ランド円レポート月曜版
〇先週のランド、安値が7.13レベル、高値が7.45レベルでの取引、予想よりもランド高のレンジ
〇南ア中銀総裁、段階的に金利正常化を進めることが出来ると発言、ランド高の材料となる
〇パウエルFRB議長、ハト派スタンス維持により米金利低下とリスクオンで新興国通貨にとって好材料
〇今週は中国の製造業・サービス業PMI、米国雇用統計がランドの注目材料
〇今週の動き次第で、上昇トレンドへ転換か下降トレンド継続か決まる一週間となるか
〇今週は7.30レベルをサポートに、7.60レベルをレジスタンスとする流れ
まず、先週の振り返り(ショートコメント)ですが、「短期下降チャンネルの中での動きを考え、大台7.00レベルをサポートに7.30レベルをレジスタンスとする流れ」を見ていました。実際のレンジは、安値が7.13レベル、高値が7.45レベルとなり、予想レンジよりもかなり強くランド高の一週間となりました。
先週のランドは、週初からそれまでのランド売りのポジション調整と見られる買いが先行していましたが、25日に南ア中銀総裁が段階的に金利の正常化を進めることが出来ると発言し、コロナショック前の水準である6.5%(現在は3.5%)へと、景気回復とともにかなりゆっくりと上昇するとの見通しを示しました。
このタカ派な発言もランド高の材料となりましたが、中銀総裁は少なくともあと1〜2年は現在の緩和的な水準を維持するとも述べているため長期的な材料ではあるものの、米国でもテーパリング後の利上げは2023年以降と予想されていることを考えると、思いのほか早い時期の利上げという印象だったと言えるでしょう。
いっぽうで米国はパウエルFRB議長の講演で、年内にテーパリングを開始するとはしたものの、これまでのハト派スタンスは維持していたことから米金利低下とリスクオンスタンスに動きやすくなり、新興国通貨にとっては好材料となりました。
南ア中銀総裁の講演に話を戻すと、リスク要因として電気料金、大幅なランドの下げ、予想以上に速い米国利上げ、国内の財政圧力をあげています。米国の利上げは現状では2023年以降を前提にしている発言ですし、ランドの下げも現状は年初の水準に戻した程度なので懸念とはならなそうです。ただ、電気料金と財政圧力はリスク要因というよりも事実に近いため、今後はこれらにより注目されやすくなるでしょう。
今週はランドの材料としては中国の製造業・サービス業PMI、米国の雇用統計が注目材料となりますが、中国の経済指標は最近弱い数字も出ていますし、米国の雇用統計は予想の幅が広くどのような数字が出て来てもおかしくないものの、強い数字が傾向として続いていることを考えると、先週の上昇に対していったん上値を抑える動いとなる可能性があります。ただ、中国の数字が強く、米国雇用統計が弱いという可能性もありますから、こればかりは結果を見てみないと何とも言えないところです。
テクニカルには、まず週足チャートをご覧下さい。
コロナショック後の安値と今年の高値の38.2%押しが7.16となっていて、先々週安値7.10レベルと重なる水準です。また年初来高値からの下降チャンネルを抜けるかどうか、かなり微妙な水準にいることを考えると今週の動き次第で上昇トレンドへ転換か、下降トレンド継続かが決まってくる一週間になりそうです。
こうしたことを踏まえていつもの4時間足チャート(上からランド円、ドルランド、ドル円)もご覧ください。
ピンクの下降チャンネルがトライ中であることがわかりますが、どうも週初の水準から考えても上に抜けそうなイメージです。その場合、年初来高値と先々週安値との38.2%戻しである7.50を試し、その後61.8%戻しの7.62をターゲットとしやすい展開と見ても良さそうです。
今週は経済指標でランドにとってネガティブなサプライズが無い前提で、短期的な上昇トレンドに転換したと考え、中銀総裁の発言後の安値圏7.30レベルをサポートに、上記ターゲットのうち61.8%戻しに重なる7.60レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
※ポイント要約は編集部
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