南アランド週報:『8ヵ月ぶり高値更新後に伸び悩む展開。南ア中銀会合に注目』(11/14朝)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9にかけて、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。

南アランド週報:『8ヵ月ぶり高値更新後に伸び悩む展開。南ア中銀会合に注目』(11/14朝)

『8ヵ月ぶり高値更新後に伸び悩む展開。南ア中銀会合に注目』

〇南ア円 友好的なバイデン氏の大統領選優勢、ファイザーのワクチン開発報道に6.90まで上昇
〇その後コロナ感染拡大によるロックダウン懸念、次回会合での利下げ観測に6.75まで反落して越週
〇南ア円テクニカルには地合いの強さ印象付けるがファンダメンタルズの弱さが続伸阻むか
〇11/18南ア中銀会合では据え置き予想大勢なるも利下げ予想する向きもあり要注意
〇来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90

今週のレビュー(11/9−11/13)

今週の南アフリカランド円相場は、週初6.62円で寄り付いた後、@南アフリカに友好的なバイデン新大統領誕生の可能性が一段と高まったことや、A米製薬大手ファイザー社の新型コロナワクチン候補に関するポジティブな報道(米ファイザー社と独ビオンテック社が開発中のワクチン候補が、数万人参加した治験で90%超の確率で感染防止の暫定結果→新型コロナウイルスの収束期待)、B上記Aを背景としたリスク選好ムードの高まり(株式市場の急騰→新興国通貨買戻し)が支援材料となり、週明け海外時間に、3/5以来、約8ヵ月ぶり高値となる6.90円まで急騰しました。しかし、C新型コロナウイルスの感染拡大(ロックダウン再開懸念)や、D次回会合(11/18)での利下げ観測が重石となると伸び悩み、結局6.75円前後まで反落しての越週となっております。尚、ラマポーザ南ア大統領は11/11、新型コロナ対策の進捗に関する演説を行い、海外渡航の制限緩和(全ての国の出入国が可能)に踏み切りましたが、市場の反応は限定的となりました。

来週の見通し(11/16−11/20)

南アフリカランド円相場は9/24に記録した約1ヶ月ぶり安値6.11円をボトムに反発に転じると、11/9にかけて、約8ヶ月ぶり高値となる6.90円まで急伸しました。この間、一目均衡表雲上下限やボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線及び基準線、200日移動平均線を突破した他、強い買いシグナルを示唆する三役好転や強気のバンドウォークも成立するなど、テクニカル的に見て、「地合いの強さ」を印象付けるチャート形状となっております。

但し、ファンダメンタルズ的に見ると、@南アフリカ経済を巡る先行き不透明感(欧州諸国のロックダウン再開を通じて南アフリカの対欧州向け輸出が打撃を被る恐れ)や、A国営電力会社エスコムを巡る負債問題(電力負荷制限を通じた景気鈍化の悪循環)、B米中対立激化懸念(バイデン新大統領候補も対中強硬姿勢を踏襲する可能性大)、C新型コロナウイルスの感染再拡大リスク(資産現金化需要の高まりを通じて貴金属市場低迷→南アフリカランド下落の波及経路)、D南アフリカ中銀による根強い追加緩和観測など、南アフリカランド売りを想起させる懸念材料も残っています。

以上の通り、南アフリカランド円相場は、テクニカル的な強さを残しつつも、ファンダメンタルズ的な弱さが続伸を阻むシナリオが想定されます。株式市場や商品市況(特に貴金属市場)の動向や、新型コロナウイルス感染状況及びワクチン開発に関するヘッドライン、南アフリカ中銀会合(※政策金利の据え置き予想が大勢ながら、昨今のインフレ鈍化を背景に、利下げを予想する向きも少なくない)を睨みながらも、来週は南アフリカランド円相場の下落をメインシナリオとして予想いたします(南アランドは日足8連騰の後、反落に転じており、短期上昇トレンドに一服感が見られる状況)。

来週の予想レンジ(ZARJPY):6.60ー6.90

注:ポイント要約は編集部

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南アランド円日足

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