ムーディーズによる格下げを受けて対ドル・対円共に史上最安値更新
今週のレビュー(3/30−4/3)
今週の南アフリカランド円相場は、前週ニューヨーク時間引け後に発表された、@ムーディーズによる南アフリカ国債の格下げ(Baa3からBa1)を嫌気する形で、週初から売り込まれる展開となりました。A南アフリカにおける新型コロナウィルスの感染拡大や、B上記Aを受けた同国ロックダウンの発動(3/26から4/16まで)、C南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政圧迫懸念、Dフィッチによる格下げ(BB+からBB)も重石となる中、週末にかけては、史上最安値5.67円まで急落しました(対ドルでも史上最安値19.09を記録)。引けにかけて小反発するも上値は重く、結局5.70円での越週となっております。
来週の見通し(4/6−4/10)
南アフリカランド円相場は、2/21に記録した高値7.48円をトップに反落に転じると、今週末にかけて史上最安値5.67円まで急落しました。この間、一目均衡表転換線や基準線、ボリンジャーミッドバンドを下抜けした他、強い売りシグナルを表す三役逆転や弱気のパーフェクトオーダーも成立するなど、テクニカル的にみて、「地合いの弱さ」を印象づけるチャート形状が続いております。
ファンダメンタルズ的に見ても、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(IMFやムーディーズは南アフリカ経済見通しを大幅下方修正。また新型コロナウィルスに端を発した中国経済の減速懸念も対中依存度の高い南アフリカに強い下押し圧力を加える恐れあり)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(度重なる計画停電→南アフリカ経済減速→GDPの更なる悪化懸念)、B米中貿易摩擦の再燃リスク(第2段階合意の後ずれリスク)、Cムーディーズによる格下げを受けたWGBI(World Government bond Index=世界国債インデックス)から除外決定(南アフリカ債券市場からの資金流出リスク)、D中東を巡る地政学的リスク、E南アフリカ国内におけるロックアップ発動や感染者数の急増リスク、F南アフリカ国債利回りの上昇に伴う財政赤字拡大懸念など、不安材料は山積みです。
以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的にも、ファンダメンタルズ的にも「続落リスク」が警戒されます。新型コロナウィルスの感染拡大や、ムーディーズによる格下げ決定を受けた株安・通貨安・債券安のトリプル安の流れは続くと見られ、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の軟調推移をメインシナリオとして予想いたします(4/8に予定されている南ア・3月SACCI景況感指数に注目)。
来週の予想レンジ(ZARJPY):5.20ー6.00
南アフリカランド円
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