ラガルドECB総裁のスピーチ
昨日、欧州議会の経済通貨委員会の公聴会でECBラガルド総裁のスピーチがあり、ECBの利上げに関しての内容がありました。次回ECB会合は7月21日木曜日に予定されていますが、以下内容に沿った利上げが実施される模様です。
「スピーチの一部抜粋」
(ユーロ圏経済見通し)
(前略)
ユーロスタッフによるベースラインのインフレ予想は著しく上方修正された。これらの予測ではインフレが暫くの間、望ましくないほど高いままである。彼らは2022年の年率インフレが6.8%になると予想している。その後、2023年に3.5%、2024年に2.1%に下がると予想している。これは予想期間終了時に総合インフレが我々目標よりも少し上回ると予測されることを意味する。
(ECBの金融政策)
我々の目標をはるかに上回る数値である現況のインフレ環境下は、明らかに課題を提起している。6月8日・9日の会合で、運営審議会はインフレを中期目標である2%に回帰させるために揺るぎない使命を表明した所以である。これを念頭におき、私が概要した直近の査定に基づき、我々は金融政策の正常化に向けて更なる措置を採ることを決定した。
まず第1に、我々は2022年7月1日付けで、債券購入プログラム(APP)下での純資産購入の終了を決定した。
第2に、運営審議会がフォワードガイダンス下での条件が満たされたとの結論により、主要ECB金利を7月金融政策会合で25ベーシス引き上げる意向である。
第3に、更に先を見ると、主要ECB金利を9月にも再び引き上げる見込みである。この利上げ幅は直近の中期インフレ見通し次第である。もし中期インフレ見通しが持続したり、悪化した場合には、より大きな上げ幅が9月会合には適切になろう。
第4に、9月以降、現状の査定に基づき、我々は緩やかで持続的な更なる利上げの道のりが適切であると予想している。我々の中期2%目標への使命に沿って、金融政策を調整する道のりは入手するデータや、中期的に進展していくインフレを如何に査定するかに依存している。
(以下略)
(以上)
(注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。
上記スピーチは昨日の東京時間で22時から開催されましたが、相場にはほとんど材料視されませんでした。
来月7月21日の会合で0.25%の利上げを実施予定のECBと、その翌週27日に0.50〜0.75%の利上げを予想されているFOMCで、今後の相場は金利差の一層の拡大を材料視するのか、ECBの金利正常化第1歩を材料視するのか、今週の相場動向で見たいと思います。この際には円全面安になるか、ドル全面高になるかも焦点になりそうです。
(2022年6月21日13:00、1ユーロ=1.0532ドル)
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