トルコリラ円見通し 5日連続の日足陰線で下落、徐々に昨年11月の史上最安値に迫る(21/10/19)

10月12日から18日までは5日連続の日足陰線での下落となった。

トルコリラ円見通し 5日連続の日足陰線で下落、徐々に昨年11月の史上最安値に迫る(21/10/19)

トルコリラ円見通し 5日連続の日足陰線で下落、徐々に昨年11月の史上最安値に迫る

〇トルコリラ円、10/18は12.36から12.19での取引、5日連続で日足陰線、史上最安値へ徐々に迫る印象
〇ドル/トルコリラは9.36から9.22での取引、連日の史上最安値更新となり日足は8日連続の陰線引け
〇10/21開催の中銀金融政策決定会合では追加利下げ予想、仮に利下げしなければ総裁解任の可能性あるか
〇追加利下げなら、一段とリラ売り加速する可能性を警戒
〇12.30以下での推移中は一段安警戒とし、12.15割れからは12.10前後試しを想定する
〇12.30から12.35にかけては戻り売りにつかまりやすく、12.25を割り込んでからは下げ再開と考える

【概況】

トルコリラ円の10月18日は12.36円から12.19円の取引レンジ、19日早朝の終値は12.23円で週末終値の12.30円から0.07円の円高リラ安となった。トルコ中銀の副総裁ら3名の解任報道から中銀及びエルドアン大統領の金融政策への不信感からリラ売りが加速しているが、10月12日から18日までは5日連続の日足陰線での下落となった。既に9月27日安値12.42円以降の12.50円を挟んだ持ち合いから下放れに入って年初来安値を更新しての続落だが、昨年11月6日の史上最安値12.03円へ徐々に迫っている印象だ。

【対ドルで連日の史上最安値更新】

ドル/トルコリラの10月18日は9.36リラから9.22リラの取引レンジ、19日早朝の終値は9.32リラで週末終値の9.25リラからは0.07リラのドル高リラ安となった。
9月29日に8.95リラへ下落して6月25日のそれまでの史上最安値8.80リラを割り込んでから数日の下げ渋り持ち合いとなっていたが、10月8日のエルドアン大統領による中銀への不満表明報道から一段安に入ってからは連日の史上最安値更新となっている。日足は8日連続の陰線引け。
10月14日に中銀の副総裁2名と委員1名が突然解任されたことで10月21日の次回トルコ中銀金融政策決定会合で追加利下げされる可能性も懸念され、リラ売りが止まらなくなっている。

【10月21日の中銀金融政策決定会合では追加利下げ予想】

トルコ中銀は10月21日に金融政策決定会合を開く。
前回の9月23日会合では、9月8日にカブジュオール中銀総裁が「政策金利判断には消費者物価指数の全体ではなくコア指数を採用する」旨の発言を行ったことで利下げへの懸念が強まってリラ売りが加速したが、市場は高インフレ状態ではさすがに利下げは困難だろうと現状維持を予想していた。しかし中銀は19.0%から18.0%へと利上げを強行した。8月の消費者物価コア指数の前年比が16.8%だったことで利下げ余地ありと判断したということだろうが、9月の消費者物価コア指数は17.0%へと若干上昇しているものの政策金利の18.0%を下回っているため、カブジュオール総裁のコア指数を判断基準とするという姿勢とエルドアン大統領による利下げ圧力を踏まえれば利下げ余地はあるということになろう。

10月19日朝時点での市場予想中央値は17.50%への利下げとなっており、予想レンジとしては17.0%への利下げから18.0%での現状維持となっている。委員3名の解任直後ということを踏まえれば17.25%から17.75%の範囲で利下げされる確率は高いのではないかと思われる。仮に利下げしなければ総裁も解任される可能性もあると思われる。
当面、21日の結果を見ないことにはリラ売りも止まず、追加利下げなら一段とリラ売りが加速する可能性のあるところと警戒される。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月14日早朝に急落した後は下げ渋っていたために10月15日午前時点では14日朝安値で目先の底を付けたとし、底割れ回避のうちは15日の日中から18日にかけての上昇余地ありとしたが、底割れからは新たな下落期入りとして19日朝から21日朝にかけての間への下落を想定するとした。
10月16日早朝に14日朝安値を割り込んで18日も続落しているため、底割れから弱気サイクル入りしたと思われる。強気転換には12.40円を超えるような反騰が必要とみて19日夜から20日にかけては安値試しが続きやすいとみる。

60分足の一目均衡表では10月16日早朝への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも再び転落しているので遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。先行スパンを下回るうちは一時的に遅行スパンが好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とみる。
60分足の相対力指数は19日午前への続落で20ポイント台へ低下している。40ポイントまでを抵抗としてまだ10ポイント台への一段安余地ありとするが、相場が安値を更新する際に指数のボトムが切り上がる強気逆行が見られる場合はいったん戻しに入る可能性があると注意する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、12.10円を下値支持線、12.30円を上値抵抗線とする。
(2)12.30円以下での推移か一時的に超えても維持できないうちは一段安警戒とし、12.15円割れからは12.10円前後試しを想定する。12.10円以下は反騰注意とするが下げ足が速まる場合12.05円前後へ下値目途を引き下げる。また12.30円以下での推移なら20日の日中も安値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.30円から12.35円にかけては戻り売りにつかまりやすいとみて、その後に12.25円を割り込むところからは下げ再開と考える。

【当面の主な予定】

10月20日
 23:30 9月 中央政府債務 (8月 204.2億リラ)
10月21日
 16:00 10月 消費者信頼感指数 (9月 79.7)
 20:00 トルコ中銀 金融政策決定会合
     週間レポレート (現行 18.0%、予想 17.50%)
翌日物貸出金利 (現行 19.50%)
翌日物借入金利 (現行 16.50%)
後期流動性貸出金利 (現行 22.50%)
 20:30 外貨準備高 グロス 10/15時点 (10/8時点 853.6億ドル)
     外貨準備高 ネット 10/15時点 (10/8時点 296.1億ドル)
10月25日
 16:00 10月 製造業景況感 (9月 113.4)
 16:00 10月 設備稼働率 (9月 78.1)
10月27日
 16:00  9月 貿易収支 (8月 -42.6億ドル)
 16:00 10月 経済信頼感指数 (9月 102.4)
10月28日
 16:00  9月 観光客数 前年同月比 (8月 119.4%)
 20:30 週次 外貨準備高 10/22時点


注:ポイント要約は編集部

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