ニュージーランドドル週報(2021年10月第1週)

今週はNZ独自の注目材料はありませんでしたが、アメリカの早期テーパリング開始と来年の利上げ観測によるドル金利の上昇や、足元での連邦政府の債務上限引き上げ案の審議が難航しており、リスク回避の動きがやや強まっています。こうした中、米株式市場では株価が下落、為替市場ではドル全面高となり、また、リスク回避に伴う円の買い戻しの動きも見られたことから、NZドルは対米ドル、対円で、上値の重い展開となっています。

チャートを見ると、日足は9/22に付けた76.34を直近安値として反発に転じましたが、9/28には78円超えトライに失敗して反落、上値を切り下げています。また、77円割れを見て日足の形状も悪化しており、下値リスクがやや高くなっています。76円台前半にやや強い下値抵抗がありますが、76.30以下で終えた場合は下値リスクが点灯、76円割れで終えた場合は短期トレンドが変化して下落余地が拡がり易くなります。この場合は8月に付けた74.56で底打ちしたかどうかを再度確認する動きが強まるでしょう。日足の上値抵抗は77.10-20，77.50-60，78.00-10に、下値抵抗は76.30-40，76.00-10，75.00-10にあります。21日、120日、200日移動平均線は77.70、77.70，77.11に位置しており、これらを下抜け始めています。また、3線が収束しており、一方向へ動き出す可能性が高くなっている点にも注意が必要です。現状は反発に転ずる可能性を残していますが、76円割れで終えた場合は、下落リスクが高くなります。

一方直近の週足は実体が小さく下ヒゲのやや長い陽線で終え、下値トライに失敗した形で越週しました。今週はこの反動で上値トライの動きが先行しましたが78円台乗せに失敗して再び反落しています。76.00-10に週足の下値抵抗がありますが、割り込んで越週した場合は短期トレンドが変化して下値リスクが点灯します。75.00-10の週足の抵抗も割り込んで越週した場合は74.00方向への一段の下落リスクが生じます。逆に78円台を回復して越週した場合は、下値リスクが後退して上値トライの動きが強まり易くなりますが、80円台はまだ大きな壁となりそうです。今週の週足ベースで見た上値抵抗は、77.70-80，78.40-50に、下値抵抗は76.00-10，75.00-10，74.00-10にあります。31週週移動平均線は77.67にあり、これをかろうじて守っていますが、76円割れで越週した場合は下値リスクが点灯します。しかし、62週線は74.98に位置しており、中期トレンドは“NZ強気”の流れを維持しています。