トルコリラ週報:『リラ売り地合い継続。アーバル解任ショック後の安値を更新』(4/24朝)

トルコリラの対円相場は、3/19に記録した高値15.14円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約5ヶ月半ぶり安値となる12.81円まで急落しました。

トルコリラ週報:『リラ売り地合い継続。アーバル解任ショック後の安値を更新』(4/24朝)

『リラ売り地合い継続。アーバル解任ショック後の安値を更新』

〇トルコ円週明け13.52まで上昇後は週末にかけ12.81まで下落、中銀総裁解任後の安値更新
〇前週中銀声明文の引き締め文言削除、エ大統領のトルコ中銀牽制発言、米土関係悪化懸念が重石
〇テクニカルの地合い極めて弱く、ファンダメンタルズもトルコ売り材料多い
〇トルコ円続落がメインシナリオ、来週の予想レンジ(TRYJPY):12.50ー13.20

今週のレビュー(4/19−4/23)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初13.47円で寄り付いた後、早々に週間高値13.52円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、@先週のトルコ中銀会合時の声明文で「必要に応じて追加引き締めを行う」との文言が削除されたこと(利上げ観測後退→利下げ観測再燃)や、Aエルドアン大統領による「トルコ中銀は必要となれば再び外貨準備高を使用する」との発言、Bトルコと米国の関係悪化懸念(バイデン米大統領がアルメニア人「ジュノサイド」を認定する方針との一部報道)、C過剰流動性相場の逆流リスク(カナダ中銀によるテーパリング決定や、米政府によるキャピタルゲイン課税の思惑→株式市場をはじめリスクアセットに下押し圧力→リスク回避の新興国通貨売り圧力)が重石となり、週末にかけて、昨年11/10以来となる安値12.81円まで急落しました(3/20のアーバル前トルコ中銀総裁解任後の安値を下回る展開)。引けにかけて、小反発するも戻りは鈍く、結局12.87円前後での越週となっております。

来週の見通し(4/26−4/30)

トルコリラの対円相場は、3/19に記録した高値15.14円をトップに反落に転じると、今週末にかけて、約5ヶ月半ぶり安値となる12.81円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、90日移動平均線や200日移動平均線を下抜けした他、強い売りシグナルを示唆する三役逆転も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて弱いと判断できます。

ファンダメンタルズ的に見ても、@トルコ中銀による利下げ観測の再燃(※エルドアン大統領は3/20に利上げを続けてきたアーバル総裁解任→後任のカブジュオール新総裁は前週の会合で政策金利を据え置きつつも声明文でハト派的なスタンスを示唆)や、A同国からの資本流出圧力(政府と中銀の独立性への疑念)、Bインフレ圧力の高止まり(トルコリラの実質金利低下→リラ安圧力)、C新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、Dトルコ経済の先行き不透明感、E米国との関係悪化懸念、F過剰流動性相場の逆流リスク(リスクオフ再燃への警戒感)など、トルコリラ売りを想起させる材料が増えつつあります。

以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の続落をメインシナリオとして予想いたします(昨年11/6に記録した史上最安値12.04円を試すシナリオを想定)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):12.50ー13.20

『リラ売り地合い継続。アーバル解任ショック後の安値を更新』

トルコ円日足

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