トルコリラ円見通し 円高進行で12.50円台へ下落、6月21日安値に迫るもいったん戻す(21/7/9)

トルコリラ円の7月8日は12.73円から12.55円の取引レンジ。

トルコリラ円見通し 円高進行で12.50円台へ下落、6月21日安値に迫るもいったん戻す(21/7/9)

トルコリラ円見通し 円高進行で12.50円台へ下落、6月21日安値に迫るもいったん戻す

〇トルコリラ円、7/8は円高とドル高の両面から売られ12.55まで下落、その後下げ一服
〇対ドルでは、リスク回避的なドル高に圧迫され8.72リラまで下落したが、その後はやや持ち直す
〇中銀金融政策決定会合待ちで様子見の展開、週明けからは先走った動きが出やすくなる可能性
〇現状は三角持ち合いの角に近づいているところ、上下いずれに放れるのか試されやすい
〇12.78以下での推移中は下向き、7日深夜安値12.67割れからは12.60前後への下落を想定
〇7日夕高値12.78超えからは12.80円前後への上昇を想定、12.80以上は反落注意

【概況】

トルコリラ円の7月8日は12.73円から12.55円の取引レンジ。
ドル円が7月8日深夜安値で109.52円へ急落、夕刻にかけてはドル高も進んでいたために対ドルでのリラ安が進んだ17時台には円高とドル高の両面から売られてトルコリラ円は12.55円まで下落したが、その後は対ドルでの下落が一服して買い戻しの動きに入ったことでトルコリラ円も円高に押されつつも下げ一服となった。9日早朝からはドル円が戻しに入ったことで12.60円台へ戻している。
ドル円の下落が目立っているが、7月2日午前高値111.65円から8日深夜安値109.52円までは2円を超える下落幅となっており、4月23日からの上昇トレンドの下値支持線を割り込んでいるために3月31日から4月23日への下落時に近い規模となる可能性も警戒され、トルコリラ円にとっても円高圧力が大きな重石になってくるのではないかと警戒される。

【対ドルではリスク回避的なドル高に圧迫されるも、中銀金融政策決定会合待ちで揉み合い】

ドル/トルコリラの7月8日は8.72リラから8.65リラの取引レンジ。
8日午後から夜にかけてドルストレートではユーロが独歩高となった他は総じて下落となり、特に豪ドル米ドルやNZドル米ドルの下落が目立ち、南アランドやメキシコペソ等の新興国通貨も売られたため、ドル/トルコリラも17時台安値で8.72リラまで下落したが、その後は新興国通貨安が一服したことでやや持ち直した。
6月26日早朝安値8.799リラで史上最安値を更新したところから7月6日夕高値8.61リラまで買い戻されたが、その後は戻り高値切り上げへ進めずにいる。6月30日夜以降は8.70リラ台序盤では買われるものの8.60リラ台序盤では戻り売りにつかまっており、8.67リラを中心としてほぼ横ばいの推移となっている。

7月8日はNYダウが一時500ドルを超える下落となるなど欧米株安となり、欧米の長期債利回りも株安債券買いの動きから大幅に低下し、為替市場ではユーロドルが独歩高となったものの総じてドル高の動きとなった。7月2日の米雇用統計が冴えなかったことでのドル安の流れは7月6日までで一巡しており、リスク回避的なドル高感が強まってきている印象だが、ドル/トルコリラは史上最安値を更新した後の一服状態にあり、7月14日のトルコ中銀金融政策決定会合待ちとなっているために大きな動きには至らずに様子見の展開を続けている印象だ。
7月5日に発表された6月のトルコ消費者物価上昇率が予想を上回って前月から伸びが加速したことでトルコ中銀もエルドアン大統領による利下げ要求を踏まえつつも利下げには踏み切れない状況に置かれているため、利上げ催促的なリラ売りと利下げは当面ないとみてのリラ買いが交錯する状況で推移している。週明けからは7月14日の中銀会合も迫る状況となるために先走った動きも出やすくなるとみて現状の持ち合い推移から動き始める可能性があると注意したい。

【三角持ち合いからの一段安への懸念】

7月8日安値では6月21日安値12.48円割れには至らずにいるが、7月1日の戻り高値12.90円からはジリ安の流れとなっている。
6月2日安値12.44円と6月21日安値12.48円を結ぶラインが下値支持線、6月11日高値13.21円と7月1日高値12.90円を結ぶラインを上値抵抗線とすればレンジ縮小型の三角持ち合いの様相であり、現状は三角持ち合いの角に近づいているところだ。7月14日にはトルコ中銀の金融政策決定会合もあるため、三角持ち合いを上下いずれに放れるのか試されやすいタイミングとなる。

下落途中の三角持ち合いは下放れへ進みやすいが、「持ち合いは持ち合い放れにつけ」が鉄則であり、売り買いが拮抗しているために煮詰まった状況となっているので、上放れの場合は2月16日と3月19日のダブル天井からの下落一服で中勢レベルの持ち直しに入る可能性もある。しかし下放れなら昨年11月6日の史上最安値12.03円割れを目指す流れとなりやすい。
世界的な変異株による感染再拡大が金融市場全般に暗雲となり始めていること、円高感が強まってきていることでリスク回避的な手仕舞い売りも出やすい市場心理にあると注意し、対ドルでの下落再開ないしは円高あるいは両面からの売り圧力がかかる可能性にも注意したい。

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

【60分足一目均衡表・サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、7月2日午前高値を直近のサイクルトップとした弱気サイクル入りとして7月5日午前から7日午前にかけての間への下落を想定していたが、5日夕安値から6日夕へやや戻したところから一段安したために7日午前時点では既に底割れから新たな弱気サイクル入りしているとみて9日午後から13日夕にかけての間への下落を想定した。
8日夕へ一段安してから戻しているために8日夕安値でボトムを付けて強気サイクル入りしている可能性があるので、8日夕安値を割り込まないうちは9日夕から13日にかけての間への上昇余地ありと見るが、12.60円割れからは下げ再開を警戒し、8日夕安値割れからは下落継続とみて13日から15日にかけての間への下落期入りを想定する。

60分足の一目均衡表では7月6日夕高値からの反落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落し、その後も両スパン揃っての悪化が続いているが、8日夕安値から戻しているために遅行スパンは好転しやすい位置に来ている。先行スパンを上抜き返せないうちは遅行スパンが一時的に好転してもその後に悪化するところからは下げ再開とするが、先行スパンを上抜き返す場合はさらに戻りを試しやすいとみて遅行スパン好転中の高値試し優先とする。
60分足の相対力指数は8日夕刻への一段安で20ポイントを割り込んだがその後の反発で50ポイント台へ戻している。このため40ポイント以上での推移中は上昇余地ありとするが、40ポイント割れからは下げ再開とみて20ポイント前後を再び試す流れとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、7月8日夕安値12.55円を下値支持線、12.70円を上値抵抗線とする。
(2)12.60円以上での推移中は上向きとして12.70円前後を試すとみる。12.70円以上は反落注意とするが、12.65円以上での推移なら週明けも高値試しへ向かいやすいとみる。
(3)12.60円割れからは8日夕安値試しとし、底割れからは12.50円前後への下落を想定する。12.50円以下は反騰注意とするが、12.60円を下回っての推移なら週明けも安値試しへ向かいやすいとみる。

【当面の主な予定】

7月9日
 16:00 5月 経常収支 (4月 -17.12億ドル)
7月12日 
 16:00 5月 失業率 (4月 13.9%)
7月13日
 16:00 5月 鉱工業生産 前月比 (4月 -0.9%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 66.0%)
 16:00 5月 小売売上高 前月比 (4月 -6.3%)
 16:00 5月 鉱工業生産 前年同月比 (4月 41.7%)
7月14日
 20:00 トルコ中銀金融政策決定会合


※ポイント要約は編集部

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