ドル円 FOMCなど注視しつつ、ドルはさらなる続伸も(4/28夕)

28日の東京市場はドルが堅調裡。値幅そのものは35ポイントほどにとどまったものの、「寄り付き安・大引け高」に近い格好で、見た目以上にドルの強さが目に付いた。

ドル円 FOMCなど注視しつつ、ドルはさらなる続伸も(4/28夕)

FOMCなど注視しつつ、ドルはさらなる続伸も

〇ドル円、本日値幅は35ポイント程にとどまり、夕方にかけ再上昇、わずかに109円台を回復
〇予断を許さないがGW前の調整が進みドル高進行を見込む声も見られた
〇円はドル/円以外でも全面安の様相、NZドル/円などで1ヵ月ぶりの戻り高値を記録した
〇新型コロナでは北米の米国とカナダで対応が分かれる結果に、続報や今後の対応に注意
〇本日の米FOMCやパウエルFRB議長の記者会見には要注意
〇本日欧米時間のドル/円予想レンジ108.50-109.50

<< 東京市場の動き >>

28日の東京市場はドルが堅調裡。値幅そのものは35ポイントほどにとどまったものの、「寄り付き安・大引け高」に近い格好で、見た目以上にドルの強さが目に付いた。

ドル/円は、寄り付いた108.65-70円を日中に安値にドル高進行。途中一時的に上げ渋る局面も見られたが、夕方にかけて再上昇をたどると、わずかに109円台を回復している。テクニカルにも目先抵抗を超えており、続伸を期待する声も多い。16時現在、ドルは109円前後の日中高値圏で推移し、欧米市場を迎えていた。
なお、円はドル/円以外でも弱く、全面安の様相。スイス/円やカナダ/円、NZドル/円などは前日から続伸し、それぞれ1ヵ月ぶりの戻り高値などを記録している。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナ」と「日本vs中韓の構図」について。
前者、コロナの感染拡大が一服した先がみられるなど欧州において対応が両極端。完全に二分されている感を否めないが、北米でも米国とカナダで対応が分かれる結果となっている。米当局はワクチン接種した人という条件付きながら「マスク無しで一部の屋外会食など可能に」という認識を示した反面、カナダは新型コロナ変異株による感染拡大が深刻化する東部オンタリオ州に、軍の医療支援チームが投入されることになった。ともに続報など、この先の対応にも注意を払いたい。

対して後者は、福島第一原発処理水の海洋放出をめぐり、中韓が共同で根拠の乏しい日本攻撃を繰り出すなか、今度は日本政府が発表した「外交青書」についてそれぞれ強い不満を示している。韓国は外務省が竹島の記述に反論、在韓日本大使館の相馬総括公使を呼び抗議したことが明らかになったほか、中国は外務省報道官が「中国の脅威をわざと誇張し、悪意の攻撃と中傷を行い、中国の内政に不当に干渉した」などと強く批判していた。そうしたなか、中国は尖閣領有主張のサイトに「日英版」も新設し、実効支配の様相を世界にアピール。さらに、外務省報道官が葛飾北斎の浮世絵で、前述した原発処理水問題を揶揄するというパフォーマンスも観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

「連日のようにレンジを切り下げる展開をたどっていた」−−という連鎖が途切れたドル/円相場は、その後もドルは戻り歩調をたどっており、前記したように本日東京時間には109円台を回復してきた。目先安値から1円を超える戻しであり、下値不安は後退、トライは一旦仕切り直しとなったことに間違いない。予断は許さないものの、ゴールデンウイーク前の調整がさらに進み、いま一段のドル高進行を見込む声も少なくないようだ。
材料的には、いくつか注目要因があるが、もっとも注視されているのはやはり米FOMCだろう。基本的に「金融政策は現状維持」、今後についても慎重姿勢の継続が見込まれているが、パウエル議長の会見でテーパリングに関する発言などがみられれば、米長期金利が再び上昇する可能性もある。また、それとは別に、「バイデン米大統領による上下両院合同会議での演説」にも注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、ドル/円は先日まで年初来安値102.60円を起点とした上げ幅に対するフィボナッチの話を取り沙汰していたが、それが一転。ここにきては、目先高値110.97円を起点とした下げ幅のフィボナッチが話題となっている。ちなみに、前述下げ幅の38.2%戻しは108.80円で、半値戻しは109.20-25円、61.8%は109.65円など。38.2%戻しは本日東京時間に超えたことで、次のターゲットは半値戻しか。近いレベルには移動平均の21日線も位置するなど、攻防には要注意だ。

材料的に見た場合、中長期的には領有権をめぐる周辺国との対立や人権問題など話題に事欠かない「中国情勢」や「北朝鮮情勢」、「イラン情勢」、「露・ウクライナ情勢」、「新型コロナウイルス再拡大と変異種の発生、ワクチン開発・接種」、「バイデン米大統領による政権運営」−−などが注視されている。
一方、本日の新規材料として、3月の米卸売在庫速報発表なども予定されているが、やはり注視されるのは、先で取り上げた米FOMCとパウエルFRB議長の記者会見。また、バイデン米大統領による上下両院合同会議での演説や、米企業決算発表などにも一応注意しておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは108.50-109.50円。前述したフィボナッチターゲットにあたる109.20-25円をめぐる攻防を注視。近いレベルには21日線も位置している。超えてくれば109円半ばや109.65円などが意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日まで抵抗として寄与していた108.80円レベルが弱いサポートに。割り込めば108円半ばあるいは108.30-40円などがターゲットとなる。

FOMCなど注視しつつ、ドルはさらなる続伸も

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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