米雇用統計の数字は如何に、波乱もあるか(4/3夕)

3日の東京市場は、レンジ取引。NY時間の米雇用統計発表待ちのためか、価格変動がわずか55ポイントほどにとどまった、昨日東京時間を下回る小動きだった。

米雇用統計の数字は如何に、波乱もあるか(4/3夕)

米雇用統計の数字は如何に、波乱もあるか

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、レンジ取引。NY時間の米雇用統計発表待ちのためか、価格変動がわずか55ポイントほどにとどまった、昨日東京時間を下回る小動きだった。

ドル/円は107.80-85円で寄り付いたものの、全般的に動意は乏しい。日米株価や金利の動きを注視しつつ、40ポイント強のレンジ取引に終始している。ただ、レンジ内では落ち着かず、上下に振れるなかなかの乱高下。108円挟みで方向性が定まらぬなか、16時時点では107.95-00円で推移、欧米時間を迎えていた。
なお、ドル/円に限らず、本日の為替市場は総じて小動きとなったが、そうしたなかトルコリラは終盤に大きく値を崩し、対円では16円割れを一時うかがう局面も。

一方、材料的に注視されていたものは、「新型コロナをめぐる厳しい世界情勢」と「原油安打開に向けた動き」について。
前者は、欧米を中心とした感染拡大が続くなか、複数メディアで景気などへの影響について悲観的な見通しが幾つも発表されていた。たとえば、ドイツは経済相が「独経済は上期に8%超える縮小となる公算」、「2008-09年の金融危機時超えるマイナス成長の恐れ」と発言。また、米議会予算局見通し「第2四半期GDPは7%超縮小の見通し、失業率も10%突破へ」、自動車専門メディア「GMなど米自動車大手ビッグスリーの新車販売数、1-3月に9.8%減少」−−などといった非常に厳しい発表が相次ぎ観測されている。

対して後者は、トランプ米大統領がロシアならびにサウジの首脳と個別の電話会談を行い、終了後に両国の減産量について「日量1000-1500万バレルに達する可能性がある」などと期待感を示したことが話題に。さらに、ロイターが「サウジは原油市場の安定を目的とした産油国間の協力を支持している」と報道したほか、別にロシアのノバク・エネルギー相も「原油市場はすでに供給過多の状態にあるため、ロシアとして増産する計画はまったくないと明言した」と述べていたという。なお、タス通信によると、「OPECプラスが会合を準備しており、来週実施の可能性がある」ようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

欧米を中心に、日本についても感染拡大がいまだに続いており、「行動自粛要請の強化」といった厳しい環境下に置かれている。そうしたなか、先でも指摘したような悲観的な経済見通しが相次ぎ発表されているだけでなく、実際の経済指標や企業業績などにもその一端が表れ始めてきた。ちなみに、昨日や一昨日発表された米経済指標は、発表された数値そのものは予想を上回ったものも少なくないが、あるエコノミストによると「事前予想をかなり低めに設定しているため、予想を上回ったといっても数字自体はかなり悪い」と言えるかもしれない。いずれにしても、本日発表の米雇用統計も内容はしっかりと注視したい。

材料的に見た場合、「米貿易問題」や「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス」、「米大統領選」など、注目要因は依然として目白押し。そうしたなか、もっとも注意を要するのは引き続き「新型コロナウイルス」絡みの話題。また、一応来週へ持ち越しになる公算が大きいと思われるが「原油安打開に向けた協議の行方」なども要注意だ。そのほか、本日は発表される米雇用統計の数字を注視している向きが多く、内容次第では波乱も否定出来ないだろう。

テクニカル面からすると、今週のドル/円はザックリ106.90-108.70円といった1.8円レンジ。まったく動いていないわけではないが、先週までは週間で4-7円も動いていたことと比べると少し落ち着いてきたのかもしれない。
ただ、本日は注目の米雇用統計発表を控えていることもあり、数字次第とは言え予断を許さず。前記1.8円レンジをしっかりとブレーク、来週以降も荒れ相場が続くということを改めて示す展開にも一応要注意だ。

一方、材料的に見た場合、3月の雇用統計や同ISM非製造業総合指数といった米経済指標が発表される予定となっている。
ちなみに、1日に発表されたADP雇用統計は予想よりも好数字だったが、昨日発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は予想の2倍近い悪化を示す664.8万件だった。本日の数値についても悪い数字という意味ではすでに織り込まれているものの、どの程度悪化するのか、その内容をしっかりと注視したい。

米雇用統計の数字は如何に、波乱もあるか

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.50-109.00円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線などが位置する108.30円レベルが目先の抵抗。上抜ければ、週間高値の108.73円や移動平均の75日線が位置する109円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値も近い、移動平均の25日線が位置する107.70円レベルの攻防にまずは注視。しっかり割り込んでくると、週間安値106.93円が意識されそうだ。

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