トルコリラ円レポート月曜版(2020年10月12日)

先週のトルコリラは、7日にドルトルコリラが上昇、翌8日には対円でも史上最安値を更新する動きとなりました。

トルコリラ円レポート月曜版(2020年10月12日)

トルコリラ円レポート月曜版

〇先週のトルコリラ円、8日に史上最安値を更新
〇アルメニアとアゼルバイジャンの衝突やギリシャとの問題も悪材料に
〇今週は経済指標の発表もあるが内憂外患状態が続いている為、史上最安値を更新する可能性あり
〇今週は13.10レベルをサポートに、13.60レベルをレジスタンスとする流れ

今週はトルコリラ円となります。

まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが「いったん踊り場と考え、前週の安値圏に近い13.35レベルをサポートに、レジスタンスラインの位置する13.80レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が13.31レベル、高値が13.68レベルとなり、史上最安値を1銭更新したものの比較的静かな値動きの一週間でした。

先週のトルコリラは、週初は前週後半のもみあいを続けていましたが、7日にドルトルコリラが上昇、対ドルでトルコリラが史上最安値を更新する動きとともに対円でもじり安となり、翌8日には対円でも史上最安値を更新する動きとなりました。7日から8日にかけてはドル円も106円台に乗せる円安の動きとなっていましたので、円以上に弱かったというトルコリラの抱える悪材料が大きいということになります。

先週は特に悪材料が出たというよりは、トルコ国内の経済情勢や隣国アルメニアとアゼルバイジャンの衝突といった継続している悪材料がトルコリラの上値を抑えたということになります。特にアルメニアとアゼルバイジャンの武力衝突は10日に一時停戦の合意をしたにもかかわらず、アルメニアがアゼルバイジャンに対して攻撃したことで、逆に緊張が高まる状況となっています。

トルコの副大統領もアルメニアの攻撃に対して非難していますが、トルコはもともとアゼルバイジャン側についているということもあって、トルコ議会議長も非難しています。またより長く続いているギリシャとの間の問題でも週末にトルコ外務省が書面でギリシャは不誠実と非難しました。こちらはトルコが直接絡んでいる問題であることや、ギリシャはEUを後ろ盾にしていることもあってトルコリラにとっては悪材料となり続けます。

さらに先週トルコは米ドル建てで5年物の債券を25億ドル発行していますが、これはバイデン前副大統領が大統領選で勝つ可能性が一段と高まってきているためと言われています。トランプ大統領はトルコに対してこれまで寛大な姿勢を続けてきましたが、バイデン前副大統領は公然とエルドアン大統領を批判しているため、来年1月のバイデン大統領誕生後にトルコに対して制裁を行う可能性も高く、そうなると米ドルの調達が困難になるという分析がされています。

今週はいくつか経済指標の発表はありますが、引き続き内憂外患状態が続いていることを考えると悪い数字により反応しやすく、改めて史上最安値を更新しに行く流れが予想されます。

テクニカルにも見てみましょう。いつもの4時間足チャート(上からトルコリラ円、ドルトルコリラ、ドル円)をご覧ください。

トルコリラ円レポート月曜版

ピンクのレジスタンスラインが徐々に遠のいて下に動こうとする力が溜まってきているチャートと見ることができます。これまで9月10日高値を起点にした逆N波動(ピンク)に注目してきましたが、9月下旬安値も先週安値もほぼ100%エクスパンション(13.29)のわずか手前で止められ、次にトライすると3度目のトライとなり、テクニカルには大きく下げる可能性があります。

週明けの動きも下げ先行できていることを考えると、次のターゲットとなる127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションとなる13.10(青のターゲット)から13円の大台を試しに行く展開がよそうされます。上値は先週の高値圏を見ておくとよいでしょう。

今週は上記の通り、次のテクニカルなターゲット13.10レベルをサポートに、先週の高値圏13.60レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。


注:ポイント要約は編集部

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