『高値圏から反落するも下値は堅い。トルコ中銀政策金利に注目』
〇トルコリラ円新興国通貨高、米金利低下、国内支援材料等に14.15まで上昇
〇その後欧米株下落を受けたリスク回避ムードに13.82まで下落13.89レベルで越週
〇トルコ円テクニカルには地合いの強さ印象付ける
〇1/21のトルコ中銀政策金利発表要注視、コンセンサスは据え置きだが、サプライズ利上げの可能性も
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):13.70ー14.40
今週のレビュー(1/11−1/15)
今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初14.08円で寄り付いた後、@バイデン次期大統領による追加経済対策への期待感(株高→新興国通貨高)や、A米当局者による相次ぐハト派発言を受けた早期テーパリング観測の後退(米長期金利低下→ドル売り→新興国通貨高)、Bトルコ11月鉱工業生産(結果1.3%、予想0.8%)の良好な結果、Cアラブ首長国連邦(UAE)のガルガーシュ外相による「トルコとの関係を正常化させる意向」との発言、Dトルコ国内における新型コロナワクチンの接種開始が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値14.15円まで上昇しました。しかし、一目均衡表転換線に続伸を阻まれると、E欧米株の下落を受けたリスク回避ムードの再燃が重石となり、週末にかけて、安値13.82円まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、結局13.89円前後での越週となっております。
来週の見通し(1/18−1/22)
トルコリラの対円相場は、昨年11/6に記録した史上最安値12.04円をボトムに反発に転じると、1/7には、約4ヵ月ぶり高値となる14.30円まで急伸しました。この間、200日移動平均線を除くほぼ全てのチャートポイント(一目均衡表の転換線や基準線、雲上限及び雲下限、21日移動平均線や90日移動平均線など)を上抜けした他、強い買いシグナルを示唆する一目均衡表三役好転も成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております(週末にかけて値を崩すも、ボリンジャーミッドバンドや、11/6と12/11の安値を結んだトレンドラインは死守)。
ファンダメンタルズ的に見ても、@アラブ首長国連邦(UAE)との国交正常化観測や、A新型コロナワクチンの接種開始、Bトルコ国内のインフレ圧力の高止まり、C上記Bを背景としたトルコ中銀による追加利上げ観測(詳細後述)など、トルコリラ買いを想起させる材料が増えつつあります。
こうした中、来週は1/21に開催されるトルコ中銀政策金利発表に注目が集まります。市場参加者のコンセンサスは据え置き予想(17.00%→17.00%)となっていますが、1/4に発表されたトルコ12月消費者物価指数及び、トルコ12月生産者物価指数が共に大幅な伸び(インフレ加速)を示していることから、状況次第でサプライズ利上げに踏み切る可能性も残されています。仮に、サプライズ利上げとなった場合には、直近1年で一度も超えられなかった強力なレジスタンス200日移動平均線(14.44円)を試すシナリオも想定される為、注意が必要でしょう。一方、市場予想通りの結果(据え置き)となった場合の反応は限定的と考えられます(既に据え置きが織り込み済みで利上げ期待が低い為)。以上を踏まえ、当方では、トルコリラ円相場の上昇をメインシナリオとして予想いたします。
来週の予想レンジ(TRYJPY):13.70ー14.40
注:ポイント要約は編集部
トルコリラ円日足
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