりコモディティ通貨も大幅下落した。
ドル全面高がトルコリラにも波及して1ドル16.85リラを超えたところからリラ売りの連鎖となる一方、ドル円も米長期債利回りが低下したこととリスク回避的な手仕舞い売りが優勢となったために失速した。

トルコリラ円としては6月16日安値で概ね3か月から4か月周期の底打ちサイクルにおける底値をつけて反騰入りしてきたが、6月27日高値で当面のピークをつけて下落期に入ってきた可能性も懸念される。
ユーロ等の急落し過ぎに対する揺れ返しや、NYダウが一時700ドル安を超える大幅下落だったところから反騰していることなどを踏まえれば6日の日中から夜にかけてはまだ乱調な展開でリバウンドを試すことも考えられるが、金融市場全般がリセッション入りを意識してリスク回避的な動きを優先し始めたことで、新興国通貨や株式からの投機マネーの流出も進む可能性が高まり、トルコリラにとっても外貨保有規制以上のリラ売り圧力が増しやすい状況に入ってきたのではないかと思われる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、6月30日夜に6月29日午前安値を割り込んだために7月1日午前時点では底割れによる弱気サイクル入りとしていたが、7月4日午前と夜に8.04円の安値をつけてから戻したために7月5日午前時点では7月4日夜安値を直近のサイクルボトムとした強気サイクル入りとした。またサイクルトップ形成期は5日午前から7日午前にかけての間と想定されるので既に反落注意期にあると注意し、8.04円割れからは弱気サイクル入りとした。
7月5日夕刻からの急落で8.04円を割り込んでさらに8円割れへ続落したため、5日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクルとして7日夜から11日夜にかけての間への下落を想定する。強気転換には8.05円を超えるような反騰が必要と思われ、6日夜から7日にかけては安値試しが続きやすい局面と考える。

60分足の一目均衡表では、7月5日午後からの急落で遅行スパンが悪化、先行スパンへいったん潜り込んだところから転落しているので遅行スパン悪化中は安値試し優先とする、強気転換には先行スパンを上抜き返す反騰が必要とみて、先行スパンからの転落が続くうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。

60分足の相対力指数は7月5日午前に60ポイント台へ上昇したもののその後の反落で30ポイントをいったん割り込み、50ポイント以下での推移が続いているのでまだ一段安余地ありとみる。強気転換には50ポイント超えから続伸するような反騰が必要と思われる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7.95円を下値支持線、8.03円を上値抵抗線とする。
(2)8.00円から8.03円前後にかけてのゾーンは戻り売りにつかまりやすいとみる。
(3)7.95円割れからは7.90円前後への下落を想定する。7.90円前後は反発注意とするが、8円以下での推移中は7日も安値試しへ向かいやすいとみる。また下げ足が早まる場合は7.80円台後半(7.89円から7.85円)へ下値目途を引き下げる。

【当面の主な予定】

7月7日
 20:30 週次 外貨準備高 7/1時点 グロス (6/24時点 603.4億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 7/1時点 ネット (6/24時点 75.3億ドル)
 23:30 6月 財務省現金残 (5月 1492.3億リラ)
7月8日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -27.4億ドル)
7月13日
 16:00 5月 失業率 (4月 11.3%)

注:ポイント要約は編集部

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