ドル高傾向継続だが、風向きの変化も(10/19夕)

19日の東京市場はドルが弱含み。夕方に掛けて先週末15日以来の113円台を記録するなど、いよいよ本格調整局面入りする感も見受けられた。

ドル高傾向継続だが、風向きの変化も(10/19夕)

ドル高傾向継続だが、風向きの変化も

〇本日のドル円、114.30前後で寄り付き当初は強保ち合いだったが、夕方に掛けて一時114円割れを示現
〇大きな流れに変化はないが風向きの変化感じさせる、目先については調整の色合い強まりつつあるか
〇115円台乗せを前に、しっかりとした底堅め先行となる可能性
〇本日は9月住宅着工件数発表、米英欧の中銀関係者による発言機会の予定も
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40、先週末高値でもある114円半ばが強い抵抗

<< 東京市場の動き >>

19日の東京市場はドルが弱含み。夕方に掛けて先週末15日以来の113円台を記録するなど、いよいよ本格調整局面入りする感も見受けられた。

ドル/円は114.30円前後で寄り付いたのち、当初は強保ち合い。114.25-35円といったレンジ取引をたどるなか、底割れすると夕方に掛けては一時114円割れを示現していた。そんななか、東京昼前に「北朝鮮が未詳の飛翔体を発射」−−といったニュースが伝えられたものの影響は軽微。為替だけでなく、株式市場でも大きな反応は見られず。16時現在、ドル/円は114円前後で推移し欧米市場を迎えている。
なお、ドル/円は前述したようにやや円高優勢だったが、クロスの多くは逆に円安方向への動意。たとえばNZドル/円は、再び年初来高値を一時更新する局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「中国情勢」と「新型コロナ感染状況」について。
前者は、英紙FTが報じた「中国は8月に核搭載可能な極超音速兵器の実験を行った」について、米国のウッド軍縮大使から「軍事的利用」を懸念するコメントが聞かれた反面、中国外務省は「ミサイルではなく再利用可能な宇宙船の実験」と報道内容そのものを否定していた。それとは別に、日本の防衛省は「中露軍艦10隻が同時に津軽海峡を通過した」と発表、また新華社通信は「中国が党の重要会議である『6中全会』を来月8-11日に開催する」と報じ、一部で話題に。
対して後者は、独紙ビルトが「シュパーン独保健相、11月25日にコロナ緊急事態を終了させる可能性がある」と発言したと報じるなか、ロイターは「英国でコロナ感染再拡大」としたうえで「一日当たりの感染者が7月半ば以来で最多を記録」と正反対とも言える内容を指摘していた。日本においても、感染者が目に見える形で減少。落ち着きを取り戻しつつあるものの、冬に向けた第6波の発生懸念など、まだまだ予断を許さないだろう。

<< 欧米市場の見通し >>

先週末15日の東京市場夕方に114円台を「しっかり」回復したのち、一度も割り込めなかった114円を本日東京でわずかながら下回ってきた。まだ大きな流れに変化はないが、風向きの変化を感じさせる。直近安値109.12円を起点としても5円を超える上昇をたどってきただけに、仮に調整だとしてもしっかりと下がれば1円を超える下落となっても不思議はない。短期的には、ドルの下値リスクを警戒する時間帯に入った可能性もある。
米金利動向への関心が高いという状況にいまだ変化なく、日米金利差の拡大見込みという状況を考えれば円を積極的に買い進めることはできない。ただ、目先については調整の色合いが強まりつつあることが確かで、発表される米経済指標や米地区連銀総裁たちの発言などによって、それが後押しされるか否かに注目だ。また、それとは別に原油市況の動きを警戒する声も多い。

テクニカルに見た場合、ドル/円は引き続きドル高方向への流れを維持しているものの、さすがに調整局面入りも意識され始めている。115円台乗せを前に、しっかりとした底堅めが先行することになるのかもしれない。なお、直近安値からの上昇幅が5円を超えていることから、たとえ調整であっても予想以上の深押しとなる展開には一応要注意。実際、直近安値109.12円を起点としたフィボナッチでは23.6%押しで113.20円、38.2%押しだとすると112.40円レベルを目指すことになる。

材料的に見た場合、中長期的には、日経新聞が「すくむ民需」と指摘し国内景気回復にも警鐘を鳴らした「中国情勢」のほか、前述したように英国などで感染拡大懸念が取り沙汰されている「新型コロナ関連」、「日本の政局」−−などが注視されている。
一方、本日は米経済指標として、9月の住宅着工件数などが発表されるほか、米英欧の中銀関係者による発言機会が多く、こちらも要注意だ。そのほか米決算発表は金融機関以外の増えてきており、内容はしっかりと見極めたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは113.40-114.40円。結局上抜け出来なかった先週末高値でもある114円半ばが強い抵抗。その手前114.30円レベルなどからオファーが溜まりつつある。
対するドル安・円高方向は、114円を一時的とはいえ下回ったことで、次のサポートは113.80円前後。下回ると113.20円レベル、113円などが視界内に。

ドル高傾向継続だが、風向きの変化も

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る