トルコリラ週報:『レンジ内で方向感に欠ける展開。嵐の前の静けさか』(1/22朝)

トルコリラの対円相場は引き続き「8円台半ば」で方向感に欠ける値動きが続いております(2022年に入って以降、8円台半ばを中心としたレンジ相場が継続中)。

トルコリラ週報:『レンジ内で方向感に欠ける展開。嵐の前の静けさか』(1/22朝)

『レンジ内で方向感に欠ける展開。嵐の前の静けさか』

〇トルコ円、週後半にかけて週間高値8.61円まで上昇、トルコ中銀の政策金利の据え置き発表が支援
〇トルコ中銀は5会合ぶりに政策金利据え置き、ただし、追加利下げ観測根強い
〇トルコ円引き続き「8円台半ば」で方向感に欠ける値動きが続く、テクニカルの地合いは中立化
〇ファンダメンタルズもトルコリラ円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が揃う
〇トルコ円相場の下落再開を来週のメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(TRYJPY):7.75ー8.75

今週のレビュー(1/17−1/21)

今週のトルコリラ円(TRYJPY)相場は、週初8.44円で寄り付いた後、@米金融政策の早期正常化観測や、A上記@を背景とした世界的なリスク回避ムード(米金利急上昇→米ドル高→新興国通貨下落)、Bトルコ12月財政収支の大幅悪化(過去最大となる1457.4億リラの赤字を記録)が重石となり、週明け早々に週間安値8.38円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、Cエルドアン大統領による「預金保護策」の強力推進(トルコの国営大手銀行が従業員に対し顧客へのリラ建て口座勧誘の成果目標を設定)や、Dトルコとアラブ首長国連邦による約50億ドル相当の通貨スワップ協定締結、Eエルドアン大統領による国民や企業に対するリラ保有の呼び掛け(手持ちの外貨をトルコリラへ交換させることが目的)、Fトルコ中銀による政策金利の据え置き発表(5会合ぶりの政策金利据え置き)が支援材料となり、週後半にかけて、週間高値8.61円まで上昇しました。

もっとも、買い一巡後に伸び悩むと、引けにかけて反落し、本稿執筆時点(日本時間1/22午前4時50分現在)では8.45円前後で推移しております。

来週の見通し(1/24−1/28)

トルコリラの対円相場は引き続き「8円台半ば」で方向感に欠ける値動きが続いております(2022年に入って以降、8円台半ばを中心としたレンジ相場が継続中)。強い売りシグナルを示唆する三役逆転の終了も見込まれる中、テクニカル的には地合いの中立化(レンジ相場入り)が意識されます(事実、エルドアン大統領も今週「通貨リラのボラティリティ低下に満足している」と発言)。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@エルドアン大統領の支持率低下(世論調査ではエルドアン氏の支持率が2015年以降で最低水準→来年の大統領選に向けて政局不透明感が高まる恐れ)や、Aトルコ中銀による追加利下げ観測(今週発表されたトルコ中銀会合は5会合ぶり据え置き決定となりましたが、エルドアン大統領は利下げスタンスを崩しておらず、インフレ次第では利下げ観測が再浮上する恐れあり)、B米FRBによる金融政策の早期正常化観測(来週1/27の米FOMCへの警戒感。米金利上昇・米ドル高の流れが再開すれば、トルコリラには下押し圧力)、

Cトルコ経済の先行き不透明感(スタグフレーション懸念。世界銀行は先週2022年の同国経済成長率予測を4.5%から2.0%へ大幅下方修正)、Dトルコ中銀による通貨防衛能力の脆弱さ(1/14時点の外貨準備高は2002年以来の低水準を記録)など、トルコリラ円相場のダウンサイドリスクを意識させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、トルコリラ円相場の下落再開を来週のメインシナリオとして予想いたします(足元膠着相場が続いていますが、来週の米FOMCを皮切りに再びダウンサイドリスクが高まる展開を想定)。

来週の予想レンジ(TRYJPY):7.75ー8.75

注:ポイント要約は編集部

『レンジ内で方向感に欠ける展開。嵐の前の静けさか』

トルコリラ円日足

注:ポイント要約は編集部

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