米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)(22/6/2)

昨日(1日)、FRBからベージュブックが公表されました。

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米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)(22/6/2)

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)

昨日(1日)、FRBからベージュブックが公表されました。以下はその内容となっています。地区連銀は12地区で構成されており、報告内容期間は2022年5月23日以前までとなっています。前回と比較して、物価上昇は継続しているが、前回の報告までの成長ペースに若干陰りがでている箇所もあります。物価に関しても一部では企業の予想上昇率が下がっているとの指摘もあります。内容的には前回(4月)よりもややトーンダウンしています。昨日相場はベージュブックを材料視せず、ドルが堅調のまま推移しました。

全般的な経済活動

全12地区の連銀が前回ベージュブック以降、経済成長が続いていると報告した。過半は僅か乃至控えめな伸びとし、4地区は安定的な成長と指摘している。
4地区は成長ペースが前期よりも明らかに鈍化したと指摘している。ほとんどの地区での聞き取りでは製造業の継続的な伸びを報告している。小売業者への聞き取りでは、消費者が物価高に直面し、成長ペースが幾分軟化したと指摘している。そして、居住用住宅関連の聞き取りでは、購入者が価格高や金利高に直面し、弱くなったとみている。聞き取りでは、労働市場の困難さを最大の課題として言及する傾向がみられ、次いで供給チェーンの混乱がある。金利高、全般的なインフレ、ロシアのウクライナ侵攻、Covid-19症例(とりわけ北東部)から起きる混乱が、家計や企業計画に与える影響が主要な関心としてまとめている。8地区では、聞き取りによる将来の成長期待が減っているとし、このうち特に3地区での聞き取りで、リセッションに関する懸念を表明した。

労働市場

ほとんどの地区で、全ての地区でタイトとした労働市場の中で、雇用は控えめか緩やかに伸びたと報告している。とりわけある地区は雇用の成長ペースが鈍化したと報告している。しかし、ほとんど沿岸地区にある幾つかの企業は雇用の凍結か市場の逼迫さが緩和され始めたと報告している。しかしながら、労働者不足が多くの企業では低い稼働率を強いられ続けられているとしている。これに呼応し、企業は自動化の展開、雇用の柔軟性をより高め、賃金上昇を続けている。多くの地区で、企業は強い賃金の伸びを報告したが、その他のほとんどの地区は緩やか伸びを報告している。しかしながら、2・3の地区で、企業の賃金上昇率が横這い乃至下がっていると指摘している。更に、国の至るところの企業で、賃金が来年以降一段と上昇すると予想する一方、ある地区では企業の予定賃金上昇率が2四半期連続で下落したと報告している。

物価

ほとんどの地区での聞き取りによれば、力強い物価上昇を報告している。とりわけ仕入れコストに対し、2つの地区は急速なインフレが継続的なトレンドになっていると指摘している。しかしながら、3地区では、自分達の商品やサービスに対する物価上昇が幾分緩やかになったとみている。これは、全般的にフィラデルフィアの企業間、あるいは幾つかのセグメント(ボストンでの中古車市場やリッチモンドでの製造業)である。約半数の地区での多くの聞き取りで、価格決定力が−顧客や消費者へのコスト転嫁、多くの場合は燃料の上乗せチャージだが−、維持されていると見られている。しかしながら、半分以上の地区で、幾つかの顧客が反発している−例えば、より少量の購入やより安価なブランドでの代替−、ことに言及している。2地区の調査では、販売価格の前年比上昇が4〜5%の範囲であった。更に、ある地区では、企業の価格予想が2四半期連続で下落していると指摘している。

(各地区のハイライトは略)
 (注)本文はあくまで英文の一部を訳したものですので、和訳はあくまで便宜的なものとしてご利用頂き、適宜、英語の原文をご参照して頂きます様お願いします。(上記出所:FRB HP

下図はユーロドルの日足チャートです。2月11日高値からのラインA(=1.0800)に沿ってユーロが下落しています。下限はそこから平行に下したB(=1.0245)でユーロ安トレンドラインを形成しています。直近は5月13日底値からのC(=1.0750)でユーロ高のトレンドラインでしたが、昨日Cを割りました。昨日まではAとBのトレンドラインのほぼ上限まで戻り、再度下限方向狙いになっています。

短期的にどこまでユーロが売られる可能性があるかを見ると、昨日の底値はD(=1.0650)で止まっています。もしDを切れば次いでE(=1.0480)、F(=1.0350)、そしてトレンドライン下限のB方向になります。上値はAとBの間にG(=1.0770)がありますが、時間経過でいずれAとGは交差しますので、先にAの抵抗線がくることになります。この状況下で、万一、AとBのトレンドラインを上抜けた場合には最初にこのGの抵抗線、更にH(=1.0930)が見えてきます。いずれにせよAを上抜いて終われば、短期の流れはややユーロ堅調になり、中期ユーロ安トレンドの上値模索になります。
今週に入りドルは全面高となっていますが、今回のベージュブックを見る限り、5月上旬にドルの高値を付けた時の経済状況とはややニュアンスが変わってきています。来週9日はECBの金融政策が予定されているので、このままドル買い継続するのか、一度調整に入るかを見たいと思います。

米FRB地区連銀経済報告(ベージュブック)

(2022年6月2日12:45、1ユーロ=1.0653ドル) 

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