ご祝儀買いはいつまで続く!?米株の動き注意(11/9夕)

週明け9日の東京市場は、ドルが小じっかり。堅調に推移した日米株価などにも支えられ、ドル買いは終始優勢だった。

ご祝儀買いはいつまで続く!?米株の動き注意(11/9夕)

ご祝儀買いはいつまで続く!?米株の動き注意

〇ドル円、ドルが徐々に買い進められ日中高値の103.50-60まで上昇
〇メラニア夫人「敗北認めるべきとトランプ氏説得」報道を否定
〇トルコの中銀総裁解任と財務相辞任表明で本日東京時間にリラ上昇
〇財務省幹部「緊張感持って動向注視」と発言、足もとの103円台に警戒感
〇欧米時間の予想レンジ103.10-104.00

<< 東京市場の動き >>

週明け9日の東京市場は、ドルが小じっかり。堅調に推移した日米株価などにも支えられ、ドル買いは終始優勢だった。

先週末は、米大統領選の開票結果で「バイデン氏の勝利」がようやく確定するも、トランプ氏は敗北を認めず、法廷闘争の様相をさらに色濃くした格好に。また、英とEUの首脳が電話会談を実施したが、主要懸案での隔たりの大きさを確認して終わったことが明らかになっている。
そうした状況を踏まえ、ドル/円は103.30円前後で取引を開始したものの、米大統領選の開票結果は想定内のためか、いまひとつ盛り上がらず全般的には静かな取引に。ただ、それでも日経平均が一時600円以上も上昇するなど、日米株価が大きく値を上げたこともあり、ドルが徐々に買い進められている。日中高値の103.50-60円まで上昇し、16時現在でもほぼ同水準で推移、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、「米大統領選」と「トルコ情勢」について。
前者は、「バイデン氏優勢」とされる状態が続くも勝敗未定のままだった米大統領が、週末ようやくひとつの決着を見た。当のバイデン氏からは「勝利宣言」も飛び出し、「全国民のための大統領になる」とした宣言も聞かれたが、トランプ氏は敗戦を認めず。なお、そうしたなかCNNが「トランプ氏夫人ら、敗北認めるべきとトランプ氏を説得」などと報じたものの、そののちメラニア夫人がツイッターで「完全なる透明性をともなった民主主義を守らなければならない」と指摘するなど、CNN報道を事実上否定している。フェイクニュースもそこかしこで飛び交っており、まだまだ大統領選をめぐる混乱は続きそうだ。

対して後者は、トルコのエルドアン大統領が同国中銀のウイサル総裁を解任したことが明らかに。また、それに続いてアルバイラク財務相も、健康上の理由で辞任すると表明。金融の要とされる2氏がともに居なくなることに、為替市場では驚きの声が上がっている。ただ、市場の反応はむしろポジティブで、本日東京時間にトルコリラは上昇。継続性に疑問を抱く声も少なくないが、取り敢えず下げも一服、一息ついた格好となっていた。

<< 欧米市場の見通し >>

米大統領選については、これから法廷闘争に入っていくものとみられ、最終的な決着まではまだまだ時間がかかりそう。しかし、トランプ氏逆転の可能性は低いと見られるうえ、日本の菅首相など各国首脳からバイデン氏への「お祝いメッセージ」が続々贈られるなど、外堀も埋められ始めている感を否めない。不確定要素として注意しておく必要はあるが、市場の関心もこれから少しずつ軽減していくことになりそうだ。
そうしたなか、市場では株式市場を中心に足もとは「ご祝儀買い」ともいえる動きが先行している。いま少しのあいだ、同様の動きが続く可能性も否定できない。ただ、トランプ政権とは異なる政策をとることがほぼ確実視されているバイデン新政権は、キャピタルゲイン課税や法人税増税などを打ち出しているだけに、どこまで「買い」が継続するのか甚だ疑問も残る。新政権の動きを注視しつつ、高値掴みなどにも十分な注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、足もとのドルは戻り歩調だが、基本的なリスクは依然とした下方向にバイアス。「週内に103円割れ」を見込む向きも少なくない。
ただ、本日もブルームバーグが財務省幹部の発言として「緊張感持って動向注視」などと報じるなど、当局としては足もとの103円台に警戒感を抱いている感もうかがえる。イケイケドンドンでドル安・円高が進行する展開も見込みにくいのかもしれない。

材料的に見た場合、中長期的には「米中の対立」やそれだけにとどまらない「中国情勢」、「北朝鮮情勢」、「英国情勢」、「イラン情勢」、「新型コロナウイルス再拡大とワクチン開発」、「法廷闘争の可能性も高まってきた米大統領選」、「就任確実のバイデン新大統領による米政権人事」、「トルコ情勢」−−などが注視されている。
一方、本日の材料としては、これといった米経済指標の発表が予定されていないものの、米財務省による3年債の入札や、メスター・クリーブランド連銀総裁による講演など欧米要人による発言機会は少なくない。場合によっては相場の波乱要因に。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは103.10-104.00円。時間足など短期ベースでドルの上値を阻んでいる感のある103.70-80円の攻防にまずは注目。上抜けると、これまでサポートだった104円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末に記録した直近安値の103.18円が最初のサポート。下回ると明確な下値メドを指摘することは困難だが、心理的な意味も込めて103円が意識されそうだ。

ご祝儀買いはいつまで続く!?米株の動き注意

ドル円日足

注:ポイント要約は編集部

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