トルコリラ円見通し ドル円の上昇で1月20日夜高値を超える(23/1/24)

トルコリラ円の1月23日は6.96円から6.85円の取引レンジ、24日早朝の終値は6.94円で先週末終値6.91円からは0.03円の円安リラ高だった。

トルコリラ円見通し ドル円の上昇で1月20日夜高値を超える(23/1/24)

トルコリラ円見通し ドル円の上昇で1月20日夜高値を超える

〇トルコリラ円、1/23午前6.85までいったん下げるも、夜にドル円上昇に伴い6.96まで高値を伸ばす
〇1/18の乱高下による高安レンジ=午後高値7.00から夜安値6.79の範囲内で、方向性を探る展開となるか
〇対ドル、1/23は18.79から18.82までのコアレンジを中心とした動き継続、終値ベースでは最安値更新
〇昨日発表のトルコ消費者信頼感指数、改善傾向
〇6.90以上での推移中は、6.96超えから7.00に迫る上昇を想定する
〇6.90割れからは下落再開とみて、6.87前後、6.85前後を順次試す下落を想定する

【概況】

トルコリラ円の1月23日は6.96円から6.85円の取引レンジ、24日早朝の終値は6.94円で先週末終値6.91円からは0.03円の円安リラ高だった。
1月18日の日銀金融政策決定会合での現状維持をきっかけとしたドル円の乱高下に合わせてトルコリラ円は1月18日午後高値7.00円へ急伸したところから18日夜安値6.79円へ急反落したが、その後はドル円に合わせて乱高下が落ち着き、1月20日夜にかけてドル円が上昇した局面で6.95円へ上昇した。
1月23日午前はドル円の反落で6.85円までいったん下げたものの、23日夜にドル円が1月20日夜高値超えへ上昇したために6.96円まで高値を伸ばした。

【1月18日の乱高下レンジにとどまる】

ドル円は1月18日の乱高下が落ち着き、1月20日に日銀黒田総裁がダボス会議において金融緩和政策継続を強調したことと米長期債利回りが大幅低下一服で戻したことで1月20日夜高値130.61円へ上昇、23日午前にはいったん129円を試す反落となったものの日銀が1月18日の会合で拡充するとした共通担保資金供給オペを実施し、5年物の供給オペ1兆円オファーに対して凡そ3兆円の応札があったことで日本10年債利回りが低下したために130円を超え、米長期債利回りの先週末からの連騰もあり23日深夜に130.88円をつけたが、131円には届かずに1月18日の急伸時につけた高値131.57円には距離を残した。

黒田総裁の任期は4月8日までだが、副総裁については2月から国会指名があり、総裁についても3月には国会指名へと進む。1月23日の資金供給オペやダボス会議での発言を踏まえれば黒田総裁在任中の追加政策修正はないだろうと思われるが、新総裁体制になれば異次元金融緩和の出口戦略はさらに進んでいくものと思われる。当面は新たなきっかけを探りつつ127円前後から130円台序盤までの水準でややレンジの大きな騰落を繰り返しやすい局面と思われるが、ドル円と概ね同調して推移しているトルコリラ円も1月18日の乱高下による高安レンジ=1月18日午後高値7.00円から18日夜安値6.79円までの範囲内で方向性を探る展開で推移しやすいのではないかと思われる。

【対ドルでは終値ベースの最安値更新】

ドル/トルコリラの1月23日は18.84リラから18.76リラの取引レンジ、24日早朝の終値は18.81リラで先週末終値の18.76リラからは0.05リラのドル高リラ安だった。
1月23日は夜にかけて米長期債利回りの連騰でドルストレートではドル高となりユーロやポンドが反落し、深夜以降は米コンファレンスボードの景気先行指数が低調だったことでドル高が緩む展開だったが、トルコリラは全般状況にはさほど左右されずに1ドル18.79リラから18.82リラまでのコアレンジを中心とした動きを続けた。

年初からはトルコ市場時間開始時に一時的なリラ買いが繰り返されてきたが、1月17日以降は米国市場の取引終盤となる早朝にリラ買いが入ってリラ安を抑える動きが連日続いており、1月24日早朝にかけても一時的に18.76リラ近辺までドル安リラ高となってから18.80リラ台へ切り返している。年初からは昨年後半のリラ安基調がやや加速気味となってきたため、トルコ中銀によるリラ安抑止への動きがやや強まっていることを反映しているのではないかと思われる。
手元のデータでは、ドル/トルコリラの取引時間中における史上最安値は1月20日の1ドル18.84リラ、終値ベースでは1月16日終値18.80リラを1月23日終値18.81リラで更新している。

【トルコの消費者信頼感指数は改善傾向】

1月23日夕刻に発表されたトルコの1月消費者信頼感指数は79.1となり12月の75.6から上昇した。内訳では家計の現況が12月の57.4から61.6へ改善、家計の向こう1年後見通しについては12月の75.4から79.9へ改善、消費全般の向こう1年後見通しについては12月の77.3から82.7へ改善、耐久財消費の向こう1年後見通しについては12月の92.6から92.2へ若干の低下となった。
パンデミック発生以降の繰り返される感染拡大の波とウクライナ戦争勃発、世界的なインフレ進行とリラ安による物価高を背景に2022年6月には63.4まで低下していたが、その後は持ち直し基調に入っている。2022年に三度の最低賃金引上げを行い、政府によるトルコ小売業界への値下げ圧力、高インフレが続く中での利下げによる実質マイナス金利を活かしてインフレ率を下回るローン活用による消費が消費者心理を改善しているともいえる。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、1月18日午後高値をサイクルトップとした下落が18日深夜安値と19日午後安値をダブル底として持ち直しに入ったとして1月20日午前時点では20日夜から25日にかけての間への上昇を想定した。
1月20日夜高値から反落したために23日午前時点では6.85円割れから弱気サイクル入りとしたが、23日午前の下落では6.85円割れを回避して23日夜に一段高しているのでまだ上昇継続余地があると思われるが、24日午前序盤は失速気味のため反落開始警戒期と思われる。6.90円割れからは弱気サイクル入りとして24日午後から26日午後にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では1月23日夜への上昇で遅行スパンが好転を維持、先行スパンからも上抜けて来ているので遅行スパン好転中は高値試しを続ける可能性ありとみるが、遅行スパン悪化からは下落期入りとし、先行スパンから転落する場合は下げ足が速まる可能性があると注意する。

60分足の相対力指数は1月24日午前序盤に70ポイントへ迫ったところから50ポイント台へ失速している。20日の上昇時からは指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られるため反落期入りを経過し、50ポイント割れからは30ポイント前後への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、6.90円を下値支持線、6.96円を上値抵抗線とする。
(2)6.90円以上での推移中は6.96円超えから7.00円に迫る上昇を想定する。6.98円以上は反落警戒とするが、6.90円以上での推移なら25日も高値試しへ向かう可能性があるとみる。
(3)6.90円割れからは下落再開とみて6.87円前後、6.85円前後を順次試す下落を想定する。6.90円以下での推移なら25日も安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

1月25日
 16:00 1月 製造業信頼感 (12月 97.8)
 16;00 1月 設備稼働率 (12月 76.4%)
1月26日 
 20:00 トルコ中銀 金融政策委員会概要
 20:30 週次 外貨準備高 1/20時点 グロス (1/13時点 791.8億ドル)
 20:30 週次 外貨準備高 1/20時点 ネット (1/13時点 248.9億ドル)
1月30日
 16:00 1月 経済信頼感指数 (12月 97.6)
1月31日
 16:00 12月 貿易収支 (11月 -88億ドル)
 16:00 10-12月期 観光収入 (7-9月 179.5億ドル)
 17:00 12月 海外観光客数 前年同月比 (11月 44.64%)


注:ポイント要約は編集部

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