トルコリラ円レポート月曜版
〇先週のトルコリラ円、レンジ下抜けは起きず予想レンジよりもかなり狭い値幅の一週間
〇対ドルでは17.25をもみあいの中心としてほとんど動き見られず
〇トルコリラ円はしばらくは緩和策を続ける日銀とトルコ中銀とで通貨の弱さを競い合う展開
〇今週の中銀会合で現状維持が決まった後7.50を下抜ける動きが始まる可能性が高い
〇今週は7.40レベルをサポートに7.90レベルをレジスタンスとやや上値が重く下抜けする動きとみる
今週は本来ですとランド円の週ですが、23日にトルコ中銀の会合もありますので、先週に続いてトルコリラ円のレポートとさせていただきます。
まず、先週の振り返りですが、「FOMCとトルコ中銀会合が終わるまでに7.50を下抜けて様子見という展開が予想され、7.40レベルをサポートに7.95レベルをレジスタンスとやや上値が重くなる一週間」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.55レベル、高値が7.84レベルと、レンジ下抜けは起きず予想レンジよりもかなり狭い値幅の一週間となりました。
先週のトルコリラは、対ドルで見ると17.25をもみあいの中心としてほとんど動きが見られませんでした。ドル円が日銀会合を前に木曜に債券先物急落で円買いに動き、日銀会合が現状維持となって買い戻された動きがそのままトルコリラ円に反映した動きで、FOMCの大幅利上げにもドルトルコリラが全く動かなかったのは意外感はありましたが、しばらくは緩和策を続ける日銀とトルコ中銀とで通貨の弱さを競い合う展開となるのでしょうか。
現在のトルコは70%を超えるCPIとなっていて、トルコ中銀が緩和に転換してからインフレ率の上昇は急激なものとなっています。トルコ中銀は昨年8月時点では政策金利が19%で、その時のCPIは19.25%でした。9月から緩和に転じCPIは上昇に転じ、現在の14%に政策金利を下げたのが昨年12月でCPIは21.3%へと上昇していました。
その後は政策金利14%で現状維持となっていますが、CPIはみるみるうちに上昇し直近では73.5%にも跳ね上がっています。こうした状況でもエルドアン大統領は利下げと言い続けているため、中銀としては利上げしたくても現状維持が唯一の選択肢という状況で、もはや中銀としての役割を果たせていません。
今週の会合で現状維持が決まった後でいよいよ先週想定した7.50を下抜ける動きが始まる可能性が高いのではないかという見方です。
今週も週足チャートから見て行きます。
昨年末の史上最安値6.09とその後の戻り高値11.07を使って78.6%(61.8%の平方根)押しを考えると7.15となっていて、最終的に同水準を試しに行くであろうという見方は変わりませんが、今週の中銀会合後は7.50の節目を試し7.40レベルを試しに行くという流れを考えています。
いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)もご覧ください。
おそらくは中段のドルトルコリラでトルコリラ売りがトリガーとなりそうな気がするのですが、上段のトルコリラ円では中段との境目のラインが7.40となっています。上値については2週前の高値7.94レベルを超えることは無さそうですから、今週は7.40レベルをサポートに7.90レベルをレジスタンスとやや上値が重く下抜けする動きを見る週を考えておきます。
注:ポイント要約は編集部
関連記事
-
南アフリカランド(ZAR)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.07.02
南アランド週報:『エスコムによる大規模停電実施で急反落。続落リスクに要警戒』(7/2朝)
南アランドの対円相場は6/21に記録した直近高値8.60円をトップに反落に転じると、週末にかけて、約1ヵ月ぶり安値となる8.17円まで急落しました。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.07.02
トルコリラ週報:『資本規制で急伸するもすぐに反落。来週はトルコCPI・PPIに注目』(7/2朝)
トルコリラの対円相場は、週明け早々に約1カ月半ぶり高値8.42円まで急伸する場面が見られましたが、一巡後に伸び悩むと、すぐに押し返される冴えない動きとなりました
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2022.07.02
来週の為替相場見通し:『米金利急低下でもドル円の下げ幅は限定的。反発リスクに要警戒』(7/2朝)
ドル円は5/24に記録した安値126.36をボトムに切り返すと、今週半ばにかけて、約23年9ヵ月ぶり高値となる137.01まで急伸しました
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2022.06.21
トルコリラ円見通し ドル円の急反騰一服で7.80円近辺での小動き(22/6/21)
トルコリラ円の6月20日は7.81円から7.77円の取引レンジ、21日早朝終値は7.79円で先週末終値の7.79円と変わらずだった。
-
トルコリラ(TRY)の記事
Edited by:上村 和弘
2022.06.20
トルコリラ円見通し ドル円の急反騰に合わせてV字反騰だがドル高リラ安は継続中(22/6/20)
トルコリラ円の6月17日は7.82円から7.63円の取引レンジ、18日早朝の終値は7.79円で前日終値の7.64円からは0.15円の円安リラ高となった。
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。