南アランド週報:『新型コロナの感染拡大やフィッチによる格下げがランドの重石か』(11/21朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9には、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。

南アランド週報:『新型コロナの感染拡大やフィッチによる格下げがランドの重石か』(11/21朝)

『新型コロナの感染拡大やフィッチによる格下げがランドの重石か』

〇南アランド円コロナワクチン開発期待に高値6.85まで上昇後、一時6.66まで下落、6.75前後で越週
〇南アフリカ準備銀行、政策金利の据え置き(3.50%)を決定
〇テクニカル的には「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状、ファンダメンタルズは弱い
〇フィッチ・レーティングスは11/20、南アフリカの格付けを「BB」から「BB-」に引き下げ
〇南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90

今週のレビュー(11/16−11/20)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.71円で寄り付いた後、@米モデルナ社による「新型コロナワクチンの最終治験で94.5%の有効性が初期データから得られた」との発表や、A上記@を背景とした株式市場の堅調推移(リスク選好ムード)、B南アフリカに友好的なバイデン新大統領誕生の可能性が高まっていること等が支援材料となり、週明け海外時間に、高値6.85円まで上昇しました。しかし、11/9に記録した約8ヵ月ぶり高値6.90円をバックに伸び悩むと、C新型コロナウイルスの感染拡大(ロックダウン再開懸念→リスク回避ムード再燃)や、D南ア9月小売売上高(結果▲2.7%、予想▲2.3%)の冴えない結果が重石となり、週後半にかけては一時6.66円まで下落する場面も見られました。引けにかけて持ち直すも戻りは鈍く、結局6.75円前後での越週となっております。尚、南アフリカ準備銀行は11/19、政策金利の据え置き(3.50%)を決定しましたが、市場予想通りであったことから相場への影響は限定的となりました。

来週の見通し(11/23−11/27)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9には、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(欧州諸国のロックダウン再開を通じて南アフリカの対欧州向け輸出が打撃を被る恐れ)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限を通じた景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(バイデン新大統領候補も対中強硬姿勢を踏襲する可能性大)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料も残っています(こうした中、格付会社フィッチ・レーティングスは11/20、南アフリカの格付けを「BB」から「BBー」に引き下げました)。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さを残しつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。@株式市場や商品市況(特に貴金属市場)の動向や、A新型コロナウイルスの感染状況、Bコロナワクチンに関するヘッドライン、C米大統領選挙の続報(トランプ米大統領による法廷闘争の結果、バイデン新大統領への移行がスムーズに行われないリスク)、D南アフリカの主要経済指標の結果(11/25の南ア10月消費者物価指数や第4四半期BER企業信頼感指数、11/26の南ア10月生産者物価指数など)を睨みながらも、当方では引き続き、南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(週末の引け近くに発表されたフィッチによる格下げの影響が週明けの市場に反映される否かにも注目)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90

注:ポイント要約は編集部

『新型コロナの感染拡大やフィッチによる格下げがランドの重石か』

南アフリカランド円日足

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